8.11.2017

おろしや国一週間(10)12月13日 ペトロザボーツクその3

日本で二番目に高い山は北岳。
日本で二番目に長い川は利根川。
日本で二番目に広い都道府県は岩手県。
日本で二番目に広い湖は霞ヶ浦。

ナンバー1はみんな知っていても意外に知らないのがナンバー2、順位の差は一つだけなのにこの扱いの差はなんだろう。
ということで覚えておこう、欧州二番目に大きな湖はオネガ湖(凍結中)。※1

出航できないキジ島行きフェリー

どれくらいオネガ湖上をほっつき歩いたのか、気が付けば早くも陽が西に傾きつつある。そういえば腹減った。身体は冷え切って腹は減り、これで眠ければ凍死リーチ。という訳でそろそろホテルに一時帰還して休憩することとする。



ここから上陸


湖畔にも人っ子一人いない

おやあれは

ポニー牧場発見。пoниと書いてポニー

久々に動き回る物体を見る。マイナス18度の中を走り回るポニー

寄ってきた

ポニーの顔で暖をとる

ポニー牧場とカレリアホテルは目と鼻の先、ホテルを朝に出てから一帯をぐるりと周って裏側から帰還するかたちとなった。
2階のレストランに直行する


PECTOPAHと書いてレストラン

ポニーが見える窓際の席

リゾートホテルだけあってレストランのメニューも英語併記で分かりやすい。とりあえず魚のフライとマッシュトポテトのプレートを頼んだら、嫌がらせのような量のフライが出てきた。取り合えずは腹一杯


親の仇のように揚げられまくったアジフライ、かワカサギのフライ
ロシアのプレーンなクレープはこんな感じ



お腹を満たし身体を温め、やっと落ち着いたところで窓の外を見やると早くも陽が暮れてしまっているではないか。
こうなるともういけない。ここは街はずれのホテルで市街地までは3㎞、お天気アプリによれば外気はマイナス20度。もちろん流しのタクシーなどある訳もなく、わざわざタクシーを呼んでまでスーツケースを抱えて街に出たところで特にめぼしい見どころがある訳でもなく…

結論、サンクトペテルブルク行きの列車の時間になるまでここで休憩続行。
と決めて二回目のコーヒーおかわり。

アルタからトロムソに向かうバスから見た夕焼けによく似ている

長っちりでごめんなさい

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※1 面積は琵琶湖の15倍、ほぼ近畿一帯に匹敵する広さ。ちなみに欧州最大の湖はこれもカレリア共和国とロシアのレニングラード州にまたがって存在するラドガ湖。レーニンの名は街からは外されたが州の名前では健在。覚えたところで何も得はないが覚えておこう。

7.30.2017

激安家具のリスクとは

白アリがついているかも!?なんていう内容は煽りが露骨すぎて逆に嘘くさく感じてしまうが、それ以外にもこの記事には同意できない点が一か所あって、

「(前略)品質がよくないので耐久性も弱く、壊れやすい。修理保証もありませんから、結局、買い替える羽目になります」

 結果的に“安物買いの銭失い”となり高くついてしまうのだ。

ここのくだり。
個人的な意見としては激安家具の問題点は耐久性が弱く壊れやすいところでなく寧ろその逆、激安といえども耐久性はやたら高く、普通に使う限りにおいては平気で「一生物」になってしまうものが少なくないところにある。若い頃さんざん安物を使った経験から言えば、ホームセンターで9800円で売っているテーブルも1000円で売っているカラーボックスも、その気になれば立派に「一生物の家具」として使えてしまうものだ。

「お金もないし取り合えず」で買ったつもりの家具が一向に壊れてくれず、壊れてもいないモノを捨てて買い替えるのも躊躇われる。機能として全く問題ないモノを捨ててそれなりに値が張るモノに買い換えるにはそれなりのタイミングと内面の盛り上がりが不可欠で、数少ないその機会を逃すと次にそれが訪れるのはいつになるか分からない。本当に欲しいモノは心の隅に常にあるので時折コレジャナイ感が頭をもたげることはあるもののすぐに日々の雑事に紛れてしまい、そんなことを繰り返しているうちに気がつけば別に好きで買ったわけでもない間に合わせの家具が私の「一生物」になっていました…となりかねないことが妥協して家具を買うことの最大のリスクではあるまいか。

