3.29.2011

遊びをせんとや

事態が沈静化に向かうかに見えて洒落にならないほど(報道出来ないほど)悪化しているとか、
最悪は東日本がナウシカの世界のようになってしまうかもしれないとか、
下手したらもうその一歩手前まで来ているとか、
一個人が考えてももう仕方ない。
これについて出来る事はないし、家と仕事を捨てて逃げることも出来ない。
であれば腹を括るしかない。

このような時だからこそ、当たり前の日常が何より尊く愛おしい。
もしかしたら永久に失われてしまうかもしれない当たり前の日々を、
当たり前に生きる事。
今出来るのはそれしかない。

なので、自粛ブームに乗るのはやめた。
例えこの危機を凌げたとしても、不謹慎不謹慎てひたすら萎縮して自閉して、結果として経済を停滞させる事は誰の為にもならない。
涙も同情も、現実を変える力にはならない。
復興の為には経済を活性化させなければならないのだ。
それにはまず個々人が金を回す事※1 。萎縮してる場合じゃない。

御託はともかく、要するに無性に気晴らしがしたくなったという事。
自分と同じく停滞したムードに嫌気の差した友人に誘われるまま御殿場まで車を走らせる。
久々に物欲モードをオンにしてアウトレットモールへ。


高いぞ高いぞ富・士・山!

天気のいい週末にも関わらず、やはり人出は今一つ。
そのお陰で駐車場待ちに無駄な時間を費やす事もないのは逆にラッキーで。
モールを練り歩いて新しく出店した店舗を冷やかして、あれこれと買い込んで、
帰りに温泉に浸かって美味いものを食べればもう言う事はない一日。
少しは気が晴れたね。やはり閉じこもっていてはいかん。

街は暗くても、外出を控えなければいけない理由はない。
見慣れない暗い夜の東京。日本ではないかのようなその怪しさも、見方を変えればエキゾチックで結構面白い。夜は暗いものなのだ※2
この非日常を楽しむ位の逞しさがこれからの我々には必要。
もうあの日の前には戻れない。日本は変わってしまったし、我々も変わらざるを得ないのだから。


叩きつけられたボールは跳ね上がるしかない。
怯えるのに嫌気が差したら遊びに出よう(と言うのはやはり不謹慎ですか)。



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※1 国民の保有する770兆円にのぼる現金・預貯金、その実に六割を握る60代以上の方はこういう時だからこそ大いに飲んで喰って買って使って遊んで、買占め以外の手段で金を回して欲しい。若者は金もなく疲弊しきっているのだから。第一、もう小金を貯めこんだ位ではどうにもならない世界になるかもしれないよ?
※2 思えば欧州も中東もアフリカも、夜はまっとうに暗かった。暗がりの中をわさわさと動きまわり活動する人の群れが何とも言えず楽しげで、ぞくぞくするほど魅力的に見えたものだ。煌々とした白い明かりで闇を追い出すのはアジアの文化なのかもしれない。

3.28.2011

落下対策(電子レンジ)

こと地震に対しては、電子レンジはもっとも危険な家電かもしれない。

1.使用上、必ず高い位置に置かれている
2.重量バランスが悪い
3.非常に重い
4.例外なく角張っている

即ち転倒落下リスクが高く(1)(2)、
そして落下した時には間違いなく家に大ダメージを与える(3)(4)のが電子レンジ。

先日の地震で自分が一番心配したのも電子レンジの様子。
小ぶりな冷蔵庫の上に置いてある我が家の電子レンジが角から床に落下したら床に大穴が開く事は避けられず、そして修復にはリフォームレベルの大工事が必要となる事が容易に想像出来たからだ。
幸い無事だったものの、あの日以来床に降ろしたままの電子レンジ。
何もせずにただ元の位置に戻す気には到底なれない。


という事で電子レンジの落下防止対策。
これは冷蔵庫と結びつけ一体化する事で落下を防止する方式を採用。
重たい電子レンジを頭上に括り付けられる冷蔵庫は転倒リスクが跳ね上がるが、既に転倒防止策を講じているのでノープロブレム。それではレッツトライ。


背面に開いている穴を利用し、ここにワイヤーを通す事とする。


ここと

ここ


背面のビスを外してケースをぱかっと開き、ワイヤーを通す。


こんな感じ

分解するとメーカーの保証適用外となってしまうのでやるなら自己責任で。
2003年製でとうに保証の切れたこのレンジは煮ようが焼こうが関係ないが。

ワイヤーを通したらケースを元通りに被せて※1定位置に、即ち冷蔵庫の天板の上に戻す。
レンジ背面から伸びているワイヤーを冷蔵庫の左右背面の穴に通してロック。
ここでも、ワンタッチでロックを緩めてワイヤーを取り外すことの出来るリーズロックを使用。買い換えるときも簡単に外せる。




