12.26.2013

床張り工事メモ(2)

年末は仕事も忙しいし帰宅してからも家の事で忙しいし週末もやる事だらけで
昼夜問わず全く休む暇がない。もう少し計画的にだな…毎年言ってるぞ進歩のない奴


⑥左端から張り進んでついに右端に辿り着く。
最終列の板は右側の凸実を切り落とす。それでもその状態で最後の余白と板の幅がぴったり合うことはまずないので、余白に幅を合わせて縦にカット。

⑥幅を合わせてカットして、収まるかといえば収まらない。
最終列はスペースがないので、それまでやっていたように凸実の真横から凹実をスライドさせて押し込むという手が使えない。手前から斜めに押し込むしかないのだが、そうなると凹実が引っかかってどうやっても嵌め込む事は出来ない。
で、どうするかといえば邪魔になっている下側の実を切り落として嵌め込む。

凹列の実の下側を切り落とした図。奥に見えるのが最終列の余白。3cm程度

⑦ロフトの右端には梁が横たわり、そこから何本かの角柱が立っている。
この梁と柱が微妙に面一でないので、うまく収まるように現物合わせで板を加工する。

こんな感じで微妙に出っ張っている箇所は
逃げを作って嵌め込む
現物合わせの加工に用いたのは鉛筆とカッターナイフのみ。
柔らかい檜はカッターでも削れてしまう。これがメープルやチークだったら間違いなく鑿が必要になるところ。素人に優しい針葉樹万歳

⑧最終列の固定にフロア釘は使えないのでかくし釘を用いるのだが、どうせここは置き荷で半永久的に隠れてしまう部分なので敢えて嵌め込むだけで終わりとした。マイクロフィルムはここに隠そう。


⑨エイドリアーン

もはや体中が痛い

⑩エイドリアーンとかいいつつまだ完全には終わってない。
いや板張り作業自体は終わったが仕上げの処理が残っている。
これまでの作業は全てセオリーどおり、無数の先人達がやってきた事を忠実になぞったに過ぎない。
今回の工事で少しでもオリジナリティがあるとしたらこれだ。

防錆スプレー乾き待ち

鋼屋で誂えた厚さ1.6mmの黒皮鉄アングル。
切りっぱなしの断面も鮮やかなこの鉄材を誤って足に落とした日には間違いなく指が飛ぶだろう。あら素敵。
これを何に使うか…ふふふ



まだ続く

12.24.2013

床張り工事メモ(1)

板材には互いに組み合う実(さね)加工が施してあって、左側が凹実で右側が凸実。
右端から左に張っていくのはNG。右辺は凸実が飛び出している上、凹実に凸実を嵌めていくやり方では最後がうまく収まらない。
従って張り順は常に左から右。凸実に凹実を嵌めていく。
一方、我が家のロフトの天井は左上がりの片流れ屋根に沿っていて、すなわち左が高く右に行くほど低くなる。収納物は必然的に、ほぼワニのような体勢でしか移動できない右側に寄せて置かれている。

つまり工事は比較的高さに余裕がある左端から始まり、最も高さが低い右端に到達して終了。
言い換えれば荷物が置かれていないフリーな箇所の床ほど初期の拙劣な施工が目立ち、コツを掴んで惚れ惚れするほどビシッと整った後期の施工の殆どは荷物の下に隠れてしまうという皮肉な結果に。
まあ人生ってそんなもんだよねーなどとうそぶきつつ作業メモ。


①最初の一列の直線出しが最も肝心。
ここで真っ直ぐでないと後々の列まで全てガタガタと乱れてしまう。出来れば墨坪で直線出しをするのが望ましい。
自分はここを横着したので始めの数列はガタガタと隙間が空いてしまった。痛恨のエラー。

②張り作業は一列ずつ。
一列分の板をまずカット(継ぎ位置が隣の列と互い違いになるように板の長さを調整)し仮置き、列全体の直線が真っ直ぐ出ている事をしつこく確認する。

凸実を潰さない様、打ち込みには必ず凹実のついた当て木を使う
水平器についていたレーザーポインタが始めて役に立つ。気休め程度だけど

③列全体の仮置きで真っ直ぐ揃っている事が確認できたら、板を取り外し裏返してボンドを塗布、再度打ち込む。
ボンドが乾くまではじりじりとずれてくる場合があるのでここでもしつこく列の直線を確認(万全を期すなら次の列に張る予定の板をあてがって打ち込み、直線が出ている事を確認)。
問題なければ30cm置きにフロア釘を打ち込んで固定する(根太を張っている場合は根太に合わせて釘を打つ)。

④固定する釘は専用のフロア釘を用いる。
フロア釘はスクリューがついていて通常の釘より固定力が強く、また頭が小さくポンチ穴が穿たれているのが特徴。なおドリルで下穴を開けてから打ち込むと作業が格段に楽になる

凸実の上からおよそ45度の角度で打ち方はじめ
ハンマーが届かなくなったらポンチをあてがって最後まで打ち込む
打ち方やめ。板が薄いので打ち込みで実が割れてしまいやすく、なかなか加減が難しい

⑤左から右へ、只管この作業の繰り返し。
列の直線を保つのが工事の肝なので、作業を中断する場合も必ず列全体を仕上げてからおしまいとする。


12.16.2013

ロフト床張り工事終了

週末を費やす事四回でロフト(小屋裏収納)床張り工事は完了。
いや疲れた。経過をアップするつもりが、毎回工事の後は疲労のあまりブログを更新する気力も残らず今に至る。まあとりあえず無事終わってよかった。
今回のセルフ家作りはこれまでで最も体力をを消耗した工事だったかもしれない。その理由はまた追って。つくづく、家作りは体力だ。

12.04.2013

Z(俗人)ライフ

自分でわずか10万円の予算で家を建ててしまうという究極のDIY側面にまず引かれたBライフだが、ご本人(毎年寝太郎こと高村友也氏)のブログを読めばそれは単なる変人の風変わりな生活ではなく「働くとは」「生活とは」を突き詰めた哲学の実践である事が分かる。

人は何のために働くか、もちろん生きる為だ。
ならば生きるコストを最低限にすれば労働も最低限で済む。
持ち家であれば毎月の家賃もかからず、なおかつ土地建物あわせて100万円に満たない持ち家であれば固定資産税もタダ同然。年間所得を100万円以下に抑えれば所得税住民税健康保険料も殆どかからないうえに年金も全額免除(全額免除でも少しは支給される)。
結果、労働と名のつくものは数週間に一度の単発バイトで十分、これで十分生活が賄え、残りのすべての人生は誰に気兼ねする事なく自由を謳歌できるというライフスタイル。