ただしこれは普遍的なリスクではなく、あくまで好きなものに対する執着の強いある種の人々に限定したリスク。コスパが第一で安くて長持ちならそれでいうことなしという人にとって「安くて長持ち」はリスクどころか願ったりかなったりの美点に他ならないし、それはそれでその人にとっては正しい。
この種の問題はそこが曲者であって、自分にとって不正解にもかかわらず隣の人にとって正解みたいだからこれは正解、そう自らに言い聞かせてみてもなお拭いきれない違和感は合わない靴のように絶えず心につきまとう。その気持ち悪さの根源を突き止めるにはやはり自らの心の内を覗いてみる他はないだろう。

7.17.2017

日帰りフランスロールの巻

基本的に夏場は一切車に乗らないのだが、それでも機械ものであれば調子を維持するために毎夏一回は運転するようにしている。
今月の三連休を利用して大汗をかきながらメンテナンスドライブに繰り出した先は福島市のロマンドーロール本店。21世紀初めに一世を風靡したテレビ番組「マネーの虎」でオリジナルクレープである「フランスロール」で見事にマネー獲得、そしてマネー獲得者の中でも更に希少な大成功を収めたもののその後慢心からくる放蕩、逮捕、会社からの追放と絵に描いたような転落劇。そして今また社長として復活し、事業規模は大幅に縮小したものの東北を中心に地道に事業を継続しているロマンドーロールその本店が今回の目的地。
人間は限界を経験で測るもの、往復で600㎞の行程もかつて一日でむつ市まで走破した身にはそれほど大した距離ではない。問題となる熱気は二年前と同じく、スプレーボトルで身体をびちょびちょに水で濡らし扇風機で風を当てて気化熱を奪うセルフエアコン方式で凌ぎながら一路福島へ、とても車に乗ってきたとは思えないドロドロの姿で到着。



本日は社長ワンオペ体制のようで、店に入るやいきなり社長が接客に出てきて笑う。
店内はクレープ屋らしからぬ洒落た雰囲気ではあるが、深々と腰かけるソファは少々食べづらい姿勢かな




お目当てはもちろんフレデリック千葉が認めたというフランスロール。マネーの虎のこの回、そしてHPで述べているこだわりを見るに、甘いもの好きの身なら否が応にも期待が盛り上がる。
ROMANDÔ ROLLのフランスロールは、普通のクレープとは一線を画した商品です。生地、生クリーム、チョコレート、果物、トッピング、製法、すべてにこだわった、ケーキにも負けない商品です。



で食した感想は…普通に美味しい。
が、やっぱりクレープは焼きたてが一番美味しいかな。
注文を受けてから焼くのかと思ったらさにあらず、ショーケースから取り出してそのまま供したのは些か興ざめ。確かにケーキやタルトといったスイーツは注文を受けてから焼くわけではないし、ケーキにも負けないと自負する一品であればケーキのように供するのもありなのかもしれないが…やっぱり出来立てのフランスロールが食べたかったなと。
片道300㎞の往路はすいすい3時間15分、帰りは断続80㎞の渋滞にドはまりして5時間半。行きはよいよい帰りは怖い


散らかりの遺伝

お金持ちは無駄に持たず貧乏人ほど無駄に持っているものは体脂肪に限った話ではないようで。「貧乏隙間なし」とは言いえて妙な例え。ドキュメンタリーなんかで取材カメラが映す貧乏な独居老人の家は例外なくガラクタで埋め尽くされていて、見てるこっちがイライラするくらい散らかっている。
一連のツイートにもあるがモノが少ないのは生活の余裕の有無だけではなく、散らかっている状態や無駄なモノを抱え込んでおくことに気持ち悪さを感じるかという感性や意識の問題であって、モノ少なく生きることのできる親の元に生を受けたごく少数の幸運な人以外にとってこれは後天的に、自ら努力して獲得するしかない形質。

肥満は遺伝するというのは単に体質の話だけでなく親の太りやすい食生活の慣習の影響を受けた子は同様に肥満に陥りやすいことを指すのだが、同様の言い回しに「貧困の遺伝」というものがあって、これは「貧困層の親は教育や文化を軽視する価値観を持ち、そのためのコストを忌避する」傾向が比較的強いため、その親に育てられた子が貧困から抜け出す機会を得ることは相対的に困難であることを遺伝に例えたもの。
自分としてはこれに「散らかりの遺伝」を加えたい。自分自身で意識していない人もいるかもしれないが、散らかし屋の実家は大抵散らかっているものだ。

