3.20.2017

おろしや国一週間(6)12月12日 土産を買いにアルバート通りへ



月に照らされたクレムリンを後にすると次はガイドブックによると「モスクワの渋谷」であるというアルバート通り方面へ向かう。
モスクワの渋谷。本当か?

クレムリンを背にまっすぐ西に向かいノーヴィ・アルバート通りを歩くと右手にドム・クヌーギ。フランスでのfnacに相当する大型総合書店で、こういうところにも土産に最適な小物が売っていたりする。



少し寄っていこう…しかし通りを渡れない。モスクワの道路整備は徹底していて、街の中心部を外れて走るこういった幹線道路に信号は皆無。ではどうやって渡るかといえば、数百メートルに一か所設定されている地下道を通っていくしかない。画像では目の前に見えるドム・クヌーギにたどり着くのにここから300mほど歩いて地下道を渡りまた300m戻って来るという、車には便利だが歩行者にはなかなか不便な街づくり。地下道は全て階段でエスカレータやエレベータは皆無、バリアフリーどころかバリアだらけ。
行ってこいで入店したドム・クヌーギでは薄手で嵩張らないオリジナルのショッピングバッグや変なペンなどをライト土産にピックアップしてレジに向かう。

と、レジに立てかけてある本の帯の顔に見覚えが。



顔写真の下にロシア語で「こんまり」。近藤麻理恵さんじゃありませんか
つまりこれは「片付けの魔法」だ!

この後に訪れるサンクトペテルブルクのドム・クヌーギでも平積みになっているのを目にしたこの本、ロシアでもかなりの話題作らしく帯を見ると5000000の数字。世界で500万部の大ヒット作と書いてあるのだろう。
すごい。世界のこんまり。今のモスクワでは本田より有名な日本人ではなかろうか。
しかし家が片付かなくて困ってるのは日本人だけでないのね

そしてトランプも大人気


ドム・クヌーギを出ると南に向かいアルバート通りにたどり着く。
えーとガイドブックによれば若者が集まるモスクワの渋谷。ないし原宿と。
んー違います。笑



んー確かに歩行者天国の大通りで若者が多くてアパレル店がそこそこあったりするのだが、原宿というより地方都市のアウトレットパーク的な長閑な感じ?
ちなみにロシアの若者、全然お洒落じゃありません。
それこそ渋谷原宿あたりとは比べ物にならず。素材はいいのにねえ


路面で絵を売る

この程度のそこそこいけてないショッピング通りに興味はないので普段はスルーするところだが、今回立ち寄った理由は買い付けを頼まれた土産物を物色するため。

まずはシュカトゥールカ、一言でいえば塗りの小箱。
結構な手間がかかるらしく小さくてもいいお値段がするのでライト土産には向かない。
シュカトゥールカやホフロマを大量に並べているのが、アルバート通りを進むと左手に見えてくるアルバーツカヤ・ラヴィーツァ


店内はやや殺風景だがシュカトゥールカとホフロマの充実ぶりは恐らくロシア随一。
一階はどこもかしこもこんな感じ


シュカトゥールカの絵柄はロシアの昔話を元ネタにした人物像が多いが、自分の趣味としてクレムリンの塔をモチーフにした長方形の箱を選択。

自分のお買い上げ跡地がぽっかり空き地になっている中央手前


続いてマトリョーシカは通りの入り口付近右手にあるミール・スーベニーロフで購入。販売の兄ちゃんは完璧な英語を操り愛想も抜群で慇懃な物腰。ロシア人らしくなく実に気持ち悪い。笑


邪魔にならないよう小さいサイズを選ぶが、マトリョーシカの価値は大きさよりも入れ子の数で決まり、当然入れ子が多い多層構造になっている方が上等なマトリョーシカで値も張るとのこと。

お買い上げの跡地が空き地
ここで買ったマトリョーシカは高さ5cmほどの小さなものにもかかわらず9層構造。お値段4320ルーブルで約一万円。細工の精密さを見ればまあ納得できるように思えるが、値段的にライトとはいいがたい。しかし安物のマトリョーシカは絵付けが適当で顔も不細工なのが多いので、どうせ買うならあまりケチらないほうがいい。