あまりにもラディカルな発想の転換に唸ってしまうが、これはあくまで老人になるまで病気一つしない頑健な身体を大前提に成り立つ話であって、大病の一つも患えばたちどころに破綻してしまうサイクルである点で普遍性には極めて乏しい。生活保護の不正受給で社会に寄生するといったチートよりは遥かに真っ当だが、圧倒的多数の人間が馬鹿正直に働いてせっせと税金を納める事で成立しているこの社会の制度(の抜け道)を上手く利用したニッチな生き方である事には変わりなく、当然ながら多数派には決してなり得ない。理屈の上では可能だが、家族を持つのは事実上無理だろう。即ち何ら未来に繋がるものもない。

それを差し引いても、辿り着いた哲学を身をもって実践する勇気と行動力は大いに買うし、率直にすごいと思う。
自分も独り者であればこれを実践する余地はある。なくはない。のだが…いやまず無理。無理っす
決してギラギラしたタイプではなく(LWHはギラギラとは対極に位置する)どちらかといえば淡白な性質ではあるものの、それでも我と我が身を振り返れば物欲やら虚栄心やら執着心やら闘争心やら、ありとあらゆる欲望や煩悩の雁字搦めからは永遠に自由になれそうもない。
まずこの家を維持しつつ最低限の生活を送るにもバイト暮らしでは到底無理だし、かといって手放す事など有り得ない何言ってんのアンタ。車もバイクも最低限楽しみたいし最低限自転車も大事、最低限あれも欲しい最低限これも欲しい最低限猫も欲しい、最低限あの野郎この野郎の鼻をあかしてやりたいし最低限床張りはきちんと仕上げたい…ああ見事なまでに俗そのものではないか(笑)。
丿貫のような生き様には常にある種の憧れを抱いてはいるが、それは自分には決して辿り着けない境地に対する諦念の裏返しであったりするのだ。いいじゃないかにんげんだもの。みつを。

11.28.2013

不適材不適所

ロフト(小屋裏収納)のフローリング工事に取り掛かる前に、現状のラワン合板の床を綺麗に掃除する。

構造用合板25mmの上にラワン合板5mm。吸水性抜群で染みが目立つ目立つ


日ごろ掃除をサボりがちな場所ではあるが、ゴミの上から床を張るのではボンドも付きが悪かろうし、下がゴロゴロして高さが不揃いになってしまうかもしれない。
何より気分が悪い。

とりあえずコロコロを隅々までかける事にして、床の上にロール粘着紙を走らせる…


ベリッ。



べり?

不吉な予感に慌ててローラーを除け、音を発した箇所を見ると、何とコロコロの粘着力であっさり合板の表面が剥がれ、一面のささくれが出来ているではないか。

コロコロを押し付けられてやさぐれた合板。こうなってはヤスリをかけない限り裸足では歩けない

フローリング代わりに張ったこのラワン合板、場所が場所だけに普段は殆ど触れることもなく、従って痛むことも殆どない筈なのだが、3年を経過すると早くも張り合わせた板の継ぎ目部分が(勝手に)ボロくなってくるなど、随分と劣化が早いなとは思っていた。しかしここまで脆いとは。
これが木の床であったなら、どんな安物の木材だろうとこんな事には決してならない。筈。

元はといえばコストダウンの為、普段見えない場所だし合板張りでもいいかと思ってこの仕様にしたのだが、遅かれ早かれ自分で仕上げ直すのは必然だった。
どこかのローコストハウスの実例でフローリング代わりにラワン合板を床全面に張った家があったような気がするが、あれなんかも早晩張り直しを余儀なくされたのではないだろうか。新築時点では斬新でカッコよく見えてもすぐボロくなる(木のように味が出るわけではなく、ただ単にボロくなる)し、あちこちでささくれたトゲが足の裏に刺さるのは時間の問題だろうからだ。

結論として。
押入れや物置の床ならともかく、少なくとも裸足で歩く床の仕上げ材としては、合板は全く不適当。
やはり木とは似て非なる物なのだ。



11.26.2013

DIYの背中を押すBライフ

家の一部でも自分で作ってみたい、仕上げたい。
だけど腕に覚えもないしなんか怖いしどうしても勇気が出ない。

という向きにお勧めのページがこのBライフ研究所
「都内から原付で半日」の山林地に土地建物合わせて100万円の予算でマイホームを手に入れ、出来うる限り最低限のコストで自由に日々を暮らす様子が綴られているこのウェブサイト(ブログ)は色々な意味で衝撃的なのだが、とりわけすごいのは僅か10万円で建てられたという家。
何がすごいって、
「腕にまったく覚えのないDIYの素人が」
「電動工具など文明の利器を一切用いず」
「ホームセンターに売っている資材のみを用いて」
「一から十まで(基礎さえ!)自分一人だけの力で家を建ててしまった」
という事実。

本人が自称する「金槌さえ握ったことのない素人」という言葉に嘘はない事はその仕上がりを見れば分かるが(失礼)、見てくれやグレードはともかく、それでもちゃんと家として機能しているのだから立派なもの。
金槌さえ握ったことのなかった素人でも、鋸と金槌とホムセン資材だけでなんとか家を作れるのだ。これに比べればDIYなどちょろいものだし、知らず知らずのうちに「上手くやらなきゃ」とDIYのハードルを自分で上げてしまうあまり一歩が踏み出せない身には『見た目が多少アレでも何とかなればそれでいいじゃない』と勇気づけられる気がしないだろうか。
経験から言っても、自宅の用途に供する限りにおいては多少失敗しても「それが何」で済む。不特定多数の人間にハードに扱われ、それ故に些細な瑕疵が致命的な欠陥となりうる公共施設なんかとは使用環境のシビアさがまるで違うからだ。
やってみれば意外に何とかなるのがDIY。でもどうせやるなら綺麗にやりたいけど(←どっちだよ)。

11.25.2013

ポイント・オブ・ノーリターン

DIYにおけるポイント・オブ・ノーリターン、これを越えたらもう引き返せない、やりきるしかないという瞬間は、家に対し不可逆的な加工を開始する際に訪れる。

漆喰ペイントをたっぷり吸ったローラーを壁に叩き付けた瞬間、
ロフト梯子を取り付ける床に意を決してドリルを突き立てた瞬間、
ロフト壁や階段壁に穴を穿った瞬間、
ボンドを盛り付けたタイルをキッチンの壁に押し付けた瞬間、
超高粘度の強力ボンドを盛った鏝を反転させて玄関モルタルに撫で付けた瞬間、

家は不可逆的にその姿を変え、
「ひたすら前進して工事をやり切る」以外の選択肢はその時点で消えてなくなる。
生来不器用な自分は何度やってもこれを越えるのに少しばかり逡巡するのだが、
「終わらない工事など存在しない。終わらない冬がないように」(春樹風)
と自らに言い聞かせてその第一歩を踏み出すのだ。


そして今回の工事のポイント・オブ・ノーリターンは…

「…」  (檜材をしげしげと眺める)
「…」  (ひっくり返しボンドをたっぷり塗布する)
「…」  (もう一度しげしげと眺める)



ベチョッ。 



はい今越えた!今ポイントオブノーリターン越えたよ!(修造風)

15%終了

11.22.2013

やは肌の熱き血汐に触れも見で

どん!と届いた檜材40kgの山を前にしばし立ち尽くすものの、まずは荷を解かねば始まらない。
ダンボールを開封しテープを解くと、

軽い!
柔い!
白い!
桃い!
いい匂い!


