意識的に一階は白基調で色数を少なくするようにしているが、今回はその一環として階段を白で塗装することとした。清楚でおぼこい雰囲気を漂わす白木の階段をいきなり大胆に塗ってしまうのは流石に躊躇するが、我が家の階段は既に家主によって踏板を久米蔵色で塗られている他、よく見れば傷やら汚れやら7年の月日を伺わせる年季の入ったいわば熟女。お色直しにさほど抵抗はない。
塗るのは踏板でなくそれを支える側桁。これを白く塗ることで一階の白基調を強調するとともに階段自体の存在感を弱めるのが狙い。
階段は基本的にデッドスペースであり、デザイン上のハイライトとなるような凝った造形、またはLWH003のように家の中でシンボリックな位置づけにあるなら別だが、我が家のような何の変哲もない直階段の存在感などないに越したことはない。またその方が部屋もより広く感じられるのではないだろうか。集成材なので木目を塗りつぶしてしまう勿体なさもない。
というわけで12月の週末を使って工事。事前のマスキングと事後のマスク漏れの後始末に意外に手間を取ったものの、塗装作業それ自体は簡単な部類。
色はアトムハウスペイントの水性グレーホワイト。この色につや消し色の設定はないので、仕上げにつや消しのニスを塗っててかりを抑える。
現在の我が家の巾木や窓枠に使用されている色はミルキーホワイト(画像右側に少し見えている色)。追加塗りは既存の色に合わせるのが原則なので一度目の塗りには同じミルキーホワイトを用いてみたものの、ホワイトの中でも自己主張が強いこの色は漆喰の白壁に溶け込まず浮き上がってしまう。漆喰のホワイトは鉱物である消石灰の色なので元々無機的でクールなホワイトであり、黄色みの強い有機的なホワイトであるミルキーホワイトとの相性は決して良くはない。やってみて初めてわかるこの誤算。
またこのミルキーホワイトは踏み板の濃茶と組み合わせるとややカントリーな雰囲気が出てしまうことが分かった。別にカントリー調は目指してないのでこれも誤算。巾木や窓枠といった小面積に塗られる限りではそれほど目立たなかったミルキーホワイトの違和感が、階段の側桁のような大面積に塗られて一気に前面に出てきてしまった格好だ。
考えた末に二度塗り目は思い切ってグレーホワイトに変えてみたところ、これが大正解。クールで陰のあるこのホワイトは漆喰の白と馴染みがよく、踏板の濃茶とも実によく合う。
気を良くして階段横の窓枠もグレーホワイトにしてみたが、やはりミルキーホワイトの窓枠より背後の漆喰によく馴染む。明るい色の床に合わせるならミルキーホワイトが合うかもしれないが、濃色の床や漆喰に合わせるなら断然グレーホワイトだ。
出来れば現在ミルキーホワイトで塗られている巾木や窓枠をすべてグレーホワイトで再塗装したいところだが、面倒くさいので多分やらない。
工事が終わってみれば一応は目論見通り、白く塗られた側桁は白い壁に溶け込むことで存在感が後退し、上り下りする度に足元が何となく広くなったようにも感じられる。
素人仕事のクオリティはご愛敬で近寄ってみれば粗は目立つものの、遠目や暗がりなら…まあいいかこれで。
2016年の家づくりはこれにて終了。2017年も計画だけはいろいろと。
ホワイトはバリエーションたくさんですものね、迷ってしまいます。大正解の白に巡り会えて良かったですね(^_^)
返信削除自分の家だと、いろいろDIYが楽しめていいなあ。階段のビフォーを見たいですが、S氏さんのページに紹介されてたかしら??
そして初めて聞いた言葉「おぼこい」、なんとなく分かる気がするのも不思議。