我が家はどうかといえば、日々の垢を落とすように意識して持ち物の整理に励まなくては収納もあまりない小さな家はあっという間にモノで埋まってしまうだろうし、そのプレッシャーは常に肌で感じている。
田舎生まれ田舎育ちで田舎の広い家以外で暮らしたことのない我が親は典型的なためこみ屋。収納家具を買ってはせっせとモノを詰め込むのが趣味のようなもので、何しろ生活信条は
「モノはあっても困らない」「モノがないといざという時に困る」。
日本で暮らしたことのない外国人にとって靴を脱ぎ床に座る生活を想像するのが困難であるのと同様に、土地と水はタダみたいな田舎でしか生きたことがなく、しかも戦後の物資不足の時代を知っている人間にとっては「余計なモノはあっても困るだけだし、『いざというとき』など永遠に来ない※1」ことを想像するのは至難の業らしい※2。その影響下で育った子にとってその価値観から離脱するのが容易なことではないのは経験で知っている。

太りやすい体質を受け継いだ人間は気を抜くとすぐに太ってしまうのと同じように、自分も気を抜くとすぐに余計なモノをため込んで空間を乱してしまう習慣を受け継いでいる。人生も後半戦に入ったこれから、年を取るほどモノ少なく楚々とした生活を送るために今後は物欲とどう折り合いをつけていくかが重要な課題となるだろう。
  

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※1 まずいざという時とは何を指しているのか分からない。なくて困るものならその時に買えばいいだけの話だし、百年に一度の大災害を想定していたとしても都市住民なら全方面からの支援を最優先で受けられる。せいぜい缶詰数個と水一本程度用意しておけば非常時の備えとしては十二分で、いずれにしても雑貨をため込んでおく必要など全くない
※2 なので我が家が完成してしばらくの間は全くの親切心から100均あたりで買いあさったガラクタを箱詰めで送り付けてきたりする。そのまま着払いで送り返すのを何回か繰り返したらさすがに控えるようになったが、自分が他人の好意を拒絶することのできない心優しい子であったなら我が家はとうの昔にゴミ屋敷になっている

7.13.2017

LDBKはどうか

リビングダイニングバスキッチンでLDBK。
一階が全面土間の家はLWH001で既に実現しているが、それをさらに推し進めて一階を全面バスにする。床も壁も全てタイル張りで完全防水のモノスペース、一角にバスタブがあってもう一角にシンクと換気扇。キッチンの換気扇以外にも強力な換気扇と浴室乾燥が備わっているので、湿気はたちどころに排除できる。
帰宅するとすぐに全裸になって裸族生活。どれだけ暑くても水を一浴びすれば涼しいのでエアコン要らず。タイルの下に温水床暖房を通せば冬でも暖かいし、24時間風呂のバスタブからは常に湯気が立ちあがって冬場に痛めやすい喉や乾燥肌にも優しい。
掃除はいたって簡単、水で流すだけ。掃除機も雑巾も不要。
壁には防水ディスプレイとスピーカー、ダイニングテーブルも椅子も錆びず腐らない樹脂製のものを。こんなのとかいい感じ。食事の後は水をぶっかければいいのでナプキンも雑巾も要らない。食器洗いの水はねなんか気にする必要もない。
唯一困るのが宅配便などの予期せぬ訪問者だが、その時だけガウンでも羽織ればよかろう。アポがある来客の時は乾かして普通の家のようにして、普通に服を着て出迎えればいい…



と、ここ最近の暑さのあまりこんな気持ちの良さそうな家を夢想してみたりする。
木造ではなくRCである必要があるので初期コストはかかってもランニングコストは随分安くついてエコ。こんな家を誰か作ってみませんか。間違いなく国内外から取材が来るので出たがりの人にも最適。さあさあ

7.07.2017

なお、UBの照明は

感電注意

ごくシンプルなポーセリンのブラケット。メイドインポートランド
旅先としてあまり魅力を感じないのでこれまでに一度も米国に行ったことはないのだが、全米住みたい街ランキング一位かつコーヒーの美味しい街一位との誉れ高いポートランドには一度は行ってみたい。
狭いUBに取り付ける照明はシンプルでコンパクトで自己主張しないタイプが望ましい。交換した照明はこの条件に叶っていて安価、材質もUBの雰囲気には合っているのでこれはこれで気に入っている。こちらは販売サイトがしっかりしてるのでクレカで買えるのはいいが、本体価格の二倍も送料をかけるのは勘弁してほしい。