これで電子レンジは冷蔵庫と一体。使用した工具はプラスドライバー一本だけというお手軽な対策ではあるが、効果は十分。冷蔵庫がワイヤーをぶち切って倒れない限り、どれだけ揺れようとも電子レンジが床に穴をあける心配はない。


地震に際し最も凶悪な家電である電子レンジの対策が完了してようやく一安心。
ワイヤーは全て背面で取り回されているので、正面から見えるのは天井付近の壁から冷蔵庫の背面に伸びているワイヤー一本だけ。思ったほど見た目を損なっていないのも嬉しい誤算。


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※1 外すのは簡単だが嵌めるのに手間取るのがこのケース。上と左右に設けられた三箇所のスリットに同時に本体のフレームを嵌め込まなくてはならず、しかもスリットは浅い為、あちらを嵌めればこちらが外れるといった具合。一連の工事で一番時間がかかったのがこのケース嵌めだったりする。どんだけ不器用なのかと

3.24.2011

転倒対策(冷蔵庫)

ミネラルウォーターを買い占めに走ったあなた。
あなたが買い占めた分だけ、不安に慄きながら水道水でミルクを作らざるを得なくなる母親が増えるかもしれない事を想像しましょう。
それ、本当に必要ですか?
成長期の子供の身体が受ける影響に比べたら、身体が出来上がった大人が受ける影響など微々たるものです。
本当に必要な方に譲りましょう。
特に愛煙家の方!この程度の放射能よりもあなたが咥えている葉っぱの方がはるかーに身体に悪い事を自覚しましょう。
咥えタバコでミネラルウォーター買い占め?悪い冗談です。健康が心配ならまず禁煙しろ禁煙。


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微力ながら募金して物送って(あんなの役に立つかどうかは分からないが)買い占めも控えて(自重しろよみんな)節電もして(少しくらい寒くても我慢)、他に出来る事といったら献血か?
そう言えばしばらくしてないな。オールマイティなプラスO型※1は有事には重宝するだろう。よし献血だ献血。なに夜間はやってない?うぬ。


悔いの残らないよう、出来る事は全てやろう。自分の生活を壊さない範囲で。
ていうか家を壊さない対策もしろよ(こないだ冷や汗かいただろ)。
という訳で我が家の転倒防止対策。
まず冷蔵庫。


背面に二箇所あいている穴を利用する。
ここにワイヤーを通し、かしめ玉をペンチで潰してしっかりとかしめる。
(女性の握力では難しいかも)

右の穴から

両方の穴をワイヤーで結び、弛まない様にぴんと張った状態で固定。


左の穴までピンと張ってかしめ!

横に張ったワイヤーの中央に今度は縦にワイヤーを絡め※2、天井付近の壁※3にしっかりと取り付けたU字金具まで張り、上下をロック。
壁から冷蔵庫を支えるワイヤーのロックにはかしめ玉を用いず(冷蔵庫の買い替えや移動に対応できるよう)、ワンタッチで緩めて外す事の出来るリーズロックを使用。


縦横とも弛ませずピンと張るのが肝。
弛みは固定する対象物の余計な振幅を生み、加速度を伴った振幅が大きいほどワイヤーにかかる慣性質量が増し、要するにいざという時にワイヤーが切れてしまうリスクが高くなる。

ワイヤーをギュッとね!(分かったあなたは30代以上)

これでどんなに揺れようと冷蔵庫は倒れないはず。
1.5mmワイヤーの破断強度は120kg、転倒防止ワイヤーの強度としてはまず十分だ。


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※1 O型は誰にでも輸血可能。反対にAB型はAB型にしか輸血できない。使えねえ
※2 下の画像ではワイヤー同士が直接絡んでいる。これだと摩擦で擦り切れてしまう恐れがあるので本当はリングを介して絡めた方がいいのだが、別に普段動いている訳でもないのでまあいいだろう。横糸をかしめる時にリングを通し忘れただけだろとかいう突っ込みはスルーさせていただく。
※3 裏地板のある壁か裏に梁が通っている壁である事。合板だけでは強度不足