同じ木材でもこうも違う

節もほとんど見られない柔肌の、ほっそりとした優美な木材が麗しい芳香とともに現れた。
堅く黒く幅広く木目がマッチョなウォルナットの床に置けば、まるで真っ黒に日焼けした高校球児の野球部に入ってきた女子マネの趣。取り扱いに難儀した重くごついウォルナットに比べれば切った張ったは格段に楽そうで、これなら手に負えない事はないだろうと少しばかり気が楽になる。

11.20.2013

実りの秋

米を買うとおまけに稲穂をつけてくれる




居候のおやつにちょうど良かったなこれ

11.18.2013

檜材到着

ロフト(小屋裏収納)床に張る檜が到着。

毎度の事ながら、届いた資材を見て感じるこのやってもうた感。

DIYの家づくりは、資材を前に「やっちゃった」と立ち尽くすところから始まる。失敗したという意味での「やっちゃった」ではなく、目の前に積み上げられた資材の巨大な質量に圧倒され、そしてそれを自力で収めるべきところに収めなければならないという事実にひたすら慄くのだ。

「お届けものでーす」
どん!(漆喰塗料30kg)『やっちゃった…』
どん!(壁タイル60kg)『やっちゃった…』
どん!(ロフトはしご20kg)『やっちゃった…』
どん!(床タイル50kg)『やっちゃった…』

毎回これ。やっちゃった感がなかったのは比較的コンパクトだった手摺の時くらいか。

そして今回どん!と届いた檜材、2m×20kgの梱包二つもまた…
あーあ、やっちゃった。

脳裏をよぎる大沢誉志幸




11.16.2013

館山の一日

ロフト(小屋裏収納)に張る檜はもうじき届く。今年も残りわずか、木材が届いたら残りの週末はほぼ床貼り工事に費やされよう。
恐らくはゆっくりできる今年最後の週末となる11月初旬の土曜日、久しぶりに会う友人と互いに車を乗り出して館山までドライブに出かけた。
その時の様子

はい嘘です※1


日頃世界を股にかけて飛び回る多忙なビジネスマンである友人の貴重な休日を野点でもてなそうと張り切って道具を持参したものの、天気予報に反し降り続く冷たい晩秋の雨を前にあえなく断念。
しかし南総の美味い物を食べ、ダラダラ喋って脱力して過ごす一日も悪くない。野点はまたの機会に。

from富寿司
_________________
※1 しかしベクトルは全く違えど同じ車好きとして、彼らなりの愛し方なのだと思えば理解は出来ないが否定はしない。ちなみに凄く車を大切する彼らは無神経にドアを開いて隣の車にぶつけたりする事は決してないので、駐車場でVIPカーの隣に停めるのは逆に安心だったりする。営業車や子供が乗っているファミリーカーの隣の方が余程危ない

11.05.2013

珈琲野点(犬吠埼)

何度目かは忘れたが、とにかく定番の犬吠埼。だが今回は一つ試してみたい事があって訪れた。
箱崎の松林で茶を点てたかの利休居士に倣い、という訳ではないが
一度はやってみたかった。

カップルも退散済み

灯台に到着すると車を停め、600ccサイズの小型ケトルにアルコールストーブ、ジャグとカップとエビアンを携えて海岸へ向かう階段を降りる。
暑くもなく寒くもなく、風も弱く、人気もなく
野点手始めにはお誂え向きの絶好のコンディション。


でも風よけが要るな

眼前に太平洋を望みつつ飲むブラジル。美味い

美味いし面白い。
こりゃいいな次は山でやってみよう



11.01.2013

ロフト床檜張り計画発動

コストカットのため床は合板張りで仕上げられた我が家の二坪のロフト、というより屋根裏収納。
漸く工事日和の涼しい季節が到来したのを機に、これをきちんと木の床として仕上げる事に決めた。
当初は敷くだけで無垢の床になるお手軽なタイルフローリングを考えていたが、以前住んでいたマンションでDKにコルクタイルを敷いた経験から言えば、お手軽に敷いただけの床はお手軽にずれてお手軽に歪んで、底にはお手軽にゴミが入り込んでしまうものだ。綺麗に仕上げたいならやはりちゃんと床に固定しなければ…あれ、だったら普通に床材を張り上げた方がよくね?
という訳で、ただでさえ這って移動するほど低く狭い屋根裏収納スペースを極力損なわないよう、今回は薄さにこだわって板材を選択した。床用の板はどんなに薄くとも12mmはあるので、本来は壁や天井に用いる厚さ10mmの羽目板を奈良の吉田製材㈱に発注。羽目板といえどきちんと本実加工がされているし、既にがっちり張られている分厚い合板の上から張るのであれば薄さも問題ないだろう。
樹種は檜。安さと加工の容易さから言えば杉一択なのだが、定番すぎて面白くないので敢えて外して檜に。当然杉より高価だが、二坪程度であれば大した差ではない。ウォルナットやメープルといった硬い広葉樹は切った貼った釘打ったの加工が大変そうなのでパス。

納期がなく幾らでも作業コストをかけられるのがDIYの強みであれば、週末ごとに少しずつ張っていく事として…目標は年内の完成としよう。

10.25.2013

「建築家」この杳たるもの


帰宅するとポストにこんなフライヤーが。
んーどうせポスティングするならマンションとかアパートを狙った方が見込みがあるのではなかろうか


だが試みとしてはいい。「家を買う」でなくて「家を建てる」ことへの敷居を下げる機会はもっともっとあって然るべきだと思う。

眺めていてふと思ったが、敷居の高さには「建築家」という人口に膾炙している呼称にも原因が求められるのではないだろうか。
作家、画家、音楽家、陶芸家、書道家、思想家、漫画家。「~家」という呼称の対象となるのはおしなべて(広義の)アーティストであって、家は道具であって芸術作品ではないと考える自分のような人間は「建築家」という境界線のはっきりしない呼び名にはどうも胡散臭さを感じてしまうのだが(建築家を名乗るのに資格は要らないし)、「なんか斬新で突飛で実用的でない家を作られそう」「気難しそう、怖そう、ヒゲ生やしてそう」などの巷間のネガティブイメージもよくよく考えてみればアーティストに対するステレオタイプなイメージそのものだったりする。そういうタイプの方がキャラが立って面白いからメディアも好んで取り上げたがるきらいはあるけれど。

