1.30.2013

工法を調べる

玄関に床タイルを貼るには…一般的にはバサモル工法。

砂とセメントを水を加えず混ぜたバサモルタル※1をまず下地として3cm-5cm厚で固く敷き詰め、水糸を張って水平を出す。
次にセメントノロ※2をバサモルの上に塗りつけてその上にタイルを並べ、割れないように注意しながらゴムハンマー等でよく叩き込む。
セメントノロが乾いて固着する前にタイル同士のxyz方向をそれぞれ調整して合わせる。
最後にタイルの間に目地モルタルを詰め、タイル表面についたモルタルを綺麗に拭き取って完成。

が正統的なやり方。
下地がある程度なれているのであれば、もっとシンプルに直接モルタルを盛って下地兼接着材としするやり方もあるが…

ボ、ボンドでよくない?

下地が出来ておらず不陸(水平に均されていない状態)であるなら確かにバサモルを用いた工法に如く事はないのだろうが、これから貼ろうという我が家の玄関は既にきっちりと出来上がっている状態。その上に貼るのだから、性能のいいボンドでもあればそれで何とかなるんじゃなかろうか。バサモルであまり厚みを出してしまうと既存のドアの高さと取り合いが難しくなるという事もある。

あくまで個人宅の玄関、ハードな使い方をされる訳でもないのでボンド貼っても剥がれたりはしないでしょー…との素人判断で床タイル用ボンドを探し、検討の末に床用でも使えると謳われているネオピタ99というボンドを用いる事とする。

一畳程度の玄関の為に床タイル用モルタルを袋買い※3するのも気が引けたし、何となくモルタルよりボンドの方が施工性が高そうな気がしたので敢えてボンドを選択した訳だが、実際やってみるとこれがあにはからんや、モルタルより遥かに扱いづらいボンドに四苦八苦。のちの施工不良にもつながる痛恨の選択ミスであった。


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※1 バサバサしてるからバサモルタル。そのまんま
※2 水を加えたセメント。これに砂も加えるとモルタルと呼ばれる
※3 20kgとか25kgとか。小分けでは売ってないのね

1.29.2013

vs MTB

帰路立ち寄ったカフェを出て表に停めておいた通勤快速号に近寄ると、その傍らには近頃あまり見かけなくなった「ちゃんとしたMTB※1」が停められている。


何もかもががっちりとごつくていかにも頑丈そうなMTBに比べると我がロードバイクのいかに小さく細く華奢な事か。対照的な二台が並んでいる様はさながらスポーツカーとクロカン四駆といった趣。
大きく重く空気抵抗が大きくスピードの出ないMTBを毎日の通勤に使うのは少し骨かもしれないが、非常時に活躍する万能選手は間違いなくこちらの方。スポーツカーは悪路にからきし弱い。二輪も四輪も。


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※1 ホムセンなんかに並べて売られているMTBルック車には「悪路は走らないで下さい」なんてステッカーが貼ってあったりして何をか言わんや。あれは「MTB風のママチャリ」と呼ぶのが正しい。

1.28.2013

とかいのネズミといなかのネズミ

セカンドオフィスがある一帯は、丘陵地を切り開いて開発された新興住宅街。
平地はほぼ皆無で道という道は全て坂道になるのだが、広々と取られた土地にゆったりと構えられた家々が整然と並ぶ街並みは、これはこれでいいものだ。
といって別にこの辺が高級住宅街という訳ではなく、この辺りの地価を考えてみれば、これが「ごく普通の家」である事は想像に難くない。

我が家の周辺であれば土地だけで軽く億超えの街並み
モッタイナイの概念を豊かな自然と資源に恵まれた大陸で生きてきた人が理解するのは難しいのと同じく、新車の購入と土地の購入を天秤にかけられる社会で生きている人にとっては、LWH…10坪そこそこの土地に15坪の家というのは想像を絶する世界であるかもしれない。かくいう自分もここの住民だったなら「家は最低この程度でしょ」と信じて疑わなかったかもしれないし。

環境が違えば進化の姿も変わる。進化の過程で自ら手足を捨てる事で環境に適応したヘビのように、東京の都市事情に適応進化したコンセプトがLWH、だから小さくとも貧乏臭さを感じないのだなあ…などと自宅自賛しながら歩いていると、