3.23.2011

キャンドルライト

「国土を荒廃させ、日本をここまで落ちぶれさせたろくでもない世代」
我々は次の世代からそう糾弾されるのかもしれない。
復興の原動力は経済で、経済のエンジンたる産業を推進するのはエネルギー。
そのエネルギーが今後2年は回復する目処も立たないのでは、最早打つ手なし。
どこをどう考えても明るい材料が見当たらない。この国がどこまで転落するのか見当もつかない。

事態を取り返しのつかないところまで悪化させた政府の対応のまずさをあげつらうのは容易い。
が、その無能な政府を熱狂的に支持し※1諸手を挙げて迎えたのは他ならぬ我々ではないか。
災害に備える予算を「無駄」と切り捨ててバラマキにあてた仕分けパフォーマンスを、
拍手喝采で支持したのも我々ではないか※2
後の世代から受けるであろう「とんでもない事をしてくれた」という非難に、やはり我々は頭を垂れるほかはない。


と、ありえないレベルまで考えがネガティブに傾いてしまう雨の日の帰路。
帰り着いた家のドアを開けると、小さな灯りが一つ。
モンステラに新芽が。




新築祝いに友人から貰って以来しばらく元気がなく、葉の端々が枯れてきたりしていたので心配していたこの熱帯植物。見かけの弱弱しさの裏に力強い生命力を秘めていたのを知って、少しばかり心が晴れる思いがする。
やはり植物はいいな。



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※1 て言っていいでしょ?2年前の夏のあの異常な支持率は。
※2 仮に仕分けの対象とならなかったらといって今回の災害に間に合った訳ではない。が、そうした政策を支持していたのであれば遅かれ早かれカタストロフは避けられなかったという事。

3.21.2011

一年経過

家が引き渡されてから今日で丁度一年になる。

引渡し前に4日かけて内壁塗りはあらかた終えていたものの、
それでも引渡し時の内装はまだ半完成状態。

その後の一年で
一部の天井を塗り(3月)、ロフト壁を張り(4月)、
キッチンの壁にタイルを貼って(5月)漆喰を塗り(6月)、
ロフト梯子を取り付け(6月)、最後に表札を取付けて(10月)
やっと「ほぼ完成」となった。

我ながらよくモチベーションが続いたものだ。
この家を設計してくれたS氏も言うように、家作りにはある種のfeverが不可欠。熱に浮かされた状態で突き進まなくては、心身ともにエネルギーが持続するものではない。飽きっぽい自分がこれだけの長きに渡りモチベーションを維持し続けられた事がまず驚きで、それを可能にするのが「家」の持つ力なのかもしれない。
冷静に考えたらバカかと思うもんなあ。そんなもんプロにお任せしろよと思うのが普通で。

あとは…シンボルツリーの植樹(この地震で予定が大幅に狂ってしまったが)と擁壁上の柵を作り直す工事が残っている。植樹はともかく柵はさすがに自力では出来ない。また少なからず費用もかかる事なので、ある程度資金に余裕が出来てからじっくり検討すればよい。

考えてみればあっという間の一年。早かったな…

そして一年後に日本がこうなっていようとは、さすがに予想だにせず。全くの想定外。
来年の今頃はどうなっているのか。

3.19.2011

クリーニング店からブランケットが送れる

日本リ・ファッション協会が受付けている被災者支援の毛布類の提供、記載の住所まで送付しなくとも、首都圏に140店舗を展開している喜久屋クリーニングショップの店頭でも受付けて貰えるらしい。
送る気持ちはありながら梱包の手間や送付費用などを考えると二の足を踏んでいた人にも、いつも利用のクリーニング店で洗濯物を出すのと一緒に受けとってもらえるのであれば支援の敷居はぐっと低くなる。これはいいシステムだ。

幸い、自分が利用しているクリーニング店も喜久屋。
開封のみで未使用新品、使い道のないままクローゼットのこやしとなっていたアレをこういう時にこそ役立てよう。
たった一枚で本格的な毛布ではないが…何もしない方がマシ、という事が世の中には往々にしてあるが、これは何もしないよりはマシの類だと信じて。断捨離の対象にしなくてよかった。






送ってあげないよ!ジャン




嘘です。送ります。つい口走ってしまいましたごめんなさい

ベイルアウト!