ビフォーの画像はなし。プラの半球型の何の変哲もない照明は普通すぎて撮影する機会もなかった。

イメージ画像

7.04.2017

浮造りの床

浮造りと書いてうづくり。床材の表面をそぎ落とし年輪を浮かび上がらせることで木目の美しさを強調する効果がある加工だが、床材の種類によってはわざわざそんな手間をかけなくても勝手に浮造りの床となる場合もある。



画像は施工後6年を経過したマニハウスの杉床。
見事な浮造り加工のように見えるが、さにあらず。柔らかい杉材は何もしなくても時間の経過とともに表面が徐々に痩せてきて、痩せずに残る硬い導管(=木目)部分とのコントラストが見事な浮造り(風)の床に変化する。
当初は痛々しいほど白かった表面は飴色に。これが本当の杉の床。

変わらないことに価値がある合板の床にとって古びることは劣化でしかないが、本物の木材は古び変色し使い込まれることでよりその価値を増すもの。それを知っている人に木の床は向いているし、上の画像を見て眉をしかめる人は合板フローリングかタイルの床※1にしておくのが無難。
趣味嗜好の問題であっていい悪いの問題ではない。硬い広葉樹であるメープルやオークであればここまでの変化はないが、使い込まれるほどに変色し趣が変わってくることには変わりない。

杉と同じく柔らかい針葉樹である松も経年変化は同様なのは古い寺や現存する城の床を見ればわかる。この変化を逆手にとって塗装の色落ち※2を楽しむのも面白いかもしれない。黒色であれば古い寺や城の床のような和風の渋い趣が、白色であれば古い洋館のようなラスティックな味が出るだろう。

色落ちした黒井由香(誰だよ)黒い床の例。彦根城天守

松本城天守月見櫓。彦根城ともども新築時は墨あるいは黒漆で彩られていた床が数百年の歳月を経てこのように変化

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※1 タイルの床は重いので木造には向かない。すなわちタイルの床にこだわる人は必然的にRC造か鉄骨造で家を建てることになる
※2 痩せずに残る木目部分だけジーンズのように色落ちするのではないか



6.27.2017

排気ダクトをカラーで締める

カラー、すなわち襟。ハイカラはハイカラーで昔から高襟がお洒落と見なされていた証拠。であれば現代のお洒落さん代表はカールラガーフェルドか。ほとんどコルセットのようなあの高い襟のおかげで老いが顕著に現れる首元が隠れ、当年とって84歳の後期高齢者であることを見る者に感じさせない。

温野菜大好き


連想ゲームはともかく、カラーに粗を隠し全体を引き締めて見せる効果があるのは確か。
ということで、洗面所の照明を変えるのに合わせ排気管にカラーを嵌めて見た目を向上させる小細工DIY。

我が家のキッチンシンクは一階のほぼ中央に位置するため、換気扇から延びる排気管はDK隣の洗面所を貫通して外に通じている。今にして思えばきちんとスチールのダクトパイプを被せる指定にでもしておけば良かったのだが、ここが断熱材むき出しそのまんまであるため見た目がいまいちすっきりしないし、壁に漆喰を塗る際には壁との接合部の取り回しが余りよろしくない。

ビフォー。洗面所天井を通って外に通じる排気管だが両端の壁との取り回しがいまいち

円形のパイプ周囲を漆喰で綺麗に埋めるのはなかなか難しく、養生からはみ出て断熱材についた漆喰が事あるごとにポロポロ剥がれて落ちてくる。よく見ると漆喰のアルカリに侵されて断熱材の銀色の表面まで剥がれてしまっている。
これはいかにも見苦しいので、この両端にTカラーと呼ばれる接合金具を嵌めて見苦しい部分を隠す。


アフター。ビフォーとの違いはほぼ間違い探し


本体が断熱材むき出しなのはそのままだが、両端にカラーを嵌めただけで全体が引き締まって見えるようになった。
カラーの素材である無骨な亜鉛めっき鋼板はインダストリアルテイストの照明との相性もいい。最近のインテリアの流行は銅や真鍮素材でFELIXにも魅力的な真鍮の照明は数多くあったのだが、組み合わせを考えて色のないキャストアルミ素材を選んだのは正解。


照明はキャストアルミ、Tカラーは亜鉛めっき鋼板、ミラーキャビネットはステンレス

本来の機能とは関係ないお化粧でも誰も気づかない場所であっても、自分自身が満足できるのであればやる価値はある。幸せなDIYの条件は自画自賛と自己満足(何度目だこれ書くの)。