見かけん顔やなお前

犬に吠えられる。

1.27.2013

置き換える


もはや定番

今回の出張で前泊するビジネスホテルには当然ユニットバスしかない。
しかし、地図を見るとそう遠くない距離に有馬温泉がある。
であれば無類の温泉好きとして取るべき行動は決まっている。チェックインは後回しにして温泉に直行だ。

カラーリングが可愛い神戸電鉄
閉館時間まで名湯を堪能。浸かりすぎ

出張メンバーは三々五々で会社から出立。ホテルに直行した者もいれば誘い合ってグルメ旅行にした者もいる。しかしさすがに夜に到着するのにそれから温泉に入りに行った者は自分の他にはいなかったようで、感心されるやら呆れられるやら。
出張メンバーに指名された事に文句たらたらの者も中にはいるが、どうせ行かなければならない出張ならば少しでも楽しみを見出した方が得ではないか。
前回の八戸温泉に続き、またも会社の金で温泉旅行。ああ有難や有難や。


1.25.2013

西へ

久々の短期出張の行き先は関西の某小都市。
3.11以降に本国の肝入りで導入されたコンテンジェンシープランで整備が進んでいる「セカンドオフィス」における業務演習を行うのが今回の出張の目的。

首都直下型地震で東京の本社が使用不可能となった場合は速やかに東京を脱出し、セカンドに移動して一両日中にも業務を再開継続するという青写真…しかし肝心の移動はどうするつもりか。本当に東京が壊滅したら新幹線なんか一ヶ月やそこらじゃ到底復旧しないだろうし、災害発生を想定した模擬演習であれば、実際には使えないに決まってる新幹線のチケットを支給するよりも「移動には在来線を用いるべし」とか「自動車かバイクで向かうべし」とかしてくれた方がより実践的だと思うのだが。まあそうすると移動だけで丸一日潰れるし、後者は事故のリスクもあるので難しいかもしれないが。

しかし新幹線を使っても4時間以上、西国は遠い。首都直下型大地震も群馬辺りまでいけば大丈夫だろうし、セカンドオフィスもせめてその辺に設置してあったなら交通インフラがどうなっても何とかたどり着けると思うのだが、遥か遠く関西の奥地なんかに作ったのでは新幹線が動かなかったらどうにもならんよ。文字通りの画餅。

1.23.2013

カットはお任せ

玄関は四角い。が完全な長方形ではなく、少しばかり凹凸がある。
まっすぐカットすれば済むのであれば自分でカットするところだが、もう少し複雑な形状にする必要があれば、60cm角で一枚8kgもある巨大なタイルの加工は正直手に余る。一ケースあたり3枚しか入っていなければそう簡単にトライ&エラーを繰り返す訳にも行かない。勿体ないし。

ここは大事をとり、今回のカットはプロに任せることとする。
一般からの加工依頼も請け負っている川口市の株式会社ハマストーンに依頼し、購入したタイルはサンワカンパニーからハマストーンに直送、予め送っておいたカット図面通り加工してからこちらに送付して貰う事とした。

1.21.2013

Null? 春? Hello!

玄関を塗るなら、墨色。
素人施工のムラも、汚れも劣化もヒビも目立たない。
玄関に貼るなら、定番は黒いマットな中判タイル。
上品でシック、淡色にも濃色にも合うし、まず外す事はない。
でもどちらもどこか気が乗らない。琴線に触れないというか。

何かヒントはないかと、キッチンのタイルを購入したサンワカンパニーのウェブサイトをぱらぱら見てみる。
相変わらずここの品揃えは凄い。取り揃えるタイルのバリエーションでは国内随一ではないかな。
幾つか眺めているうちに、新作タイルのなかなかに刺さる謳い文句が目に飛び込んできた。
アンティーク&ビンテージ感に溢れている木目調タイル」。
画像を見る限りでは、なかなか良さそう。いやかなり良さそう。

まずは現物を確かめに、晩秋の雨が降りしきる中を南青山のショールームへ出向いてみる。

ショールームは地下一階
目指すタイルは…あった。

「セラミカウッド」コットン(ホワイト)
「セラミカウッド」ダスト(グレー)
「ビンテージ感に溢れた」という看板に偽りはなし。新品でも使い込まれた古い木材のような表情を持つ見事なタイルを前に、久方ぶりに気分が盛り上がる。琴線に触れるどころか琴鳴りまくり。
ジャカジャカジャカジャカ。

