11.08.2010

ナビ更新

猛暑もやっと収まった感のある10月の週末、やっと車に乗れる気温になった※1ので4ヶ月ぶりに車を乗り出してショートドライブに出かける。
ダッシュボード上にはソニーのカーナビXYZ-77※2をセット

このナビ、最近どうも調子が宜しくない。
どういう事かと言えばボケている。
具体的に言えば、突如として交通法規と物理法則を無視して(地図画面上で)あらぬ方向へふらふらとさまよいだし、やがてここではないどこかの街角にいると思い込むと、ありもしない道を曲がれだの引き返せだのと次々に指示を繰り出し、そうして散々人を振り回した後に知らん顔をして正気に戻るというタチの悪い症状が度々発生しているのだ。

特に目的地に近づいた頃にこのシグルイでいう曖昧な状態の虎眼先生状態に陥ると厄介で、こうなったらドライバーに打つ手はない。
ナビ先生が正気を取り戻すまで勘を頼りに運転するしかないのだが、ようやく我に返った頃には既に目的地を大きく逸れて行ってしまっていたりする事もしばしば。先生が曖昧な状態に陥った事に気付かずに狂った指示に従ってハンドルを切りかけ、危うく事故という目に遭った事もある。
笑えるが笑い事では済まない。

そしてこの日のナビ先生はさらに曖昧さ加減を増していた。
そのボケ具合は一種凄みさえ感じさせるもの。
家を出発して最初の角を曲がる頃には、画面の中の車はいきなり宙を飛び始めたのだ。

うむ、今日も先生は曖昧な状態にござる。
そうひとりごちる間にも画面の中の車は北東の空をぐんぐん飛んでいく。
そしておもむろに外堀通りに着地して通りを走り始めた(らしい)。
以降、実車が靖国通りを東へ進むのに対しナビは春日通を東へ、
京葉道路を東進するのに対しては浅草通りから蔵前橋通りへ進む。
先生…

曖昧な状態なのにナビとしての義務は果たさなければと思うのか、
ありもしない角を曲がれだの、Uターン禁止なのにUターンしろだのと喧しい。
ドライバーを事故に引きずり込む悪魔の囁きを無視し、正気に戻るのを辛抱強く待ちつつ車を進めるが、ハンドルを握ってからそろそろ一時間を経過し、車が環七を通過する頃になってもなお、先生は曖昧な状態から醒める気配をみせない。
それどころか曖昧さは更に激しさを増す。
ついに画面上で柴又街道に沿って北上を始め、実際には京葉道路を東に走っている自車からさらに遠い彼方に走り去っていってしまった

ここに至りこちらも辛抱堪らず、半ば衝動的に行き先をカー用品店に変更。
うむ、先生にはご隠居頂くしかあるまい。

さすがに今度と言う今度は我慢の限界というもので、ドライブの予定はカー用品店でのナビ新調に変更されたのだった。ああまた予期せぬ出費が…


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※1 エアコンもなければヒーターも無し。背中にラジエーター背負ってるからこれがヒーターといえなくもないか。キャビンの気温は外気プラス5度がデフォ

※2 6年前に購入したこのナビはPC接続してセットアップするのを前提とするという、今でも斬新な(というより先走った)コンセプトがソニーらしい迷機。音楽も動画もPC並に再生可能でメールもOK、他社と比べ格段に解像度の高いナビ画面では要所要所で3D表示に切り替わるなど6年前にしては相当なスペックを誇ったのだが、残念な事に肝心のナビ性能が今一。案内が遅い、裏道に弱い、自慢のアプリもマルチタスク下では頻繁にフリーズして使い物にならないなど弱点が多々あり、ついにポータブルナビ市場の主導権を握れないまま退場(生産中止)する事となった。個人的にはHDDナビなのにDVDナビより起動が遅いという時点でヤバいと思わなかったのか、開発責任者を小一時間問い詰めたい。

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