6.26.2017

洗面所照明の交換

適当な梱包が異国情緒あふれる

すったもんだして到着した照明器具はキャストアルミ2ピースと分厚いカバーガラス、バルブとステー、電気コードのみからなるごく単純なつくり。ていうか照明器具はそれさえあれば成立するものなので、ある程度以上の値段はほぼ意匠代と言っていい。
取り出してみた本品はマスとしての造形は(見込んだ通り)すごくいい。が、細部の詰めと製品管理が甘いのが海外のプロダクトらしいところ。製品管理の甘さとしてはカバーガラスに傷が入っていたり接着剤がガラスにくっついていたり、そして細部の詰めの甘さは背面に現れる。

ガイジンは細かいところ気にしないのね

見ての通り、電球を留めるステーのボルトがそのまんま背面に突き出している。ボルトは乱暴にねじ切られていて切り口は斜め、このままではまっすぐ取り付けられないし、無理に押し付ければ壁に穴が開いてしまう。国産メーカーでは絶対にありえないこの辺の大雑把さ加減がいかにもな感じ。
まあこの程度は大した瑕疵ではない。接着剤はシンナーで擦れば綺麗に落ちるし、背面のでっぱりはスペーサーを拵えて逃がしてやればいい。


MDF合板のスペーサー。どうせ隠れる部分だから見てくれはどうでもいいんすよ

呼んだのは以前にも何回か工事を依頼したことのある顔なじみの電気屋さん。特段腕がある訳ではないが知った顔なので頼みやすい※1。洗面所二か所とユニットバスの二か所、計四か所の照明交換を依頼すると器具をしげしげと眺めて曰く
「洋物好きですねー」
洋物か。いやどちらかといえばおじさん洋物はあまり好みじゃないんだけどなあ。だってエロにわびさびがないでしょう男も女も妙に陽気でオーイエーオーイエーうるさいし。
それはともかく、ことタイルと照明に関しては洋物はセンスもバリエーションも国産品の比ではないというのが両者を調べ倒したうえでの率直な感想。積み上げてきた歴史の長さが違うので仕方ない※2

四か所の交換工事は90分ほどで終了。電気屋さんが帰った後にスペーサーがはみ出していたり取り付けボルトが斜めに刺さっていたり角度がまっすぐでなかったりの荒っぽい仕事を自らきちんとやり直してやっと一連の照明交換イベントが終了。以前から気になっていた左右非対称性は解消しきれなかったもののかなりマシになったので、ひとまずはこれでよしとする。
ああ面白かった。


ビフォー。立方体のすりガラスの中にクリプトン球が二つずつ。この照明も決して悪くないのだが初期工事が残念。どういうわけか上下も左右も位置が揃っていない


アフター。高さはほぼ揃えたものの窓からの左右距離のズレは解消しきれず。正確には左側をあと3cm寄せる必要があるが、これ以上寄せると電気コードを引くために空けられた壁の穴が露出してしまう


フラッシュ撮影。よくあるインダストリアルライトとは似て非なる造形がお気に入り

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※1 過去のいきさつからもうエアコン工事を頼むことはないが、照明交換程度なら問題ないだろうという判断。
※2 勿論和風には和風の良さがあるが、日本人の多くが洋風生活を送るようになってまだ実質100年にも満たない。



6.25.2017

英国バースの商売っ気があまりない創作ライト屋さんとの往復書簡(メール)

58
こんにちは。お店のウェブサイトを見ました。Curved Rectangular Prismatic Bulkheadにとても興味があります。バルブのサイズは幾つですか?あとどうすれば買えますか?こちらは日本の東京です。 M


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ハイM、このEメールで注文できるよ。送り状(INVOICE)と品をどこに送ればいいか、住所を教えてください。バルブはE27。 バート
バートへ。E27なら問題ない※1。送付先住所は以下に書きます。支払いにVISAかMasterは使える? M
欲しいライトは一つだけ?
いや二つ必要。


510
送り状添付しました。 バート


確認しました。内容OK。 M


514
バート、先日のこっちの返事のメール受信できていますか。 M
M、送り状の支払い先で構わなければ送るよ。バート
ーやっぱり口座振り込み?※2理解しました。でも日本から海外銀行の口座に送金するのは死ぬほど面倒くさい※3し時間も金もかかるんでクレカでなんとかならないかな、あるいはペイパルとか? M
うーん、クレカ番号をメールに書くのは危ないからお勧めしないな。どうしてもというならこっちに電話してクレカ番号を直接伝えてもらってもいいけど? バート