サイズは45cmと60cmの二種類。小さいほうが施工の難易度は低いが、大きければその分目地が目立たず、より広々と見えるだろう。
一畳ほどしかない小さな玄関に不釣合いな60cm角の超大判タイルがどーん。見た目は古い木材。
これは面白いぞ。決めた、これ貼ろう。

色はベージュダークブラウングレーホワイトの四色。ベージュは家のカラーに合わない、一番人気のダークブラウンも床の色と被ってしまうので除外するとして、ホワイトとグレーのどちらにするか。ホワイトが一番違和感なく決まりそうだが、なぜかこの色だけ施釉とは思えないほど表面がざらついており、やはり汚れの染み付きが心配。グレーは比較的しっかり釉薬が乗っている上、表情もより古材らしい。最初から薄汚れた感じなら汚れも目立つまい。これにしよう。


1.19.2013

2月22日 Šiauliai

もうあれから一年近く経つのかー。早いもんだ
今年の冬の旅はなしだな…次行こうと思ってたところがあんなことになっちゃってるし、今年こそは裏の柵というか外構を完成させなければいけないし。限られた予算であれもこれもは出来ない。


*  *  *

リトアニア北部の街シャウレイを目指す。
リーガの長距離バスステーション2番ホームに到着したシャウレイ経由クライペダ行きのバス…

何だこれ。


同乗者は赤ちゃん連れの若い母親
ま、ありがちではあるが。リーガからシャウレイは超マイナー路線だという事はよく分かった。

このゴージャスなマイクロバスに乗ったまま越境し、やっとシャウレイに到着したのはもう深夜も近い時間。


翌朝宿を引き払うと再びバスステーションへ。
この街に来た目的、十字架の丘へ行く為にヨニシュキス行きのバスに乗る。

路線バスの方がちゃんとしてる
運転手に聞いてドマンタイ(アクセントは「ド」)のバス停で下車。
自分の他に誰も降りない。観光客ゼロ。オフシーズン。

見渡す限り人っ子一人いない中、目指す「十字架の丘」への道を示す十字架だけが風に吹かれて立っている。


とにかく丘を目指して歩く。

見渡す限り誰もいない道を歩く
雪混じりの風に吹かれながら歩く
ひたすら歩く
やっと見えてきた
小一時間も歩くとやっと目指す十字架の丘が見えてきた。

ここは墓地ではない。19世紀にロシアに弾圧された人々への弔いの為にリトアニアの民がこの地に十字架を建てたことに始まり、その後改めて支配者となったソ連の宗教弾圧に伴って何度も撤去されるも、その都度それ以上の数の十字架が建てられ続け、いつしか数え切れないほどの十字架が立つ丘となった。ソ連当局にブルドーザーで撤去されても焼き払われても立入禁止区域とされても、やればやるほどいつのまにか復活するどころか前より増えている十字架の群れ。しまいには当局もなんか気味悪いから放っとこうぜという感じになったらしい。宗教を否定する共産主義体制の為政者も、心に根ざす宗教心を芯から捨て去る事は出来なかったのかもしれない。

20世紀末にソ連から独立した後は以前の反動からか十字架フィーバー状態で更に増殖、世界中からクリスチャンが十字架背負って駆けつけ、今となっては十万本を超える十字架が乱立するカオスなゾーンに。何せ土地は幾らでもあるもんで区画整理も何もあったもんじゃない。






もうありとあらゆるサイズの十字架が
丘の頂にはマリア像
あの…十字架建ててくださるのは嬉しいんですが…皆さんもう少し綺麗に…(マリア)

世界中から集まった十字架は材質も大きさもデザインも千差万別。しかし大きさ3mを超えるような巨大な十字架はどうやって持ち込んだのだろう。バラして持ち込み現地で組立か。

サイバーパンクな十字架
日本からも
物乞い禁止の標識。ここで乞食を始めた奴は賢い


夏には賑わう十字架の丘も真冬の中では人影もまばら。
丘から見ていると、時折自動車が止まっては人が降りてくるのが見える。真冬だしそうやって来るのが当たり前か。そりゃそうだ、このマイナス何度だかの中を雪風に吹かれながら延々と歩いてくる物好きがどこにいる。ここにいる。

