1.10.2016

優しく温かく決して腐らず、湿っぽくなく爽やかで、だけど打たれ弱くてすぐに凹む奴

それは桐。

床材として用いる桐は畳に次ぐと言っても過言でないくらい人に優しい素材。柔らかさと温かさにおいては杉も遠く及ばず、真冬ですら素足に冷やっとした感触が伝わる事は皆無。また寸法が安定していて狂いが出ず、吸湿性と防水性に優れ虫を寄せ付けないという特長は昔から好んで用いられてきた家具のみならず床材として用いる際にも優れた長所となる。
しかし柔らかさは弱さでもあり、床に用いた桐板のやわさ加減と言ったらそれこそ杉どころではない。最近になるまで箪笥には用いられても床に使われる事がなかったのは希少性ゆえの高価格もさることながら、柔らかすぎて床材には不適であると判断されたのが第一の理由ではないだろうか。

要するに、正月に帰省した際に実家の桐の床に20㎝程度の高さから樹脂ケース付きのiPhoneを落としたらそれだけで陥没して驚愕したという話。

証拠写真

樹脂ケースの柔らかくて丸い角が軽く当たった程度でこうなるのだから、幼児や犬猫がいる家族には到底お勧めできない。冷え性で足腰の弱った孫のいない老夫婦、これなら最適だろう。

しかしエントリタイトルに上げた桐の特徴、人間に当て嵌めれば生真面目な頑張り屋さんといった人物像が浮かび上がる。なので「桐のような人」と言われたら概ね褒められていると受け取ってよし。「桐谷さんのような人」と言われたら美玲か広人かどちらかを確かめてから喜ぶなり怒るなりしましょうね。

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