本国のHQから予告なしで移転命令が下り、管理職含め社員の三分の一ほどが一両日中に西へ移動する事となった。
行き先は、二転三転した挙句にやっと西国の某都市に決定。移動した社員は、当面は割り当てられたホテル住まいとなる。
各組織とも移動人員数が割振られた状態で指示が下り、そこから人員選定および申渡しまでわずか30分という荒業。移転する可能性を前もって知らされていた管理職はともかく、突然通告されたスタッフは呆然とする他はない。

心配していた女性スタッフの「業務命令拒否=退職」は少なくとも現時点では発生していない。これは、
移動対象に選定されたのが独身と子供なしであった事(意外とおひとりさまが多かった…)、
これはあくまで原発の状態が落ち着くまでの期間限定措置であると強調されていた事、
移動期間中も東京との定期的な人員ローテーションや週末の一時帰宅費用負担を「考慮する」※1とされた事、などが奏功している。
誰もが原発の状況を少なからず不安に思っている事も大きいが、あまりに急な話で事態がよく把握できていない為、というのも確かにある。説明を受けた多くは、期間1-2週間程度の長期出張に似たものと考えている節がある。多分その程度では済まない。

少なくとも原発が落ち着いて政府が安全宣言を発するまでこの措置は継続する筈だから、期間は事実上の無期。
1ヶ月かもしれないし、3ヶ月かもしれない。もしかしたら1年になるかもしれない。
移動の準備でばたばたしている今はそこまで考えが及ばないだろうが、業務が落ち着くにつれて先が見えない状況に嫌気が差して辞めてしまうスタッフは続出するだろう。何しろ会社が慌てて押さえたオフィス環境は劣悪でインフラ整備もままならず、仮住まいならともかく、とても長期にわたる勤務に耐えられるものではない。管理職ならともかく、スタッフにそこまでのロイヤルティを期待するのは無理というものだ。
現場監督にあたる管理職を吊るし上げてガス抜きする位ならまだいいが、この移動措置が終了するまでにばたばたと退職されてしまうのが一番困る。

退職で不足した人員を東京から送る→繰り返すうちに東京が手薄になる→東京撤退で完全移転
退職で不足した人員を現地採用する→繰り返すうちに現地社員が増え、逆に東京に戻れなくなる→本社二分体制が固定化

いずれも望ましい事態ではない。後者となった場合も遠からず前者に転ずるだろうし※2、そうなれば自分も退職を余儀なくされる。しかし状況が長期化するにつれ、このリスクは右肩上がりで高まっていく。
被災地も心配、原発も心配、この上己の身の振り方まで心配したくはないのだが。



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※1 「約束する」ではないところが大人の答弁。
※2 現地固定がはっきりした時点で今度こそ大量の退職者が発生するのは間違なく、また同等の機能を持つにいたったオフィスを二つ置く位ならば東京を撤収して一つに纏めてしまおうと考えたとしても少しも不思議ではない。現に営業部門だけを残して東京から完全に撤収し、低コストな地方都市に本社機能を移転してしまっている同業他社は幾らでもある。

3.16.2011

ベイルアウト?

都内に本社機能を置く外資系企業が少なからざる割合で首都脱出計画を立て始めていると噂される中、わが社も例に漏れず、大至急との札付きで避難移転計画の立案と費用の見積もりを命ぜられた。

想定される行き先は…半径300km圏外の大都市。どこであれ、自宅から通える場所ではないのは確かだ。
これを気が早いというかどうか?
外資のHQがリスクに過敏気味なのは確かだが、海外では既に事態が「スリーマイル以上、チェルノブイリ未満」のレベル6に達していると報道されている。
なぜか当の日本では報道されていないが
(報道されました)。

しかしねえ、とディスプレイに映し出されたパワーポイントを眺めながら溜め息が漏れる。
これは現実には不可能だ。
当社のスタッフに、身軽な独身男性など殆どいない。
過半数が家庭を持つ主婦であるベテラン社員で構成されているのだから。

「本社移転が決定しました」
「期間は最低半年以上ですが未定です。年単位になるかもしれません」
「さらにいえば、移転は恒久的なものになる可能性もあります」
「とにかく急いで準備してください。あちらでマンションを借りてもらいます」

こんな命令に唯々諾々と従って家庭を離れるとは思えない。
「だったら辞めます」と即答するのが殆どだろう。

過半数のスタッフが一斉に退職したら業務自体が成立しない。
会社機能を存続させる為の避難移転である筈が、これでは正しく本末転倒。

とは言え、事態が悪化の一途をたどり一向に好転する兆しを見せない現在、自分の中でもこのプランが「絵に描いた餅」から「現実路線」にじりじりとシフトしつつあるのは否定できない。
大げさでなく、日本の運命は最早東京電力の双肩にかかっているといっても過言ではない。
何とか踏ん張って貰いたい。東電超がんばれ。ここが鍔際だ。