あ、カサミラみたいなぶっ飛んだ集合住宅作っちゃうガウディのような人なら別。
あれには異論ございません。逆に建築士ガウディとかいう方が変だねあれは

10.15.2013

レトロすりガラス

古民家を使用した蕎麦屋のトイレのすりガラスが懐かしい柄。

於松原庵

そういえば昔はこんな感じの模様が入ったすりガラスがあちこちで使われていたような記憶があるが、いつの間にか目にする事もなくなって久しい。ガラスメーカーでもとっくに廃番になっているのか、それとも今でも発注できるのか。まあ今時の窓はペアガラスが標準だから、ペアガラスで採用されていなければ自然に淘汰されていってしまうのだろう。
どことなく古ぼけた、ノスタルジックな窓ガラス。今時の家に合わせるのは…いやこれはかなり難しいな。やっぱり昭和の家でないと合わないでしょ


由比ケ浜薄景

10.05.2013

あったか~い始めました


秋の到来を告げる「あったか~い」飲料
先月の今頃はまだ灼熱の日々が続いていたのに、あれよあれよという間に肌寒い風が吹くようになるから四季がある国は面白い。通勤着も衣替え。

9.24.2013

霧の牡鹿

最低気温20度最高気温26度、これ位まで気温が下がれば半袖一枚なら快適に車に乗れる。
待望の肌寒い日の到来を寿ぎ、実に三ヵ月半ぶりに車のエンジンを掛けると西に向け出発。
奥多摩湖につく頃にはすっかり夜。


走り屋もヤン車もいない

夜の奥多摩湖周辺には自分以外の車の姿はまるで見当たらず、ワインディングはほぼ貸切り状態。
前が詰まってイライラすることも後ろから煽られてイライラすることもなく、調子に乗って気持ちよく流していると辺りには徐々に霧が立ち込めてくる。
少しペースを落としてクリアしたコーナーの先、ヘッドライトに突然浮かび上がったのは、道の真ん中で突っ立っている一頭の鹿。
角の先まで含めれば自分の背丈と同じくらいもある立派な牡鹿は目の前に現れた車に一瞬狼狽した様子を見せたが、すぐに踵を返すと背中の斑点をライトにきらめかせてガードレールを軽々と飛び越え、夜の闇に消えた。
時間にしてほんの数秒の霧の中の出来事。まんが日本昔ばなしの一シーンのように幻想的な…
いやーしかしこっちに突っ込んで来なくて良かったなあ。あんなデカブツを撥ねたら廃車だよこっちも。




9.19.2013

古材の床

欧州産中古足場板の発売を開始します。と、この家を建てる際に問い合わせたことのある古材スペシャリスト小山製材木材からメルマガが届いた。
欧州の建築現場で5年から10年使い倒された足場板。厚さ30mmで幅200mm弱、長さは2500mmから3000mm。
サイズも豪快なら仕立ても豪快。サネ加工やカンナがけなどフローリング用の仕上げもなく、表面についたペンキ汚れもそのままでラフそのもの。これを家の床に用いたらそれは強烈な個性となるだろう。
この家を建てる時、はじめはここで扱っているパイン古材(100年前に建てられた納屋の壁から引っぺがしたようなの)のとりわけ表面が荒々しいのを板に張りたいと思っていた。S氏との最初の打ち合わせでも古材を使いたいとか言った憶えがある。
相談した小山製材の社長(とても親切)から「素足で歩く床に使うのは正直お勧めできない」などと忠告されたこともあって結局無難にフローリング用の木材に日和ったのだが、家では上履きを履くようなライフスタイルに割り切ってこういう荒っぽい床を張っても面白かったかなと思ったり。傷もへこみも気にせず思い切りラフに使える木の床というのも面白い。新築でいきなりビンテージあら素敵。
ただし古材は臭いので、臭いが消えるまでしばしの辛抱も必要※1。その辺もひっくるめて細かい事ぁいいんだよという豪快な施主の方は是非検討されたい。

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※1 HIDで作ってもらった本棚では棚板に杉の古材を使ったが、納品からしばらくはこれが臭いの何の。今ではほぼ無臭に落ち着いているが、床一面に張ったらさぞ臭かっただろうな

9.08.2013

東京オリンピック2020

先週の縁日金魚すくい 子供300円大人400円(笑)

七年後は遠い未来のようでもあり、すぐ先のような感じでもあり。その頃に自分がどうなっているか、この家がどうなっているか、残債がどうなっているか(笑)
ともあれ、自分の住む街でオリンピックが開催されるなんて世界60億人の中でも滅多に体験できる人はいない。関係者の長年に渡る努力を称えつつこの僥倖を素直に喜んで七年後を楽しみに待とう。

これまで以上に世界中から注目される事で国も汚染水対策に本腰を入れざるを得ないのでは、とも少し期待している。韓国のボイコットだけで済めばいいが、成り行き次第では全参加国から総スカンを食って開催返上を余儀なくされることも十分有り得るし、それは日本国そのものが世界中から背を向けられる事を意味する。だから本気でやってね安倍ちゃん


9.01.2013

例祭2013

恒例の夏の終わりの例祭

なんか屋台の数が増えてるぞ
坂下の駐車場に並んだ屋台の明かりが欅の枝のむこうに垣間見える。うむだいぶ復活してきた

二階からはまるで見えない

縁日といえばかき氷は外せませんな。
さて買いに行こう


8.27.2013

「高級なもの」でなくて「いいもの」が欲しい

「いいもの」は手にするだけで快いと前回書いたが、どこで分かるのかと聞かれると言葉で表すのはなかなか難しい。手にした感じ、見た感じ、佇まい。諸々の修辞を超えて直感的に「いいもの」が分かる人間のセンサはなかなか侮れないところがある。

触れれば理屈抜きに「いいもの」と感じるものに「木の床」がある。
「いいもの」イコール「高価なもの」「高級なもの」とは限らなくて、床材で言えば床暖仕込みの出来のいい合板フローリングは無垢材より高価かつ見た目も高級感に溢れていたりするのだが、高い安いの問題ではなく木の床は「いいもの」。触れれば分かるその直感が間違っていない事は時間の経過とともに分かる。
床暖房が出来ないとか収縮して隙間が出来るとか手入れが面倒とか節が嫌だとか細かいネガをあげつらえばきりがないが、「いいもの」に直に触れて生活する贅沢な日々に比べれば小さなもの。
繰り返すが、木の床の良さは「触れれば分かる」。そう簡単に取替えの効くパーツでないだけに、触感を重視する人、触感フェチを自負する人なら家を建てる際には必ず触って撫でて出来れば寝転んでみてから床材を選んだ方がいい、と思う。でなければ逆に一生「木の床」には触らないとか。

