かの国の発音で紐解くと、ドイツ語のようにWはV音になるのでWroは「ヴロ」、母音を伴わないcは「ツ」、その次はlでなくてł、Lに斜線が重なると発音がWに変化するのでłaで「ワ」、語末のwはVが無声子音化して「フ」。
書き文字と発音のギャップに初めは戸惑うがルールを覚えればクイズのようなもので、各国でカスタマイズされたアルファベットを学ぶのもこれまた面白い。
そのヴロロツワフはドイツ東部のベルリンとポーランド南部のクラクフの間を結ぶ直線の丁度中間ほどに位置し、両都市からはそれぞれ特急で五時間程度。ポーランドの中では屈指の大都市だが観光人気はいまいち、しかもシーズンオフ真っ最中とくれば観光客らしい姿もあまり見かけない。中国人を除き。
(どこにいっても中国人の観光客は見かける。かつてはこれが日本人だったものだが、今や観光業界にとっても最も太い客は中国人。チャイナマネーは偉大なり。そりゃあ天下のバーバリーも商品タグの記載に日本語じゃなくて中国語を選ぶよな)
ベルリン発クラクフ行の特急で途中下車 |
ヴロツワフ駅窓口 |
言語事情。欧州は一般に北に行くほど英語が通じやすく、南や東に行くほど通じにくくなる。ベルリーナーはほぼネイティブレベルで英語を話すので拙い中学英語でもコミュニケーションを取るのに問題はなかったが、この国で英語は若者にはほぼ通じるものの中年以降にはかなり怪しく、年寄りには明らかにあまり通じない。
年寄りに話が通じなくても別にいいか。と思いきや、駅窓口に配置されているのがことごとくババア 年配の女性であるのが大いに問題で、旅行者が最も正確にコミュニケーションを取らなければいけない相手が英語をほぼ解しない※1という訳の分からない人員配置がこの国の全土に展開されている。観光立国を目指すのであれば、ポーランド鉄道は今すぐ窓口のババアども 老婦人たちを英会話スクールに通わせるべし。
共産主義時代に建てられたいい味のビル |
旧市街広場に面して建つのは13世紀に建てられたという典型的なゴシック様式の市庁舎、完成後改修と増築を繰り返して現在の姿に。ゴテゴテの装飾はカブトムシの脚のよう
第二次大戦における最大の激戦である独ソ戦の主な舞台はポーランド。多くの街は廃墟と化し、歴史的建造物もことごとく失われた。現在我々が目にする事が出来る旧市街の街並みは、戦後この国が膨大なコストと人員を投入して復元したもの。歴史的建築物で再建も補修もされていないものはほぼないといっていい。
昔から大都市であったここヴロツワフでも例に漏れず大規模な戦闘が繰り広げられ、旧市街地の殆どは灰燼に帰した。修復跡は市庁舎にも生々しく残っている
いい感じにボロい共産主義時代のアパート |
通りすがりの地元JKにクスクス笑われながらあーでもないこーでもないと三脚を構えた甲斐あって、この旅のベストショット撮影に成功。これを撮れただけでこの街に来た甲斐があったというもの
16世紀に建てられた歴史ある尖塔も |
実は1991年に再建されたもの |
…うーん書いててムズムズするぞ。日本にもよくあるよなこういうの。どこの国でも
朝靄のヴロツワフ駅 次の目的地はクラクフ |
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※1 窓口で英語が通じないのは日本も同レベル、しかし何とか相手の言う事を理解しようと最大限努力する日本人と違い、その他の国では言葉が通じない相手に対してはあっさりとコミュニケーションを諦めてしまうのが通常。日本人のサービス精神は本当に素晴らしいと実感するのはこういう時。
思ったんですが、中世の建築やアールヌーボーとか、、それはそれでいいけれど、近代の建築やプロダクトデザインが実に感情を動かされるんだな~と。。
返信削除上空一万メートルから見下ろす風景は怖くないけどビルの十階から真下を見下ろすと怖くて堪らないというのと同じですかね。リアリティの有無
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