3.15.2011

転倒防止対策(発動)

震災の翌営業日にあたる今日は、鉄道の完全復旧もままならない所為もあってさすがに欠勤が目立つ。
遅れて出社したのを合わせると出社率七割程度か…自分がオフィスのドアを開けた時点ではフロアに数名しか見当たらずどうなる事かと思ったが、これだけ集まればまあ上出来。通常業務は何とかなろう。
背の高いキャビネットが再転倒防止に廊下に横倒しにされ、重量物が全て床に降ろされ、節電の為にあちこちの照明が消された異様な雰囲気の中で業務を再開。

夜になり、突貫工事で纏めた本日業務の成果物をメールで提出した直後に
朝から挙動が怪しかったPCがとうとうクラッシュ。
地震で転倒したからなあ…
しかし仕事中に逝ってしまわなくて良かった。こいつもよく頑張った。安心してスクラップになるがよい。

帰りに寄った丸正では、手頃な食料品はすっかり買い占められてすっからかん。
野菜と魚(焼き魚はNG※1)、たっかい肉しか棚には残っていない。
主婦ェ…


さて運良く家具類の落下/転倒による損害を免れた我が家にも、今週末から転倒防止策を講じる事とした。
対象はまず、転倒したら一番家にダメージを与えそうな電子レンジに冷蔵庫、次いで本棚。
姿見や水槽、プリンタ、PCなど比較的軽いものは最後に。

電子レンジは背面にワイヤーを通して冷蔵庫の背面フックに引っ掛け、
冷蔵庫背面から壁(裏に梁が通っている箇所)までワイヤーを張る。
本棚はL字金具で窓枠に固定。
姿見は上部にヒートンをねじ込んで透明なナイロンワイヤーでも張るか。軽いので金属ワイヤーは必要ない。
ワイヤー類は邪魔になったら簡単に外せる様、全てフックに引っ掛けるやり方とする。

見た目が少しばかりダサくなるが、背に腹は変えられない。
もうあんな思いをするのはご免だ。



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※1 、一度やってみたところ小さな家にたちまち焼き魚の匂いが充満するのに辟易し、以来自宅では魚は焼かない。オリーブオイルを焦がした匂いならそう悪くはないが、魚を焼いた残臭というのはなんとも胸をむかむかさせる悪臭だ。しかもなかなか消えない。

3.14.2011

As usual

ABCニュースのサイトが脳裏から離れない。
宮城県だけで一万人は下らないという犠牲者や
かけがえのない家や大切な人をなくした何十万人もの被災者、
その無念や絶望は、察するには余りありすぎて言葉に出来ない。
この圧倒的な現実の前にはどんな言葉も軽い。

在京の身に出来るのは、せいぜい募金と節電程度。
自分は自分で、いつも通りの生活を守らなければいけない。
明日は我が身という覚悟を持ちつつ、
普通に起きて普通に働いて普通に寝る日常を守らなければいけない。

という訳で、節電の為にも今日はさっさと寝てしまおう。
週明けはオフィスの片付けから始まり、
業務には被災者支援対策が加わって一段と多忙な日常がやって来る。

3.12.2011

海も山も

会社泊のスタッフからは無事帰宅したとのメールが入って一安心。
一番遠方の我孫子市に住んでいるスタッフは朝8時に出発して午後1時に漸く帰還したとの事。
5時間…
会社全体でも、帰宅の足に影響がなかったのは徒歩通勤者と自転車通勤者の二-三名のみ。
一日の大半を過ごすのが会社なのであれば、職住近接はやはり軽視できないメリットだ。

復旧後全線で終夜運転を敢行した東京メトロに対し、早々にギブアップしてシャッターを下ろしてしまったJR東の対応には批判が集まっている。
まあそれなりに事情があるのだろうが…そうなると何十万人というオフィス難民が発生するのは火を見るより明らかなのだから、一部だけでも何とかして欲しかった。

想像を絶する津波の被害には言葉もなく、ただ一人でも多く助かるように願う他はないが、長野の友人と「長野は地盤固いし津波もないしいいな」などと遣り取りした直後に今度はその長野で震度6と聞くと、日本全国どこにも安全な場所などないのだと痛感する。この国に住む事それ自体が相当なリスクを背負った行為なのだと。

タワマンの弱点

スタッフからSOSコールが入ったら車を出すつもりで待機していたものの、結局会社に泊まる事にしたらしい。
まあ道も酷い渋滞だし、いつ激しい余震が襲うかもわからないし。
ビルの中にいれば取り敢えず安全は確保されるので、無理に家路を急ぐよりそれが正解かもしれない。