8.19.2013

4,000km突破そしてシートポスト交換

スペックシートによれば、通勤快速号RNC7の重量は完成車の状態で9.4kg(ペダル含まず)。
カーボンフレーム全盛の今では結構な重量級。同価格帯の吊るしのカーボンロードでもこれより1kgは軽いし、もう少し予算があればさらに1kg軽いロードバイクを組む事も出来る。
これは新旧の素材の差なので如何ともしがたいところ。ほっそりとした流麗なフォルムが欲しくてクロモリ=クロームモリブデン鋼フレームの自転車を求めるのならば、軽量と高剛性は諦めなくてはいけない。自動車の重量が2kg重かろうと軽かろうとそれは誤差の範囲内に過ぎないが、一人力で走る自転車特にロードバイクで2kgの重量差はもう相当な差と言っていい。スポーツカーが300kg重いか軽いかというようなもの。
とはいえレースに出るわけでもない街乗りオンリーバイクで極限の軽さが求められる訳もなく、ツーキニストとしてはカッコ優先で敢えて重いクロモリを選んでも別にどうって事はないのだけれど、通勤路がママチャリ走破不能(電アシ除く)な難コースな事もあってやはり軽いに越したことはない。これまで取っ替え引っ変えしてきたパーツもカッコだけでなく軽量化をも条件に選んできた※1結果、これまでのところ467gの軽量化を果たしている。おお9kgを切ってるぞ。
購入時のまま未だ替えていないパーツはハンドルとステム、サドルにシートポスト。あースプロケットもそうか。まあどれを選んでも似たような重さのステムとスプロケ(金に糸目をつけなければ軽くできるが)はどうでもいいとして、ハンドルとサドルにシートポストの三点は製品によって重量にかなり開きがあるパーツ。重いものはとことん重く、軽いものはやたらに軽いこれらを上手く取り入れれば、総合で1kg減量を達成するのも夢ではない。

前置きはともかく、三代目通勤快速号が22ヶ月目にして走行4,000kmを突破した記念に、今度はシートポストを変えてみたという話。
この地味なパーツにおいてはカッコよさと軽さを両立するアイテムはそれほど多くはないのだが、

Wiggleで買っても大して安くなかった(´・ω・`)

「本業は航空機精密加工部品メーカー」「精密部品メーカーの技術力を発揮した高い加工精度と強度」「製品は7000アルミのCNC削り出し」などの売り文句がいちいち男のヲタ心に刺さるトムソンのシートポストは、カッコ良さと軽さの双方を満たす数少ない一品。

抜き取ったアンカーシートポストとの比較。アンカー300mmに対し240mmのショートタイプ

「マスターピース」シートポストを手に取れば、評判に違わぬ精密な加工が何とも心地いい。
オーバースペックだろうと宝の持ち腐れだろうと人が「いいもの」を求めるのは、手にした時に素人にも感じ取れるこの「いいもの」感の気持ちよさにあるのではなかろうか。「いいもの」は手にするだけで快いのだ。
そして圧巻はその軽さ、デフォでついているアンカーのシートポストも決して重くはないのだが比べると違いは歴然。同じアルミ製シートポストでこうも違うか。


メイドインUSA
何と155gという驚異的な数値、これはカーボンポストの多くをも凌ぐ、正に究極の軽さ。あらやだ、これ一本で133gも軽量化できちゃうじゃないの。
ただやみくもに軽くしたのではなく、必要な強度をきちんと確保した上で実現した軽量だからなおすごい。

元々が重いクロモリバイクを買っといて軽量化を追求するというのも何だか不毛な気がしないでもないが、まいいか。元が何であれ軽いは正義、カッコいいプラス軽いイコール大正義。これスポーツカーと同じ。


シートレールも黒く塗ってみた

とまれ、これで600gの軽量化を達成。
次はサドルかハンドルか?消耗品のサドルがボロくなったタイミングで改めて考えてみようかなー

_____________
※1 タイヤだけは例外的に、前後で60g重いものに交換している。通勤快速にはタフなタイヤが必須だからこれは止むなし。

8.08.2013

木木した三階建てを可能にする木材

家はその構造材が露わになっているのが好ましく、RC造ならRCが、鉄骨造なら鉄骨が、木造なら木材が、下手に化粧されたり隠されたりせずに剥き出しになっている「らしい」家が欲しい。と思っていた。
木造二階建てで建てた我が家はこの希望通り柱も梁も天井も木材があらわしになっている大変木木した家なのだが、これが三階建てならこうはいかなかった。準防火地域に該当するこの地に三階建て以上を建てるならば防火材を用いなくてはいけない、つまり木造であれば木を露出させず、全て石膏ボードで表面を覆わなくてはいけないという規制があるからだ。
よくある三階建て建売住宅の内装がツーバイフォーであろうと在来工法であろうと判で押したように同じような見てくれになってしまう最大の理由は勿論コストだろうが、この規制も恐らくその理由の一つ。木材あらわしなどハナから無理な相談なのだ。
勿論注文住宅であってもその規制は変わらない。磨きこまれた柱が黒光りする渋い温泉宿のような木造三階建ては、少なくとも都内では望むべくもない。なのでもし我が家を三階建てで建てたとしたら、恐らく木造は選ばずに鉄骨あらわしでロフトっぽくしていたかな。鉄骨三階建ての予算などどう考えてもなかったので(更に言えば三階建ての必要もなかったので)、あくまで有り得ないifに過ぎないが。

というのが我が家を建てた2010年時点での常識。しかしその後耐火性能を持つ木材が実用化された事により、今はこれまでの常識を覆す「構造あらわし柱むき出しの木造三階建て」を建てる事が可能となっている。
これはいい。リフォームで使えばやはりこれまでになかったリフォームが出来るし、いずれにせよ選択肢が増えるのはいい事には違いない。いいなあこれから建てる人は。

8.06.2013

Tongue June not hit all be tall

またかっていう。
「近所のスーパーからサバ缶が消えた」「サンマ缶ばかりだ」―――ツイッターで「サバ缶」がスーパーで買えなくなったという報告が相次いでいる。実際に都内のスーパーに問い合わせると売り切れていたり、一人一缶のみという制限がかかっていたりするところもある。
 テレビ番組のダイエット特集で、サバ缶を食すと、やせるホルモンが大量に出る可能性がある、などと説明したのが原因のようで、納豆、バナナに続くパニックに発展しそうな気配もある。
やーーめーーてーーーーー