あ、誰か来た

敬虔なクリスチャンなら感涙ものの名所かもしれないこの十字架の丘だが、自分の率直な印象は
秘宝館みたい」。
その規模と迫力には確かに圧倒されるが、ごちゃごちゃしているせいか雰囲気は決して怖くない。それはいいのだが、カオスすぎて荘厳さに欠けるというか、何か田舎の名物おじさんが金と暇にあかせてこしらえたミニ博物館のようなそこはかとない胡散臭さが漂う。

というか一番の原因は恐らく、正面の一番目立つ位置に立っている胡散臭いイエス像のせいではないかと。何か傾いてるし

YOKOSO!十字架の丘へ(イエス) 

こいつでだいぶ損してる。間違いない。


1.18.2013

旧友はシャネラー

帰宅途中に立ち寄ったカフェで、偶然古い友人に合う。
本当に偶然に注文待ちの列で前後して並んだ次第。珍しいこともあるもんだ。
顔を合わせるのは実に数年ぶり。一頻りお互いの近況を報告し合った後は四方山話に花が咲く。
話のネタもつきたところで、


「そうだ俺のiPhoneケース、見る?」
「何?」
「この前タイに行ってきた奴からお土産で貰ったんだけどさ、これがまた下品でいいんだw」
「ほう下品。」
「受けるぜー。これ」

泉ピン子もびっくり
「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ」
「どうだー下品だろうw」
「シャwwwwネwwwwルwwwwキラキラしてるしwwwwww」
「もちろん偽物なんだけどね。シャネルはこんなの作ってねえっての」
そんなもん0.2秒で分かるっつのwwwwあーマジ受けるwwwww」
「結構良く出来てんのよ。アクセにもちゃんとシャネルって入ってるからな」


泉ピン子も二度びっくり
「ウエへへへへへへへへへwwwひー苦しいwww」
「これとお揃いで買ってきたってのがもう一つあってさあ。ルイヴィトンのw」
「そwそれはwwもしかしてwwww」
「ここのシャネルマークの代わりにでっかく『LV』」
「ダハハハハハハハハwwww超うさんくせえwwwww」




タイに行かれる方は是非お買い求め下さい。


1.17.2013

今そこにある危機


直撃したら首の骨折れるな

貼る?

汚れた白モルタルの玄関をどうするか。
セメントカラーを塗る、カラーモルタルを塗る、
それ以外にいっそのことタイルを貼ってしまうという選択肢もある。

といってもなあ…工程として「貼る」は「塗る」より遥かに難しい。
ペイントを失敗してもまた上から塗り直せばいい話。しかしタイルは失敗したらやり直しが効かない。さすがに二の足を踏む。
それに、貼るといってもどういうタイルを貼ればいいものか。あまりピンとくるものがない。
コンビニの床みたいなスムースでピカピカの大判タイル…


うーむ。綺麗すぎる。

ツルピカのマンションなら似合うかもしれないが、この家の狙いどころはツルピカの対極だしなあ。
合わないよなあ。

かといってコンビニのトイレのような…

どこで写真撮ってんねん

うーむ。野暮ったい。

地味は決して悪いことではないが、野暮ったいのはいかんでしょ。粋を尊ぶ江戸っ子にとって野暮は最も忌むべきもの。いや江戸っ子じゃないけど。

とにかく、色味とかテイストとか、もっと吟味しなくては。


と思いつつ、忙しい日常に紛れまたも有耶無耶になるのであった。


1.15.2013

転倒虫のサンバ

昨日のエントリで「たった一日で消えてしまう…」とか書いたが、よく考えてみればあれだけ積もれば一日で消えるわけもないな。成人式の日にいきなりきつい洗礼を受ける事となった新成人は気の毒だが、なあにこれくらいの方が後々までの語り草になって思い出深いものとなる…と考えれば少しは気休めになるかな。そういえば自分の成人式の日は吹雪だったなあ(遠い目)。

朝は路面の至る所で凍結し、駅へ急ぐ社会人もツルツル滑りまくって転倒虫のサンバ状態。
いやあハッハ雪道の歩き方に慣れてない東京人は大変ですなあ…ぬおっ!?(ズルッ)
ふんぐっっ(なんとか踏ん張る)
ぬおーっ。(踏みとどまった)