515
電話も危なくない?こっちから電話するならお店の人に言っといてもらえれば助かるけど。 M

5月18
海外送金用の口座※4の開設準備を進めています。ただ審査に最低二週間はかかるらしいのでもう少し待って、多分OKだと思うけどもし審査が駄目なら電話する。これは最後の手段。 M

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バート、そちらの口座へ振込む準備ができました。口座開設通知を添付したので、記載されているそちらの口座情報を確認できる?間違いないなら進めます。前の送り状#666がまだ有効なら。よろしく。 M

M、確認した。これで問題ないよ。 ゲイリー

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(ゲイリー?) ゲイリー、先ほど送金した入金を確認したら送り状の住所に送って貰える? M
ありがとう、すぐ確認する。 バート

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バート、とゲイリー、今日無事受け取りました。物は気に入ったけどバルブはE27じゃなくてB22だね!E27とB22じゃ大違い※5なんだけど!まあ何とかするわ。多分自分は最初の日本人の客※6だろうね。ともかく有難う。 M


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※1 一般的な電球サイズはE26で手元にあるLED電球もE26、E27はE26 より1㎜径が大きいので若干ぐらぐらするが付けられないことはない。

※2 商売っ気があまりないというのはこのお店、このご時世にクレカ非対応で現金払いか口座振り込みしか決済手段がないという。クレカ非対応の店なんて日本でも珍しい。まして欧米においておや

※3 海外送金はとにかく手続きが面倒で手数料も馬鹿みたいにかかる(みずほ銀行で7000円、MUFJで6000円)。最近はマネロンや資産隠しの抜け穴として海外口座を利用することに厳しい監視の目が張り巡らされていて、4年前のFATCA施行以降は海外の他人口座への送金には送金目的と送金先口座のある銀行支店の住所に受取人の個人情報(住所氏名電話番号)の申告、送金者のマイナンバーに加え収入証明書の提出まで求められる。もちろん申請には送金者本人自ら窓口に出向くことが前提条件。昔の関所の「入り鉄砲に出女」を思わせる厳しさ。

※4 最近は送金限度額を低く設定する代わりに手数料を低く審査を簡便化したサービスが各行から提供されている。今回は新生銀行のGoRemitというサービスを利用して送金。送金先が事前に申請した一か所に限られる代わりに手数料が低廉(一回2000円)で郵送のみで口座を開設できるのが売りだが、それでも専用口座の開設までに三週間を必要とした。

※5 B22バルブは海外規格としてはメジャーだが国内の照明で使われることはまずない。対応電球もリアル店舗ではまず入手不可能、6WのLED電球はAmazonでも見つからないのでAlibabaで中国から購入する他ない(2017年6月現在)

※6 わざわざバカ高い送金手数料を払い、あるいは送金用口座を開設してまで商品を取り寄せようという酔狂な客はそうそういない。というわけでここの照明がついているのはおそらく国内で我が家だけ。というひそかな自己満足




6.24.2017

家を買う人、家を作る人

マニハウスのMさんがもしS氏を友人に紹介するなら
「営業力がないから大丈夫!」
と安心させるとのこと。
確かにグイグイ来る不動産営業に辟易している人には有効な文句。ていうか普通は友人にそんな強引な営業マンは紹介できない。下手したら人間関係に影響するので。
その通り、自身の信用にかかわると思えば下手な人は紹介できない。ここで自然に紹介者による一次選択が働くため、業者を選ぶのに「知人の伝手を頼る」というクラッシックな手段は意外に有効であったりする。

閑話休題。
これに対するS氏の言い分としては「その営業力がない男の営業に引っかかったお前らは何なんだYo!(意訳)」とのことだが、はっきり言ってしまうと、自分も含めた施主がS氏を選んだのは残念ながらS氏の営業の賜物ではない。
というとS氏がますます落ち込みそうだが、ではなぜS氏が選ばれたのか。それはこれまで見てきた家とお会いした施主で分かる。自分も含めたS氏の顧客にとって家は作るものであり買うものではない、従って求めたのは家づくりのパートナーであって私にお任せくださいと見得を切る営業マンではない。みな確固たる意志をもって家づくりに取り組んだのは新築でもリノベーションでも変わりはなく、そのような人にとってはセールストークのうまさは大した意味を持たない。S氏が選ばれたのは家づくりにおける基本的な価値観を共有しパートナーとして相応しいという施主の判断の結果だろう。