無類のサバ缶好きとしては迷惑千万、安くてボリュームたっぷりで高蛋白でしかも美味という懐の寂しい独り者の絶好のご馳走を一時の気まぐれで買い占めるのは本当によして欲しい。マルハやキョクヨーが調子に乗って値上げに走ったら一体どうしてくれるんだ。

しかし何だね、「納豆がいい」と煽られれば口から糸引きながら納豆を買いに走り、
「いやところてんが効く」と言われれば体をプルプル震わせながらところてんを買い占め、
「今はバナナダイエットだ」と水を向けられればウホウホ言いながらバナナを買いあさり、
今度はサバ缶か。何なんだねキミタチは。
ていうかねーまーだ分からんのかね。
食べて痩せるわけないでしょが。食べりゃ太るんだよ。

「バランスよくちょっとだけ食べ」「よく運動して基礎代謝を上げる」。
ダイエットなんかこれ以外に何があるって言うの。え。横着すんな横着を。
どーしても、どーしても食べるだけで痩せたいとかムシのいい事を言うなら、仕方ない、おじさんがとっておきの「食べて痩せるサバ缶ダイエット」を伝授して進ぜよう。心して聞くように。

1.サバ缶を開ける
2.常温で三日放置する
3.美味しくいただく

食べて痩せたいならこれしかない。これなら確実に痩せる。まあ痩せるの通り越して骨だけになっちゃうかもしれないけど。


8.05.2013

スイッチオン!

家のスイッチ八つをすべて交換するつもりで購入した八つのトグルスイッチ、場合によっては取り付け時に少しばかり加工が必要。
これは後で判明した事で、最初に出張工事を依頼した電器屋さんはこれが分からなかったが為に作業開始から5分で匙を投げ
「これは出来ません。いや無理っす。絶対無理っす。無理ったら無理っす」
と言い残し、出張費だけを受け取るとさっさと帰っていってしまった。
困ってしまってわんわんわわん。

一般的にネット通販のアフターはあまり期待できないもので、特に海外パーツなんかだとこういう場合に販売者が返金に応じてくれるかも怪しい※1。まあでもこれ国産品だしなあ。やいやい。と一応販売元のR不動産toolboxにメールしてみると、すぐさま製造元に対策を確認して翌日には対策方法を販売ページにアップし、ダメ元で申し出てみた「誰か出来る人紹介してくれません?」にも応えて工事士を手配してくれるという完璧なフォローぶり。返金してくれるかなあ程度に考えていた自分にとっては望外の展開で、一度は諦めかけただけに更に嬉しい。

取り付け当日は二名の工事士さんに加え、toolboxの事例ブログに載せる(らしい)写真を撮る為にtoolboxのHさんと製作者Sさんもお礼参りにいらっしゃった。
黙々と作業する二人、写真を撮りまくる二人、そわそわと挙動不審な家主、の合計五名が小さな家の中を動き回る事二時間※2、漸く全てのスイッチの交換が完了。やった。

ブレードランナーぽい感じ。質感最高、操作たのしーい

さてこのゾルボンヌ印のトグルスイッチ、交換完了までにかかったコストは総額七万円台弱。

最初の電器屋さんの出張費を含めてね。
ほとんど作業せずに受け取った出張費を含めてね。
領収証も切らずに受け取った出張費を含めてね。
おーい小石川税務署の役人タ○○デンキ怪しいぞ調べたれ
(結構根に持ってる)

別に故障した訳でもなければ、変えたからといって機能が向上する訳でもないスイッチ交換に七万円払うのが高いか安いか。
それは人それぞれという他はないが、自分にとってみれば全然アリ。毎日毎日操作するスイッチがこれだけ楽しいものになる事を考えれば。


その他印象に残った事としては、隠し忘れた肉食系の居候が見つかって受けるHさん(女性)と引くSさん(男性)の対比が。これまでにアレを目にした人は数あれど、平気な顔をしているのは意外にも女子の方が多いのが面白い。ていうか野郎は例外なく引くのな
____________
※1 顔を付き合わせないネット商売のネガな面が出て「そんな事こっちに言われても (´・ω・`)知らんがな」とでも言わんばかりの突き放した返事を寄越されたりする事が珍しくない。なので見てくれの良さに惹かれて輸入品パーツを購入するのは結構リスクの高い行為なのだ。上級者向け  
※2 玄関の二連スイッチで相当苦戦して時間を取られた感じ。スイッチを加工すると壁の中のスペースが足りず、二人がかりで押し込んで何とか取り付けられた模様。

7.27.2013

マイチェンは続く

家と自転車の共通点、それは細々としたパーツを取っ替え引っ替えして日常の中で楽しめる※1こと。
取り替えのきかない大物は別にして、小物は日常の中で気軽にちまちまと取り替えてはすぐにその効果を味わえるのが楽しい。床や壁や天井といった大物はそうおいそれと取り替える事は出来ないが、スイッチやコンセント、照明や家具什器類とか、手摺りもそうだな、気軽に取っ替え引っ替えできる小物は幾らでもある。そういう意味で言えば自転車などフレーム以外全てのパーツが小物のようなもので、また小物であれば金額もリスクもたかが知れているというところも安心。

という事で、要するに我が家でもまた小物を変えてみたという話。
入居後まもなくpuntoに交換したコンセントとスイッチのプレート。そのコンセントのプレートを、今度はaizaraに付け替えてみる。


おお、これは超渋いな。気に入った。
ではスイッチプレートもaizaraで揃える?
いやいや、スイッチは是非ともこれにしてみたい。

ゾルボンヌ印

スイッチらしいスイッチといえばトグルスイッチ。サンダーバード発進のスイッチはこれでなくては締まらない。まあ別にサンダーバードには何の思い入れもないのだが、分厚いアルミプレートが鈍い輝きを放つこのトグルスイッチは普通の壁スイッチのパッチンパッチンという軽い感触とまるで違うバチンバチンという手応えが最高に気持ちいい。スイッチオン!ラジャー!(バチン)スイッチオフ!ラジャー!(バチン)とかやりたくなるね。やらないけど。

我が家がこういった風合いのパーツが似合う「ざらついた触感の」家で良かったと思うのはこういう時。
どこもかしこもつるピカハゲ丸でキレイキレイな家※2には、多分合わない。

しかしこのトグルスイッチ、一筋縄ではいかなかった。


続く
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※1 都心暮らしの普通のリーマンにとってたまの休日に乗れるかどうかといった車やバイクは日常的な存在ではないし、これらのパーツを取っ替え引っ替えするのは大抵が時間も費用もそれなりの事になるので、そう気軽に出来る事でもない。そもそも取っ替え引っ替えは大体やり尽くしてしまったし。という訳で車やバイクは少し及ばない。うちの場合。
※2 我が家がキタナイキタナイな家と言っている訳ではないので誤解なきよう。まあ、言いたい事は大体分かるでしょ