これしきの雪道で転倒虫と化しては雪国育ちの股間にかかわる、いや沽券にかかわる。
凍結した歩道で足を取られるも、大見得を切りつつなんとか面目を保った冬の朝。



1.14.2013

雪の月曜日

うってかわって朝から雪が降り続く月曜日。
休みの日に部屋から眺める雪景色は最高ですな

鳥たちの食事処も臨時休業
雪はよい
表の夏櫨もこの有様
こんなに積もっても一日で跡形もなく消えてしまうのが東京の雪


友人からは車がスタックして大変だとかいうメールが。ノーマルタイヤじゃそりゃそうだ雪道なめんな

冬のツグミ

よく晴れた日曜の朝というか昼前、窓の外の騒々しさで目を覚ます。
窓の外を見やればツグミやメジロが裏のモチノキに群がり、一心不乱にその実を啄んでいる。
押取り刀でD200を手に取り、驚かさないようにそうっと窓辺に近づくが、小柄なメジロは早々に気配に気づき飛び去ってしまう。もう少し神経が太く、こちらに構わずランチに夢中なツグミに被写体を変更。


よいしょ
あらよっと
(ゴクン)うめえ…


1.12.2013

塗る?

パンがないならブリオッシュを食べればいいじゃない。※1
汚れが落ちないなら塗ってしまえばいいじゃない。

一番お手軽なのは塗料でペイントすること。専用塗料はカラーバリエーションも豊富で好ましい。
さすがにホワイトは懲りたので、今度は汚れの目立たないブラックか。レンガ色なんかも面白い。オーソドクスにグレーでも。
いずれにせよ、シーラー不要のペイントならローラー一本で事足りる。
しかしペイントはペイントなので、土足部分に使用すればやがて剥げてきて下の色が出てきてしまう可能性もある。そしたらまた塗れば…なんかムラが出来て汚くなりそうだな。

ペイントするのではなく、モルタルそのものを重ね塗りすればそのような恐れはない。こちらもカラーは色々あって黒も可能。
どちらかといえばこっちか?しかしこれは左官仕事になるので施工はよほど難しかろう。表面を平滑に水平に仕上げるのをしくじったらやり直しが効かないし、経年で表面がひび割れる恐れもある。元々モルタルにヒビが入るのは宿命のようなもの、素人が薄く重ね塗りした程度であればそのリスクはより高い。家の顔がヒビだらけとかなったら最悪だし。

どちらも一長一短。日々の忙しさもあり、なかなか決定に至らない。



__________________
※1 彼女がそんな発言をしたという証拠は一切ない。とんだ濡れ衣ではある

1.10.2013

汚れた玄関を如何せん

家の玄関は白モルタル。
S氏に玄関の仕様を聞かれた時にふと頭に浮かんだ白いモルタル。綺麗でいいなと思い、そのまま軽い気持ちでリクエストしたものだ。

確かに白く輝くモルタルは綺麗だった。過去形。

なぜ過去形か。すぐに綺麗でなくなってしまったからだ。
想像以上に白は汚れやすい。
施釉されておらず素材自体に吸水性があるモルタルであれば尚の事、汚れはすぐに染み付いてしまう。水気のある汚れ、つまり雨の日の土足なんかは特によろしくない。
そして、一度汚れが染み付いたらもうどうやっても落ちない。かつ、白は汚れがとても目立つ。
これには参った。白モルタルの玄関は毎日拭き掃除を欠かさないくらいマメな家主以外は手を出してはいけないのだ、と気づいた時にはもう遅い。

あの時、白モルタルでなくて墨モルタルをリクエストしていたら…直前にイカスミのパスタでも食べていたら黒がいいなあと思ったかもなあ、せめて普通のモルタルでいいっすとでも言っておけばまだここまで汚れが目立つ事もなかったのに、と後悔する事しきり。この家については「これは失敗したなあ」と臍を噛むような点は殆どないのだが、この玄関の白モルタルは数少ない後悔ポイント。
やはり家づくりにおいて安易な決定はいけませんな。こういうしっぺ返しがくる。