逆に言えば家は買うものだと思っている人、高額な買い物は一所懸命に営業されてその結果として買うものだと思っている人、またはそういう体を取りたい人※1、一言でいえば受け身の人にとってS氏は実に相性が悪いし、営業の熱意とサービスを最重視する人、例えば月刊自家用車※2に値引き成功体験記を投稿するようなタイプの人にも全く響くところはないだろう。やる気あんの?と思われるのが関の山。

ではどんな人に向いているか。前述のとおり対話しながら家を「作る」意思がある人、また作りたい家に具体的なイメージがある人※3、自分の好みを把握できている人、ここだけは譲れないというこだわりがある人。こういった人には適合性が高いだろう。
しかしこういったタイプは少数派で、大多数の日本人にとってやはり家は出来合いを「買う」もの。そして時代のトレンドは簡便化。施主との対話という「面倒くさい」プロセスを重視するS氏の元に千客万来とはなかなかならない理由はここにある。決して営業力のせいではないのだ。

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※1 実際はどうであるかによらず「頼まれたからOKしてあげる」という体裁にすることが癖になっている人。特に女性に多いような気がするが、この癖は損することが多いから気を付けた方がいいと思う。
※2 「トヨタA店とB店と日産のC店とホンダのD店でそれぞれ見積もりを取って一番安い車にしようと思い最初に一番安い見積もりを出してくれたホンダD店の見積もりをもって各店を回ったらトヨタA店でさらに2万円安い見積もりを出してくれてこの営業マンは自宅に何度も来てくれる熱心な人だったのでここで買うと伝えて判子持って夫婦でA店に向かう途中でたまたまトヨタE店の前を通ったので何の気なしに立ち寄って念の為A店の見積もり見せてみたらちょっと待ってくださいと奥に引っ込んだ10分後に出てきて店長の決裁が取れたのでこの値段からさらに1万円値引きしますと言われたので大逆転でトヨタE店から買うことに決定、さらに妻の一言でガソリン満タン納車と愛車セットまでサービスでゲット。息の合った夫婦の連係プレーで賢い買い物ができたと大満足です!」みたいな香ばしい投稿が毎月紙面を飾るので有名な雑誌。色んな意味で自分には理解しがたい別世界がここにある
※3 なんでもいいけどお洒落でカッコいい家にしてくれます?みたいな人もS氏にはまだ早い。S氏はこの手の漠とした問いに対しあーはいはいこんな感じでいかがでざんしょとスラスラ書いて見せられるある意味器用なタイプではなく、あなたのことを知らないのにあなたが何をカッコいいと感じるか分かる訳ないじゃないですかと真顔で答えるタイプだからだ。                      



6.15.2017

ノンアルビール主要四銘柄を飲み比べてみる

夏の夜に喉が渇いて、お茶や水じゃ物足りなくてかといって甘いものも欲しくない。
ビールが飲みたい気もするがアルコールは欲しくない。
そんなときはノンアルコールビールに限る。我が家でもワークアウトの喉の渇きをいやす定番の飲み物としてここ何年かですっかり定着。
ノンアルコールビールといえば宝酒造のバービカン(というビールとは似ても似つかぬ謎の飲み物)くらいしか選択肢がなかった昭和の昔と違い、今は各社ともそれなりにノンアルビールに力を入れていて陳列棚に並ぶ銘柄も数多い。その中でメジャーどころを飲み比べて独断と偏見でショートレビュー。


1.零ICHI (キリンビバレッジ株式会社)


一口飲むと不自然なフルーティーさが口内いっぱいに広がる。何なんだこの香料は。
炭酸も弱めかつ飲み始めてすぐに抜けてしまうので、最後の方には完全に気が抜けた謎のフルーティー水を飲み干す作業に没頭することになる。これは全然ビールじゃないなあ

評価および一言コメント:★★☆☆☆ 砂糖抜きのファンタ



2.パーフェクトフリー (キリンビバレッジ株式会社)


零ICHIと同じキリンが販売するもう一つのノンアルビール。こちらは零ICHIとはうってかわって雑味もなく、水のようにすいすい飲める。後味も何も残らない飲み口はビールというより苦みのある炭酸水といった方が近い。
美点は炭酸が最後までしっかり残るのでその点だけは若干のビールらしさが味わえるところ。とにかく喉の渇きを癒したいときはこれがいいかもしれない。水だから

評価および一言コメント:★★★☆☆ にがりを加えたペリエ



3.オールフリー (サントリー株式会社)


何だこの酸味は。苦みと酸味の絶妙のブレンド、これは胃液交じりで逆流するゲ〇そのもの。ウ〇コ味のカレーかカレー味のウ〇コか、ゲ〇味のビールかビール味のゲ〇か。この味でよく販売OKを出したねというかサントリーにはバカ舌しかいないのか?