さて9階と12階にそれぞれオフィスが存在するわが社。
12階は先ほどのエントリの通りしっちゃかめっちゃか、だが9階はそれ程でもなかった。
本体がしなるように揺れる事でエネルギーを逃がす構造のビルは、当然ながら高層階に行く程揺れが酷くなる。
12階と9階でもこれだけの差が出るのだから、20階30階更にそれ以上のフロアは推して知るべし。
もんのすごい振れ幅が延々と続くことになるのだから。
さらに地震になるとエレベーターは止まるのだ。移動手段は非常階段しかない。
足の弱った年寄りが20階30階まで階段で辿り着けるだろうか(タワーマンションの23階に住む友人に連絡がついたが、部屋にモノが散乱しているのは勿論、23階まで階段で昇降するのにくたびれ果てたと。そりゃそうだ)。

立地と眺めが良好でしかも割安なのがタワマンの魅力だが、大きな地震に直面するとこういった住まいとしての決定的な弱点が露呈する。
構造体としての建物は平気でも、その中で激しくシェイクされる人や家具は堪ったもんじゃない。
しかし建物としては一戸建てより遥かに丈夫に強く作ってあるのもまた事実。
家選びに正解はない。


ああまた余震…
当面の間は重量物は下に降ろして置かなくては。

しかし…

こういう時に早速ツイッターで悪質なデマが飛び交っている。
どこそこの誰々が大怪我して動けないので救出しに行って下さいとか何とか。


人の良心を弄ぶ輩は、それこそ料亭から落下した瓦に頭をぶつけて死んじまった方がいいんじゃないかと。

M8.8!

被災された方には心からお見舞い申し上げます。少しでも早く平穏な日々が戻りますように


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12階のオフィスで会議中に襲った地震はキャビネットをなぎ倒しプリンターを落下させPCをひっくり返し、天井にぶち当たって割れたランプシェードまで降ってきて職場は大混乱。
業務は勿論中断、揺れが収まるのを待って非常階段を降り、人事部の指示のもと日枝神社に集合して安否確認。

非常階段の壁も至る所にクラック

料亭の間の小路には落下した瓦が散乱




赤坂日枝神社。石段にへたりこむOL多数




当社からは幸い怪我人も出なかったのを確認するとそのまま解散。
オフィスの惨状を見るに自宅もさぞや…
もしかして新築一年を待たずして地震保険の世話にならなきゃならんのかと思うと、ペダルを漕ぐ目の前が暗くなる。
ともかく大渋滞の合間を縫って自宅に辿り着くと、ドアの鍵を開くのももどかしく家に駆け込む。

しかし何という事か、バイクも冷蔵庫もその上の電子レンジも本棚も靴棚も
大きな姿見もプリンタもPCも居候の水槽も、
全て落下/転倒していてもおかしくない大物が一つも転倒せずに耐えていた。
偉い!と思わず口走る。

転倒は免れたものの、これらの一部は位置がずれてしまっているのが揺れの大きさを物語る。
チェックすると、家の損傷は本棚から落下したブックエンドに大きくえぐられた床の傷と、
一階DKの壁の漆喰にクラックが一箇所。
しかしこの程度で済んだのは僥倖と言うべきだろう(Sさんこの家は耐えましたよ!)。

漆喰表面にビシッと一筋。部分的な補修は却ってクラックを目立たせてしまうので考えどころ


バス以外の交通機関は未だ再開せず、そのバスも満員ばかりで誰も乗れない有様。
自転車通勤の自分は帰宅できたが、遠方より電車通勤の社員は未だオフィスに取り残されたまま。
救出しようにも定員二名の車はこういう時にはまるで役に立たず(一名ならピックアップ可能とメールしたが届かない…)、この時ばかりはそれが恨めしい。

明日上棟式のMさん家は…大丈夫か。心配だ

3.11.2011

お掃除ポリシー

今週のお題「我が家のお掃除作法」。

お掃除作法ねえ?特に変わった事はしていないが…
ああ強いて言えば
「汚れはすぐ落とせ」か。

トイレに座った後は必ずトイレクイックルで拭き掃除。
ガスレンジで油を使った後は、いただきますの前に必ず五徳を外しクリーナーを吹いて拭き掃除。
入浴後は退室する前に必ず浴槽を洗い、壁面やドアの水滴はシリコンワイパーでよく落とす。
等々。

