家はその構造材が露わになっているのが好ましく、RC造ならRCが、鉄骨造なら鉄骨が、木造なら木材が、下手に化粧されたり隠されたりせずに剥き出しになっている「らしい」家が欲しい。と思っていた。
木造二階建てで建てた我が家はこの希望通り柱も梁も天井も木材があらわしになっている大変木木した家なのだが、これが三階建てならこうはいかなかった。準防火地域に該当するこの地に三階建て以上を建てるならば防火材を用いなくてはいけない、つまり木造であれば木を露出させず、全て石膏ボードで表面を覆わなくてはいけないという規制があるからだ。
よくある三階建て建売住宅の内装がツーバイフォーであろうと在来工法であろうと判で押したように同じような見てくれになってしまう最大の理由は勿論コストだろうが、この規制も恐らくその理由の一つ。木材あらわしなどハナから無理な相談なのだ。
勿論注文住宅であってもその規制は変わらない。磨きこまれた柱が黒光りする渋い温泉宿のような木造三階建ては、少なくとも都内では望むべくもない。なのでもし我が家を三階建てで建てたとしたら、恐らく木造は選ばずに鉄骨あらわしでロフトっぽくしていたかな。鉄骨三階建ての予算などどう考えてもなかったので(更に言えば三階建ての必要もなかったので)、あくまで有り得ないifに過ぎないが。
というのが我が家を建てた2010年時点での常識。しかしその後耐火性能を持つ木材が実用化された事により、今はこれまでの常識を覆す「構造あらわし柱むき出しの木造三階建て」を建てる事が可能となっている。
これはいい。リフォームで使えばやはりこれまでになかったリフォームが出来るし、いずれにせよ選択肢が増えるのはいい事には違いない。いいなあこれから建てる人は。
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