7.15.2013

対薮蚊最終兵器

水も緑も土も身近にある一戸建ての住人にとって夏場の薮蚊対策は頭が痛い問題。
草むしりの時は勿論の事、表で行う自転車やバイクの手入れ、洗車の際にも薮蚊は漏れなく群がってくる。市販の虫除けスプレーは残念ながら大して効かない。タイガーバームは確かに強力な虫除け効果を確認できたが、それもせいぜい30分。

生え放題のどくだみの手入れに及び腰であったのもこの薮蚊の存在が大きい。耳をつく甲高い羽音、気が付けば身体のあちこちに取り付いて血を吸っているというおぞましいビジュアル、そして程なくしてやってくるあの猛烈な痒み、それらもろもろが「夏場に表に出る事」そのものにこれまで二の足を踏ませていたのだ。

その薮蚊問題の最終的解決手段は米国からやってきた。

eBayで値段だけ見て買ったらデンバーのAvidmaxが送ってきた
最終的解決といっても残念ながら薮蚊をガス室に送り込めるわけではないのだが、超強力な虫除けの入手を持ってこの問題はほぼ解決。
日本の薬事法により定められたDEET(忌避成分)の上限12%を遥かに超える34%のDEETを誇る虫除けローションUltrathon。当然国内では売られていない、ていうか販売不可。

効き目12時間、2個で12ドルほどなので薬局にある普通の虫よけと比べても安い

製薬会社の利権の為にあるような日本の薬事法ほど適当な法律もないので、国内で販売不可とかいってもまったく気にする事はない。PL法が日本より遥かにシビアに適用される米国で広く普及しているという事実の方が遥かに信頼に足るというもの。

で、この最終兵器を今回のどくだみ掃討戦に投入してみると…。

効き目は素晴らしいの一語。薮蚊がわらわら湧いてくる家周りの環境で90分ばかり草むしりに没頭しても、耳なし芳一状態で塗り忘れた手の甲を一箇所刺されたのを除いては全く被弾なし、虫害ゼロ。あのプイーンという不快極まる高周波を耳にする事もなく、拍子抜けするほどあっけなく虫の好かない男になれた。
これさえあれば薮蚊に臆することなく表で洗車や自転車いじりに勤しめる。夏場の生活が少しアクティブになった。いやいい買い物をしたなあ(自画自賛)

7.14.2013

どくだみ掃討

寝苦しくて早朝に目が醒める。あまりの暑さに二度寝も出来ず眠れないまま外に出てみると、今春から爆発的に増加し伸び放題のどくだみに我が家が完全包囲され、さながらLWDH(ライトウェイトどくだみハウス)の様相を呈している事に気づく。

こうなっては風情があるなんて言ってられない。ここまで生茂ってしまっては足元の風通しが悪く湿気が溜まり建物に良くないだろうし、地下では根が基礎コンクリートに悪影響を及ぼすかもしれない。
これはいかん。
という訳で、我が家のどくだみは綺麗さっぱり除去してしまう事に決定。
陽が高く昇る前にやってしまおう

一時間半を経過して、汗が滴る手元にはどくだみで一杯になったゴミ袋が五つ。
地表に見える緑の茎や葉よりも、地中に潜む地下茎を引きずり出す事がどくだみ除去の肝。この植物の脅威の繁殖力の源は、地中にネットをかけるが如く縦横無尽に張り巡らされた地下茎にある。
この地下茎こそがどくだみの本体といっていい。地表に見えている茎や葉を幾ら除去したところでこの地下茎が健在である限り、翌朝には涼しい顔でまた新しい芽を地表に覗かせるのだ。

この小さな家を取り囲むどくだみを除去するだけでも、その戦慄すべき生命力を伺い知ることが出来る…


モルタル塊をぶち抜いた地下茎
基礎に悪影響があるかもという心配はあながち杞憂でもない。

一見綺麗に取り尽くしたように見えても

砂利の下には取り残した地下茎がこれだけ
地下茎ある限りどくだみは死なず


この一角だけ「どくだみ特区」としてそのまま残しておく事とする…まあどうせ三日もすれば他の地域へ侵食をはじめるだろうし、取り残した地下茎の残党もすぐに芽吹いてくるだろう。今後まめに見回るしかないねー


7.12.2013

真夏の自転車通勤は気合を入れて

午前8時にして既に温度計が三十度を指す真夏の東京、
路上に繰り広げられる自転車通勤模様は普段とは少しばかり様相を異にしている。

化粧崩れが弱点の女性ツーキニストは姿を消している。
着替える前提でない、スラックスにワイシャツ姿のライトなツーキニストも姿を消している※1

灼熱のアスファルトの上に生き残ったのは自転車便と思しき職業サイクリスト、そもそも働いていないぽいサイクリスト(どこに行くんだ?)、
そして気合の入ったヘビーな(変人ともいう)ツーキニストのみ。

雨や雪と違い、ただ暑いだけなら自転車にとって直接的な脅威ではない。
暑ければ汗をかく。疲れる。運動するのだからそれは当たり前。
「駅直結のマンションに住み駅直結の職場に通う」のでもなければ、電車通勤に切り替えたところで結局夏の暑さからは逃れられない。
どうせかくなら、満員電車でじっとり滲み出る嫌な汗より朝一の大運動で流れる汗の方が寧ろ気持ちいいというもの。

真夏上等!ドリャァァァァァァァァァァーーーッ!

シャカシャカシャカシャカーーーッ!(ペダルを漕ぐ音)


会社に到着して漕ぐのをやめると、さらに滝のような汗がどっと吹き出してくる。
貨物用エレベータ※2でオフィスのあるフロアまで上がると、トイレに直行。
個室のドアを閉め、上から下まで全てを脱ぎ捨てると、おもむろに鞄から冷凍タオルとOXYの制汗ローションを取り出す。
この組み合わせは最強。最強の気持ちよさ。
まるでシャワーを浴びているような爽快さに恍惚とする至福の瞬間。

気ん持ちいいぞ!ドリャァァァァァァァァァァーーーッ!