使い終わったらすぐ簡単に掃除する習慣は面倒臭くはあるが(さすがに小用ではいちいちトイレを拭いたりはしない)、家を綺麗に保つのには大いに役立つ。実際、間もなく入居一年を経過しようとする今でもトイレやガストップは未だ新品に近い状態をキープしているし、浴室もカビとは無縁。

賃貸マンション住まい時代のずぼらな自分を思えば変われば変わるもんだと思えなくもないが、実はズボラーな性根は変わっていないのだ。
「気合を入れた掃除は疲れるし面倒くさい」→「簡単に出来る掃除を頻繁にやる方がまだマシ」という要はただの発想の転換で、20kgのダンベルを1回上げるよりは2kgのダンベルを10回上げる方が楽と考えるのと同じ。

ただ元がピカピカの新品であればそれをなるべくキープしようとするモチベーションも継続しやすいのは間違いない。持ち家はやはり気の持ちようが違うのだ。

3.07.2011

フィット

久々にドライブに出かける。
ドライブそのものが目的であれば特に行くあてもなく、気の赴くまま車を走らせていたら

江の島に辿り着いた。


ヲーリーを探せ
来るのは何年ぶりか。
海が見たかったのか(海は冬がいい)。

夜の海は黒く静かで、島は既に眠りについている。
特に用もないので、自販機で缶コーヒーを補給するとそのまま帰路に着いた。


往復4時間の行程をほぼぶっ続けで走り通しても全く疲れないのは、レカロのフルバケットシート※1の恩恵が大きい。
見た目はいかにも窮屈そうだがさにあらず、これほど快適な椅子もない。
腰痛持ちの自分がどれだけ乗っても全く疲れず、ポジションが決まれば体重の存在を忘れてしまうほどだ。

考えてみれば当然かもしれない。
角度が固定された背もたれや張り出したサイドサポートは、ドライバーの身体をサポートするというただ一つの目的において全く妥協がない。
だらしなく座る事を許されず、理想的な角度でサポートされる以外に選択の余地がないドライバーは、従って非常に疲れにくい(ただしデブ禁制)。

逆に、いかにも座り心地の良さそうなレザーシートを装備した前の車でのドライブは疲れるものだった。
広いシートはサポートが不足しGがかかる度に身体がシートの中で動いてしまい、
柔らかい座面は腰を落ち込ませてしまい腰痛を誘発する。
搭載するV6エンジンは絶品だがシートは欠点と言っていいものだった。

いかにも窮屈そうなシートははまれば快適で、広々としていかにも自由そうなシートは却って身体を疲れさせる。
幾らでも自由がきく広く大きな家はそれが故に増えすぎたモノで身動きがとれなくなるかもしれず、最小限の持ち物しか許容しない小さな家は、それが故に却ってシンプルで清々しく日々を送れる…かもしれず。


似ていると言えば似ている(強引にまとめたね)。




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※1 標準装備。世界屈指の大メーカーでありながらフルバケ標準の1t未満のスポーツカーを世に出してしまうルノーのいかれっぷりは素晴らしい。

3.06.2011

キッチンのコンセントを交換

入居してからというもの、時間を見つけては壁面のコンセントやスイッチのプレートをしこしこと交換している。
スイッチ本体ごとを取り替える本格的な工事ではなくあくまで表面のプレートのみのお手軽交換だが、それだけでも随分雰囲気が変わって見えるもの。プレートは材質もテイストもバリエーション豊富なので、気軽にできる模様替えとしてもおすすめ。

一通り交換し終えたところでしまったと気付いたのが、タイルに埋まってしまっているシンク前面の壁のコンセント。
昨年のGWに行った(ああ、あれからもう一年近くか)タイル貼り工事は時間との戦い、とてもコンセント交換の事まで考えが至らずに勢いのままタイルで囲み、コーキングで閉じ込めてしまったのだ。
ここんとこ
まあ仕方ないかと諦めてはみたものの、白いタイルと全くテイストが違うデフォルトのアルミプレートの浮き具合は、シンクに向かう度に否応なく視界に入ってしまう。

浮いてる…
浮いてるな…
浮いてるよな…

うーむ気になる気になる気になる。
気になりだしたら止まらないのが人の性。


やはりけりをつけなければ。
一念発起してコーキングにカッターを突き立てると、穿り出すようにしてパネルを引き剥がす。


メリメリメリメリっと

周りに残ったコーキングを綺麗に削ぎ落とすと、再び壁面に口を開けたコンセントの穴を前に今度はじっくりと検討。
他の箇所ではシャープにエッジの立ったアルミプレートを用いたが、白い陶器タイルの壁には白い陶器のプレートを用いる事とする。