評価および一言コメント ★☆☆☆☆ 羽目を外した学生時代を思い出す



4.ドライゼロ (アサヒビール株式会社)


炭酸強めで苦みが強く、疑似とはいえホップのような味わいもなくはない。
これまで飲んできた中では一番ビールに近い味、これならノンアル「ビール」を名乗っても文句は言われまい。難点は強い割にすぐ抜けてしまう炭酸で、最後の方になるとただの苦水になってしまうのが飲み干すのにややきつく感じる。

評価および一言コメント:★★★★☆ 禁酒中の代用品としても是非



番外編:ホッピー (ホッピービバレッジ株式会社)


これはそもそもビールを名乗ってないので番外だが、アルコール抜きのホッピーも冷やして飲めばなかなかいける。味わいは最も豊かでコーヒーを思わせる苦みとコクは個人的には嫌いじゃない。これはこれであり。

評価および一言コメント:本社は赤坂二丁目って知ってた?


6.14.2017

おろしや国一週間(9)12月13日 ペトロザボーツクその2 a walk on the lake

キジ島行きの予定はあえなく白紙となり、さてこの街を発つ夜までどうやって時間をつぶすか。カレリアホテルを出るととりあえず街の中心部に向かって歩き始める。




夢の中で見たようなシュールな風景が広がる



静かに佇む遊具が物悲しい


極寒の地を染める美しい朝焼けの中を気の向くままシャッターを押しつつ歩いた…のが災いし、講堂前の広場に辿り着く頃にはカメラ操作の為にマイナス20度近い外気に晒し続けた手が凍傷寸前。素手を晒すのであればこまめに温めながらでなければとても持たないのを忘れていた。
ここまで冷え切ってしまったらもういけない。吐息をフーフー吹きかけるとか、そういったレベルではどうしようもない。焼け石に水。
あ、これはものすごくヤバいかもと焦って見回すと丁度いい具合に一軒だけ開いているカフェが目に入る。
天祐とばかりに飛び込むと、出されたホットコーヒーで手を温める。通常であれば熱くて五秒と持てないコーヒーカップを両手で包みこむように持って十秒、二十秒、三十秒…やっと手に血が通う感覚が戻ってきた。危なかった


この一枚を撮った直後に辛抱たまらず左手のカフェに駆けこむ

街の中心部まではここからあと小一時間は歩かなければならないがさすがにその気力も萎え、かといって(田舎町にはよくあることだが)この辺で流しのタクシーは皆無。ホテルに戻ればタクシーは呼んで貰えるだろうが、それもまた面倒くさい。
もうこの近辺をうろうろして時間を潰すことに決めた。


カフェを出て左手の坂を下ればオネガ湖はもう目の前だ。




船着き場。当然クローズド

ラーダの超カッコいい四駆を発見

このクラシカルな佇まい。ランクル40のようだ
誰もいない冬の遊園地はなぜこうもリリカルに映るのか

真っ赤なウソ…じゃないアカウソ


目指したオネガ湖は…確かに、見事にかっちんこっちん。
湖面は時間が止まったように動かず、さざ波の音も聞こえない静寂を時折唸りのような音を立てて風が吹き抜けるばかり。



右見てー

正面見てー

左見てー



仕方がないので湖上を歩く。
風の音の他は何も聞こえず、動くものは何もない、
そしてほぼ色のない世界をひたすら歩く。誰もいない、誰も知らない




湖上から見た遊園地



行けども行けども何もない
引き返してくると遠くに船が固まっているのが見える



キジ島行きフェリーはあるかな

あ、多分これだ

まあこれじゃ出航できるわけないねえ


物理的にはこのまま歩いてキジ島に渡ることも出来る筈だが、さすがにそんな時間も体力もない。
静寂の世界を彷徨すること二時間あまり、さすがに疲れたので俗世に帰還…ホテルに戻ることにする。