家の顔とも言われている玄関の薄ら汚れた白モルタル、気になりだしたら止まらない。
入居三周年を前に、これを何とかしようと思い立った秋。

1.09.2013

新年初バチあたりコメント

仕事始めは、職場のスタッフと互いの正月休みのエピソードを雑談混じりに報告し合う。


「娘の友達がね」

「ふん」

「正月休みに神社に巫女さんのアルバイトに行ったんだって」

「へー」

「巫女の衣装着たくて、それが目当てで行ったってのに」

「あの白い着物に緋色の袴履くやつね。可愛いよね」

「でしょ。でもそのバイトにいった神社は袴じゃなかったんだって。作務衣だったんだって」

「作務衣?作務衣ってあれでしょ、カラー柔道着みたいな色気のないやつでしょ」

「そうそう。がっかりしたって」

「それは参拝客もがっかりだなー。正月はかきいれ時なんだから、神社といえど集客の為に色々工夫しなくてはいかんなー。顧客のニーズをつかんでさ」
「ただの作務衣じゃ芸がないから、例えば上は普通の作務衣で下は同色のショートパンツにするとか」
「それもあれよ、プレイメイトが履いてるみたいな半ケツ見えてるようなホットパンツよ。お客さん喜ぶよ」
「話題沸騰でマスコミが取材に来たりして、したら参拝客激増で神社も賽銭ウハウハよ。宮司に伝えといて」

そりゃあんたのニーズでしょうが


1.06.2013

平成廿五はつまゐり

正月は嫌いでもイベントとして初詣には行く
日没後の氷点下の気温の中、まあ冬は寒くなくては冬らしくないし。

凍てつく一の宮
手水にもつらら
境内も参道もアイスバーン、助走つけて滑って遊ぶのが冬の子供のあるある

対照的な関東平野。今年の初富士山は新幹線から



タイトル改訂について

昨年末、木の床に油を塗りながら考えた事(いつ果てるともしれず延々と続く単純作業に耐えるには、心を飛ばしてひたすらぼーっと考え事をするに限る。それも連鎖的にとめどなく。壁の漆喰塗りの際に身につけたコツ)。

(成り行きで反省モード)…何か欠落しているというか、要は自己中なんだろうな。(ぬりぬり)
持っている乗り物だってさ、(ごしごし)

自転車。言うまでもなく一人乗り。(ぬりぬり)
バイク。シングルシーターで、これも一人でしか楽しめない。 (ごしごし)
自動車。シートは二つ付いているけど、あれも事実上のシングルシーターだねー。(ぬりぬり)
暑いわ寒いわ臭いわ煩いわでハンドル握ってる自分以外には苦痛でしかないだろし。(ごしごし)
助手席の人間の事なんてなんも考えてないんだよね。(ぬりぬり)

改めて振り返ってみれば見事に「自己中心的」なものばかりでー。(ごしごし)
持ち物は人を表すとの言葉に従えば、持ち主は自己中心的な男としか言い様がないじゃん。(ぬりぬり)
そういう男が家を建てた。果たせるかな、一人で住む事にのみ特化した、これまた見事に「自己中心的な家」。(ごしご…)

ここまで考えて突然カーサ・エゴイスタという言葉が自然に浮かび、思わず油まみれの手で膝を叩く。

あーいいねいいね。分かり易いし語呂もいい。来年からこれにしようかそうしよう。(ぬりぬりぬりぬり)
でもその前に油塗り終わらなきゃ年を越せないね。寒い膝痛い肩痛い腹減った (ごしごしごしごし)

という具合で。

2013明けました

門松リース

相変わらず正月が嫌いで、早いところ平常運転に戻ってくれないかなあと念じつつ松の内を過ごすのも平年通り。

地球はほぼ24時間で一回転するし太陽の周りをほぼ一年かけて回るし、また新しい一年の始まりとかいうフレーズを聴きなれるとあたかも時がぐるぐる回っているように錯覚しがちだけど、実際には時の流れは一直線上を止むことなく未来に向かって進んでいて、当然の事ながら過ぎた日は二度と戻ってくる事はない。12月31日から1月1日が特別な時のように思うのも錯覚であって、別に8月19日から8月20日だって2月4日から2月5日だって二度とは戻らない一日の経過である事に変わりはない。

というような事をつらつら考させられて、これまで無為に過ごした日々と残された時間の少なさを思って何とも言えない焦燥感に駆られるのが常。めでたいどころではない。だから正月は嫌いなのだ。