10.27.2011

今月号のpenの特集が面白い

自分の家が出来た後も、家の特集などを掲載している雑誌があるとつい手に取ってしまう。
いや家って面白いわ。


今月号のpenの特集は見ごたえあり。
「中古マンションのリノベ」に「中古一軒家リフォーム」、「古家再生」に「コンバージョン住宅」などこの手の特集における定番はきっちり抑えてあるが、どれも非常に好ましい物件ばかり。
だが表紙にもなった「温室ハウス(勝手に命名)」とドリームハウスにも出演した「日干しレンガの家」の二つの新築事例の強烈さの前にはその印象も霞んでしまう。

全面土間どころか殆ど土の上に暮らしているかのような「温室ハウス」は屋内と屋外の境界すら曖昧な文字通りのオープンハウスだが、壁の存在を感じさせないほど大きく面積が取られた窓には目隠し一つなく、恐らくプライバシーはゼロ。全面ガラスの屋根の下では真夏など耐え難い暑さだろうし、これだけ巨大なガラス面を表紙のように綺麗に保つ為に相当なメンテナンスコストが掛かるだろう事も想像に難くない。
これに住める施主の腹の括り方は半端でないなーと思ったら設計者自身の家と知って納得。
しかしそれら諸々のネガを吹き飛ばすほどの開放感は凄いの一語、毎日がキャンプだホイ状態で楽しそうだ。すごいよマサルさん。お見事。

「日干しレンガの家」は、延床面積はLWHに匹敵するほどの小さな平屋。
家の設計者は大学と共同して「現代の建築材としての日干しレンガ」の研究を長年続けていたというから学究肌が強いのだろう、施主を口説き落として「国内初の日干しレンガの家」を実現したというエピソードなんか正に研究者※1
「他のどこにもない斬新な家」を強く望んでいた施主の好みとも結局は合致し、結果オーライ大成功。


これぞ世間のイメージする「建築家の作品」というやつではないだろうか。
否定するつもりは毛頭ない。こういう斬新な提案をする設計者とそれに乗る施主が出てこないと住宅の進化発展はないのだろうから。

こういうのも好きです。でも見てるだけでお腹一杯(笑)


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※1 もしくはアーティスト。研究者とアーティストは良くも悪くもエゴイスティックなところが似ているね

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