自分一人で住むのであればこれで十分。
廊下もホールもなく、基本的に全てのスペースは仕切られる事なくつながっている開放的な間取りは、僅か50㎡とはいえ一人で住む限りは全く狭さを感じさせない。
逆に必要なものだけがコンパクトに集められているので実に機能的で快適。
しかしひたすら自分ひとりの「快」を追及したこの間取り、
誰かと住もうとしたら途端にその「快」は裏返ってしまうだろう。
まず遮るもののないワンスペースでは互いにプライバシーが保てない。
親しき仲にもプライバシーあり※1。
互いの存在が目障りで仕方ない状態に陥るのに時間はかかるまい。
そして収納スペースは部屋を広く取る為に完全に一人分だけ。
余程ストイックな生活でなくてはたちまち汚屋敷となってしまうのは目に見えている。
トイレの正面には風呂がある。そして風呂との仕切りは(ドアも含め)ガラス。
つまり丸見え。
誰かが入浴中に便器に腰掛ければ互いに目が合ってしまう。
ラブホじゃないんだから、日常がこれでは些かきつい。
という有様なので、あくまで定員は一名なのだ。
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※1 といっても若いカップルがワンルームで同棲、というのは珍しくない。しかしそれは良くも悪くも若いからこそ出来る事。さかってるからねえ。
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