ブリブリブリブリーーーッ!(隣の個室から聞こえてくる音)



……更衣室欲しいなあ


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※1 見かけるとすれば駅までのチョイ乗りサラリーマン。汗をかいてないからツーキニストでないと一目で分かる
※2 普通のエレベータはさすがにちょっと。汗が滴るおっさんなんて他人から見れば見苦しい以外の何者でもない

7.07.2013

雨あがる

気温35度から嵐のようなスコール、すぐに止んで再び真夏の西日が射しこむ



雨が降っても少しも涼しくならないところがなんとも。蒸し暑い

7.02.2013

Tiny Flowers

夏櫨の足元を覆う斑入り薮柑子に花が咲く。
それはそれはささやかな



関東地方ももう梅雨は明けたな。うん明けた明けた


6.15.2013

微かに涼

摂氏三十度まで上昇した気温に70%以上の湿度、そしてほぼ風量ゼロ。
梅雨の合間の蒸し暑い日、それでも四方の窓を開け放てば外から家の中を微かに通り抜ける空気で気持ち涼しげに。

集合住宅にない一戸建ての利点「全方位の窓」の良さが分かるのはこういう時。モノスペースのフロアの四方につけられた窓を全て開けば内と外との境界線も曖昧になる気がする。
そして雨が降り出しても慌てて窓を閉じなくて済むのは庇のお陰。庇は大事(なぜ最近の家は窓に庇がないのだろう?)。

6.08.2013

あの土地は今(円山町)

所用で渋谷に出向く。
平日昼間の渋谷は混雑もそれ程ひどくはなく、年配者の姿もちらほら見えて少しは普通の街のように見える。これが休日だったらまず終日道路が見えないほどの混雑、そして街を埋める人の群れは見渡す限り全部歳下という異様な風景に居心地の悪さを感じずにはいられない。

そんな渋谷の街の中の土地の購入をかつて検討した事もあったのだ。それはひとえに渋谷アドレスっていいなあというミーハー精神の発露に他ならなかったのだが。アホかと。

所用を終えると帰社の前に少し寄り道、その土地がある円山町まで足をのばす。
以前にも書いたが、かつて購入を検討した土地の近くを通った時は、必ず立ち寄って現況を確認する事としている。大抵は誰かが購入して家を建てているのだが、もしかしてそれが自分の家だったのかもしれないと思うと感慨深いものがある。

円山町の土地はわずかに10坪。建売住宅も建たない小さな土地であれば、購入者は知恵を絞り悪条件をものともしないコンパクトで快適な家を建てているのに違いない。

などと期待しつつたどり着くと…





駐輪場になっていたでござる



やっぱり難しいよなーこれは。
ラブホ街のど真ん中でマンションとラブホにきっちりと囲まれた10坪、幅3mに満たない狭い前面道路の向こうにもマンション、したがって陽当たりも車で進入するのも絶望的。いくらなんでもハードボイルドすぎるという事で自分の購入候補からは早々に脱落したのだが、そこを何とかしてやろうというチャレンジャーはついぞ現れなかったらしい。むべなるかな。


仕方ないので通りすがりの猫をいじって本日の寄り道終了。

なでれや


6.06.2013

悪意

真っ二つに割かれた幹



目的のない「純粋な悪意」を向けられるのはただただ気持ち悪い。

…防犯カメラ、つけようかな。

5.25.2013

一輪挿してみる

家のドクダミは花ざかり
こう咲き誇られるとさすがに食べる気も失せる。

ドクダミ畑でつかまえて

折角なので一枝を摘み取って室内に持ち込んでみる


慎ましやかな花もそれなりにいいもので

こうして見るとドクダミはやっぱり「和」だなあ

5.23.2013

モノからイエへ

家と物の関係についてS氏がいい事を書いている

人は何も物を持たずに家だけで生活する事は出来ない。
言い換えれば、人は家に囲まれる前に物に囲まれて暮らしている。
好きな物で囲まれた心地良い空間づくり、家づくりはその延長線上にある。

少なくとも、自分の場合はそうだった。
インテリアのイの字も知らず、好き嫌いどころか興味すらなかった二十代の頃。部屋の中はただ安いというだけの理由で選んだ間に合わせの物で溢れ、間に合わせの物に囲まれた間に合わせの暮らしの中では将来どういう家に住みたいかなど全くイメージ出来ず、いつかその辺の中古マンションでも買えれば十分だろ、程度にしか考えていなかった。
(もしその頃に何かの拍子で纏まった金を手にしていたら、きっと安直にその考えを実行に移していたに違いない。良かった貧乏で)

それがいつから今のようなスタイル(好きなものしか身の回りに置きたくない)に180度転向したのか記憶が定かでないが、間に合わせで適当に揃えた物を一つずつ好きな物に置き換えていく作業を続ける内に、それを容れる入れ物自体がどうにも気に入らなくなってくる。そもそも自分が暮らすこの部屋が「適当に選んだ間に合わせ」に他ならないという事に気づいたのが家づくりを意識した瞬間。

そしてどういう家が欲しいのか把握するまで更に数年を要し、紆余曲折を経て漸く機が熟したのが五年前…と考えると、まだ若いのに回り道せずに自分のスタイルを確立し、剰え家まで建ててしまう人は凄いなとつくづく思う(S氏の顧客にも何人かいらっしゃるが)。
それを早熟と言うならば、自分はあまりにも晩稲という他はない。しかしその時間はあくまで人それぞれ、自分の木になる実が熟するまでにはこれだけの時間が必要だったのだろうから仕方ない。熟する前に摘み取っても堅くて酸っぱくて食べられたもんじゃなかっただろうし。

5.12.2013

ぱるつんぎてー

なとぅきたるらち

と口ずさみたくなる初夏の一日。古代の同胞とは会話が成立しないな

昨秋に枝をすべて落とされ殺風景な姿になってしまった裏の欅にもようやく新緑が噴き上げるように湧き出し、その色も日を追うごとに黄緑から緑に変わりつつある。
ここからは駆け足で夏がやってくる。今のうちに車にも乗っておかねば。

今春の思ひ出・上田城の櫻

5.10.2013

エゴ政策

今年も巡ってきた納税の季節。
いつものように自動車税納付書が届く…が。




理由はこれ。



新規登録から13年を超えた車両は一割増の税金が課せられる。
その理由は、一言で言えば「古い車の排ガスは環境に悪いから」。

『環境に悪い車に乗っているのだから(懲罰的な)重課税の対象とします』
『それが嫌なら環境に優しい新車に買い換えなさい』

という事なのだろうが、まあこんな子供騙しがまかりとおる社会ってどうなんだろう。

少しばかり古い排ガス基準の車を大事に乗り続けるのと、10万点もの工業部品からなる自動車を一台作るのと、どちらが環境に悪い行為なのか
小学生でも分かるこの簡単な理屈が、我が国のエリート中のエリートたる財務官僚の頭脳で分からない筈がない。ではなぜ分からないふりをして馬鹿げた税制改悪を行ったのか。そうした方が新車が売れるからに決まっている。エコ?なにそれ?おいしいの?

古いものを大事に使い続ける事が罪とみなされる社会。
お為ごかしを一皮剥けば商売商売。この国の「エコ政策」なんて所詮その程度。
ああ薄っぺらい。君らはこれでトヨタにいくつ天下り先を増やして貰ったのかね、と嫌味の一つでも言いたくなる。あんまり消費者舐めてると触媒外すぞコラ(嘘)