原発事故対策として、この春より社員の約3分の1を西日本の某大都市に移動させて構えていたセカンドオフィス。
先日、その運用の収束が発表された。
すなわち緊急災害体制を解き、必要最低限の拠点としての機能を除いてはセカンドオフィスの人員・施設を全て本社へ撤収し、会社組織を震災以前の平時体制へ戻すと決定されたのだ。
余震もほぼ収まり原発事故も小康状態である為…という名分に基づいての決定。だがこれは正直微妙な判定ではある。
確かに地震は落ち着いたといっていい状態にはあるがそもそもそれは今回のエクソダスには関係ない。直接のトリガーとなった原発事故はあれからレベル7に達し、なお収束の目処すら立たないまま周辺住民、というか多くの国民を日々被曝の脅威に晒し続けている。要するに事態は決して好転はしていない。
会社にとっては、東西ツイン本社体制は日々莫大なコストを発生させ、かつ社員にも日々多大な負担を強いる重いシステムに他ならない。その一方で好転はしていないが極端な悪化もしていないという昨今の福島第一の状態。この二つをを天秤にかけた上での、これは営利企業としての現実的な判断といったところだろう。
正直、放射能汚染なら(極端な近距離を除けば)東北だろうと関東だろうと関西だろうと五十歩百歩。安全を目指すならば九州か沖縄、あるいは北海道東部にでも逃げるしかないというのがもはや周知の事実だが、今のところそこまでの覚悟を決めた社員もいなければ、この度の会社の決定に正論をもってして正面から異を唱える者もいない。誰だって自ら生活の基盤を失いたくはない。まあ、みな大人なんで。
半径200kmレベルの被曝のリスクを将来にわたり抱え込んだとしても現在の生活を守るという我々の選択が正しいのかどうか。自分には分からない。未来は無数の分岐点を辿った先にあるものだから。
まあ、これは仕方ない。
うーん…まあ、仕方ないとしかいいようがないか(苦笑)。
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