土産調達ミッションを終えてアルバート通りをぶらぶら進むと、何やら通りに沿って昔のスチール写真が引き伸ばされて展示されているのが見えてきた。
見ると独ソ戦におけるモスクワの様子を撮影したタス通信の展示物で、一時はドイツ軍に20km足らずまで迫られ陥落寸前となった当時の首都の緊迫感がありありと伝わってくる。日本ではなかなか目にすることができない貴重な写真。



ナチスドイツの宣戦布告を告げるアナウンサー

モスクワ市街の防空体制
来るべき首都攻防戦に備えて設けられたバリケード

タス通信の壁新聞を見入る人々
原爆を二度も投下され沖縄が戦場になった日本が第二次世界大戦で最も大きな損害を受けた国と勘違いしている人も多いかもしれないが、少なくとも数値の上では桁外れに大きな損害を被ったのがソ連次いでドイツ。
戦闘の規模も戦死者数も一般市民の犠牲者数や戦争終結後の悲惨な運命も、日米のそれですら比較にならない人類史上最も大規模かつ凄絶な戦争、それが独ソ戦。
紙切れ一枚の証拠もないのになぜか年々犠牲者が増えていく南京ゲフンゲフンとか、そんなファンタジーなど入り込む隙間もないほどの悲惨な現実。この辺は近くにいるWW2オタに聞けばもう幾らでも語ってくれるだろう


ハードロックカフェもこの通り沿い
妙に可愛らしいプーシキンのアパート

の傍で寒そうなプーシキン像


アルバート通りの締めでロシア語表記のスターバックスに入る 。
ロシア土産の新定番となりそうなのが、ここでしか買えないマトリョーシカ仕様のマグボトル。
日本円にして1500円程度なのでライト土産にも丁度いい※1
「お金払うからマトリョーシカ買ってきて!2000円位のでいいから」と頼まれたならしょーもないレベルの安物マトリョーシカを買うよりここでマグを買って帰る方が余程気が利いている。と思う。


しかしスタバってのは店内の作りも店員も客層も、世界のどこの店に入っても似たりよったりなのなのが凄いね。良くも悪くも



下から二段目に例のアイテム
MとLの2サイズ展開

そして似たりよったりな客層



______________
※1 日本のロシア物販サイトでも購入できるがここで買う三倍くらいする。送料込みで5000円位。次に行くときには代理購入を受け付けようかしら一個3000円位で

5 件のコメント:

  1. 比較的新しい建築群(街並)なんですかね?様式というか伝統的という事なのか、その流れは建築だけでなく、商業的な意味でも影響が大きいですね。まして、国土も体もでかいロシア人が、原宿のようなハムスターの街のようなものを作る発想にはならないでしょうし、、。日本人といのは良くも悪くも繊細なんだなと思います。
    スターバックスって、ロシアでさえも「スタバ的に人間」に見まうんですか!?それは本当にすごい事で、個人的には近づきたくない場所です。
    そして
    スタバとは関係ないけど・・・SUBWAYが目についてしょうがない今日このごろ^^

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    1. 渋谷原宿のように若者に特化して密集した街はかなり特異で外国で見ることはないです。◯◯の渋谷とかいう例えは大体怪しい。
      ロシア人の平均所得は日本よりかなり低くてスタバは日本より高いので可処分所得に余裕のない人はまず行かないですよね。サブウェイはうらめしやです

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    2. ここで言うスタバ的って言うのは小ざっぱりして可処分所得が多くて意識がたかそうなリア充な客層を指します。おそらくS氏がイメージするMacBookいじってドヤ顔で長居する若者、ではありません。あれは日本独特の進化系

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  2. お、盛り上がってきました! モスクワの渋谷(笑) シュカトゥールカって初めて聞きましたが手の込んだ工芸品のようで素晴らしそう、もっとよく見える写真があったら見たかったけれど、、、(^^;)上級そうなマトリョーシカも展開してく絵で見たくなります! ホフロマとはどうゆうものでしたか?
    このスタバのボトルは上級お土産でしたね~パチパチ

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  3. シュカトゥールカは金粉を使わない蒔絵の箱と考えていただければ大体合ってます。絵のテーマは三種類で人物か動物か寺院などの建物か、これが髪の毛のような細い線で描かれています。
    ホフロマは派手な漆器といった感じでお正月に使うのに合いそう。こちらの絵付けは果物がテーマです

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