12.05.2010

忙しいとは心を亡くすと書きまして

ああ・・一週間が長いな。

さて日一日と追い詰められている我々の状況、
目下の課題はホストシステムの入れ替えという大規模なプロジェクト。
これを家作りに置き換えれば、

「維持費が高くつくようになった家から新しい建売住宅に住み替えを計画していて、すでに退去の意思は伝えてあり退去日も決まっている。
退去日を守らなければ莫大な違約金を払わされる。なので新しい建売住宅(少しカスタムプランを取り入れた)への引越し日は絶対に守らなければいけない。」

という状況にあたる。

ところがこの工務店(ベンダー)。
図面もろくすっぽ読まないで工事を終わらせて
「はい出来ました」

引越し前に様子を確認してみるとこれがもうこんな家(システム)で。

・仕様と違う素材を使っている
・引き戸指定の場所にドアがついている
・しかもドアを開いたら壁が倒れてくる
・ガスコンロに火がつかない
・よく見たらガス管を引き入れてすらいなかった
・電気のスイッチを入れたら感電する
・蛇口を捻ったらそこら中から水漏れ
・フローリングはやりかけで終わっている
・壁は隙間だらけで壁の下から庭が見える
・当然雨が降ったらそこら中で雨漏り
・基礎に柱が通っていない
・修復しました→全然直っていない
・修復しました→別の場所が壊れている
・連絡します→すっぽかし、無視
・「階段が外れるんですけど」「図面通りです」
・「窓ガラスが嵌まっていません」「図面通りです」
・「回答しました。解決しました」しかしその「回答」とは『良く分かりません』

ユーザによるチェックで判明した不具合は軽く700箇所以上(!)。
こんな家に住めるか。という訳で目下その修復作業を連日連夜。
立ち退き期限は迫る、新しい家はガッタガタ、心身ともに日に日に追い詰められる家族の心は荒みきり、誰の顔にも不信と諦念、猜疑心と恨みの色が濃く浮かんでいる。

欠陥住宅というのもおこがましいレベルで、これは現場も管理もなにもかもがダメ。箸にも棒にもかからないとはこのこと。社会人をそれなりに長くやっているが、正直ここまでレベルの低い業者を相手にするのは初めてだ。
もう言葉もないというか、何を言っても無駄というか、
彼らはこんな低レベルの仕事をしていて空しくないのだろうか。
自分のやっている仕事を胸を張って家族に語れるのだろうか。

あまりの事態に会社としても訴訟を視野に入れてはいるが、これも欠陥住宅訴訟と同様、「全ての因果関係の証明義務は原告にある」上に「相当な期間と費用」がかかり、そして「要求どおりの賠償額が認められる事などまずない」。
委託業務がシステム開発であるだけに裁判の継続は困難を極めるだろう。勿論業務の片手間で出来るレベルでもなく、裁判対応専門の組織を置くくらいでなくては訴訟など覚束ない(勿論そんな余裕はない)。会社対会社の紛争解決手段としては労ばかり多く得るところは少ない。
先方はそこまで見越して(足元をみて)このレベルの仕事で済ませているのだろう。
噂ではこれまで関わった同業他社、全て同じように泣かされているという。

このレベルの会社でもそれなりの規模と社員を抱え、市場から淘汰される事なくそれなりにやっていけているという事実、最近ではその事の方が寧ろ驚きであったりする。こんなのが通用するのって常識では有り得ないのだが。
いやーITベンダー業界て本っ当に甘っちょろい世界ですね。羨ましい。

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