タイヤが潰れたら空気を入れる程度で後は乗りっぱなしの放りっぱなし、で5年も経過して真っ赤に錆び付いたら廃棄してまた新しいのをホムセンから買ってくる…というのがこの国における基本的なママチャリの扱いだからして、サイメンの新製品「ママチャリメンテのDVD」の発売については正直首を捻るところがある。
コンセプトは面白い。ただDVDを購入してまで己の手で整備しようという意欲のある人が果たしてママチャリを愛車にしているだろうかという根本的な疑念が。逆にロードバイクやMTBを既に持っていてママチャリを下駄代わりにしている人ならば、これを買うまでもなく基本的なメンテは既に知っているだろうし…うーんやはりマーケティングを間違えているような気が。
「ママチャリは安かろう悪かろうで使い捨てるもの」という巷間の風潮とそれに乗じた粗製濫造中華ママチャリの蔓延は如何なものかと思う一人としては、これが受ける世の中になって欲しいとは思う。多分ならないだろうけど。
ここんとこのDVDシリーズでは「日常メンテのABC」と「ロードバイク完全組立」が手元にあるのだが、自分の如きド素人にもわかり易い内容は非常に好ましい。今作もわかりやすさの面では期待できる。と思う。これで整備整調の楽しさに目覚めるオカーサンがいたら面白いなと。
閑話休題。
納車後ほどなくして換装したせいもあって、三代目通勤快速号のコンポーネントは割といい値段でオークションで売却する事が出来た。
納車時に値引き代わりに交付されたクーポン券とこの売却益を合算して差し引きすると、工賃を含めても1万円台半ばでコンポ一式を上位互換出来たことになる。
すごく…安いです…
少しパーツを変えただけであっさりと何十枚の福澤翁が飛んでいく四輪に比べれば、自転車のカスタマイズの費用対効果は圧倒的に高い※1。しかも最早素人が手出しする余地など皆無である自動車と違って、格段にシンプルな自転車であればそれなりに機械弄りも楽しめる。
これが面白くない訳がない。皆あれこれ弄る筈だ※2。
しかしコストを掛けたら掛けたなりの効果が(ある程度は)見込める自動車やバイクとは違い、自転車のエンジンはあくまで乗り手自身。競技者ならともかく、素人があれこれパーツを換えてみたところで肝心のエンジンがそのままでは大して速くなる訳もなく…要するに自転車のカスタマイズはほとんど見た目と自己満足が全て、それはそれで楽しみ方として全然ありなのだが。
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※1 これを自動車に置き換えて、例えばスポーツカーの全輪のブレーキディスクとパッドとキャリパー、及びトランスミッション一式をそれなりのグレードの物に換装したとしたら…どう見積もっても100万円は下らない。しかし掛けようと思えば青天井にコストはかかるのは自転車の世界でも変わらず、ホイール一本20万円とかザラにあるのが怖い。
※2 街行くロードバイクを観察してみると、吊るしで乗っている人は殆どいない。皆大なり小なり手を入れて自分流のカスタマイズを楽しんでいるのが分かる。
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