何種類か取り寄せたプレートの中で、穴を塞ぐのに丁度いいサイズのスチールで縁取られた一品を採用。
これはコンセント形状もアメリカンタイプなので、プレート交換だけではなく内部のユニットも交換が必要となる。
たった一箇所とはいえ、電気工事士の資格がない素人がそれを行うのは違法。
ここは大人しく電気屋さんカモン。

と、所要時間30分足らずであっさりと内部ユニット交換が完了。
プレートを留めてみると…おお、いいじゃないか。


これでよし


また少しだけ家がバージョンアップ、要した工事費は出張費込みで7000円。
コンセントを替えたところで機能には何ら関係ないので完全に自己満足の為の出費だが、これで今後ずっと心安らかにキッチンに立てるのであれば安いもの。ま、余り使わないけど。

3.01.2011

引きますか

昨年初めに今の社長が就任してから、社員とのコミュニケーションを図るという名目で毎月一回、当月に誕生日を迎える社員が招待されて社長を囲む昼食会が開催されている。
これが大企業なら大宴会場でも貸切にしなければ収まらないところだろうが、こぢんまりとした会社なので毎回個室一つで収まる程度の社員が招待されるに過ぎず、社長のポケットマネーでも優に賄えるというもの。さすが社長、太っ腹。

先日誕生日を迎えた自分も呼ばれて今月の昼食会が開催された。
今回の参加者は社長を含めて10名程度。
召集された老若男女は初めこそ緊張気味で口数少なだったものの、自腹ではまず入らないようなお店のランチ(しかしなぜ高いランチになるほど量が少ないのか。大盛りは下品とか思っているのか。大間違いだ)に舌鼓を打つ内に徐々に打ち解け、次第に会話も滑らかにまわるようになっていく。

メンタルヘルスを重視する社長は社員のリラクゼーションに興味があるようで、その求めに応じる形で社員が一人ずつ自分流のストレス解消法やリラックスの手段を開陳していく。
悲しい映画を見て思いっきり泣く。ジムで汗を流す。食べ歩き。なるほど。
自分は…やはり風呂かな。


「じゃ次、Emash君は?」
「自分は月並みですが風呂ですかねー。でも最近風呂でリラックスしすぎちゃうのが悩みの種で(笑)」
「リラックスしすぎるなんて事があるのかい(笑)」
「いやそれが、風呂から出られないんですよ」
「というと」
「風呂につかりながら寝込んでしまってですね。気がついたら朝になってるとか非常に頻繁にあるんで」
「えっ」
「夜中に入って湯船で爆睡眼が覚めたら朝の8時だったりして困ったもんだはははははは…は?」


受けるかと思いきや、誘い笑いにも乗らず総員どん引き
えっていう。

階段に着色(二周目)

一通り塗り終えた階段だが、やはり色の食いつきが今一。
ベースが荏油だから致し方ないところはあるのだが、室内で履いている布ぞうりの裏が茶色に染まってしまったところを見ると、メーカーの言うとおり一日おくだけでは乾いて色が定着するまで至らないのかもしれない。
それとも無塗装に見えた踏み板に実は無光沢のクリアも吹いてあったか。ならば色がなかなか乗らないのは当然。面倒がらずにペーパーかけてから塗ればよかった。と言っても後の祭り。

手間だけは無尽蔵にかけられる素人は早速二度目の塗りを開始。
無理なく二段ずつ、今度は三日は触れずに済むよう一段おきに塗り、例えば二段目と四段目に塗ったならその後三日間は一段目・三段目・五段目と一段飛ばしに足を運び、十分に乾いたのを確認してから次の二段を塗りまた一段飛ばし…といった要領で少しずつ二度塗りを完遂するよう計画。
しかし一通りは塗布して全ての踏み板に色がついているせいもあって、ぼんやりしているとつい二度塗りした踏み板の存在を忘れてしまいがちになる。昇る時と降りる時では足を運ぶリズムが違うので余計紛らわしい。

「一段目…三段目…五段目…よいしょよいしょ」

と足を運ぶべきところ、考え事をしている時など

「二段目…四段目…ぬるっぬるっ

と踏んではいけない段ばかり選んで踏んでしまった事に足裏の感触で気付いた時にはもう遅い、ああ塗り直しだぁーとなったり。


こんな感じで楽しく?DIYによる家のバージョンアップは進行中。まあ当面養生テープは剥がせそうもないな。