4.20.2016

こんな地震を想定して作られた建物など一つもない

昭和56年施行の新耐震基準で想定する「数百年に一度の地震波」とは実のところ震度6弱未満であって、現基準は理論上その程度の揺れで一発倒壊しない強度を担保するのに過ぎない。今回の熊本のように震度6.5の前震を受ければいかな新築住宅でも倒壊して不思議はないし、本震の震度7に至っては何をかいわんや。しかもそれが立て続けに襲ってきて、さらに震度5レベルの余震が数百回も繰り返し繰り返し発生するのであればおよそどんな建築物も耐えられるものではないだろう。

揺れに対抗する耐震や制震では、想定を上回る地震波に対しては無力。
では揺れに対抗せず受け流す免震ならどうか。
免震建築は主に基礎と建物の間に緩衝材を挟む事で横揺れを逃がす構造にしたもので、大型集合住宅向けだけではなく一般住宅用の装置もそれなりにある。基礎と建物の間にダンパーを挟むもの、ゴムやコロを挟むもの、変わり種では圧搾空気で建物全体を宙に浮かせるものなど多様な種類があるが、揺れを抑えるのではなく減衰する免震構造であればどんなに大きな地震でもそれなりの効果は期待できる。しかし設置には周辺スペースが余分に必要だったり定期的なメンテが必要だったり、何より安からざる初期コストが重くのしかかる事がなかなか普及しない理由だろう。
我が家も例にもれず免震基礎は採用していないのだが、竣工してから発生した二度の大震災の惨状を見るにつけ、たとえローンが一年や二年延びても免震基礎を採用しておくべきだったなと反省することしきり。初期費用がどれだけかかったとしても全壊だの半壊だのに較べれば全然安いものだ…まして命もかかっているのであれば。

あのレベルの地震が首都直下で起こったらさすがにLWH002も諦めるほかはないとして、たまたま東京で生活していたせいで幸運にも今回の難を逃れたに過ぎない身であることを考えるにつけ、別に縁がある土地でなくとも寄付の一つくらいしておかないとどうにも寝覚めが悪い。今月は目の玉が飛び出るほどの車の修理代を支払ったばかりなのだが、これはもう断腸の思いでクリック。
しかし人の弱みに付け込んで善意を食い物にする連中にはAGAとEDとOABが併発して、頭ハゲ散らかしながら不能と頻尿と尿漏れに死ぬまで悩まされる人生を送ればいいなと切に願う。※1


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※1 極楽も地獄もその存在を信じていないので『地獄に落ちろ』みたいな抽象的な呪詛の言葉は吐かない。

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