家作りには祭りのような部分がある、と自分の家を設計してくれた建築士は言う。
何もないところから家を作り上げていく作業には生半可でないエネルギーが求められる。
それを乗り切るには非日常のエネルギー、
一種の高揚したテンションと熱狂が必要なのだろう。
それは正に「祭」だ。
巷間に溢れる「家作りブログ」は、それぞれの「祭」で燃え上がった焔の余熱と言える。
自分自身が書き連ねた家作りブログも同様、
当時の自分を突き動かしたエンスージアスムは今もなお行間から輻射熱のように伝わってくるようで、今にして思えばその熱なくしては数々のセルフビルド※1を短期間でやりきるなどとても無理な話であったろう。
「祭」は家の竣工とともにあっけなく幕切れを向かえ、
そして祭の後には終わりなき日常が待っている。
しかし自分は…家の完成後もわざわざ所を変えてまで密かにブログを更新し続けているのは、
祭の終わりを認めたくない未練がどこかにあるのかもしれない。
喧騒と熱狂は既に遠い過去。
しかし未だ身体の奥深くで燠のように、静かにひっそりと「祭」の熱は続いている。
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※1 内壁漆喰塗り・(一部)天井漆喰塗り・ロフト壁張り・キッチンタイル貼り等々。平日は仕事で終電、週末は家作りで終電というとんでもない強行スケジュール。我ながらよく身体が持ったものだ。もう一度やれと言われても勿論断る。
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