11.23.2017

ウッドデッキ塗油2017秋

半年に一度のウッドデッキの塗油。
毎週の雑巾がけに年二回のオイル塗り、雨ざらしのまま靴でガツガツ歩く重歩行に使われるイペ材をここまでまめに手入れしているデッキもなかなかないだろうが、手を入れれば入れただけ表情が変わるのが木材のいいところ。
堅く腐らず頑丈が取り柄だが表情がなくつまらないと思われていたイペも、油を塗りこまれ雨に打たれ太陽に晒されを何回も繰り返す内に微妙な木目が浮かび上がりこれはこれで独特の風情を醸し出してくる。単調に見えてもやはり木は木、人工木材や樹脂とは全く違う。

塗油作業前
塗油直後
一週間後

我が国の住宅でも偶に靴を履いて暮らす前提で作られている家があるが、そのような家で一般的に床に貼られるタイルの代わりにこのイペ材を敷き詰めるのも面白いかもしれない。タイルは重いのでタイル張りの家はほぼ鉄骨造かRC造になるのだが、これなら木造でもいける。リビングから外のウッドデッキまで段差なく、一続きで同じ木を張り込むという芸当もこの木材なら可能。ブラックジャックのように海を臨む崖の上にでも家を建てるならぜひやってみたい。

11.18.2017

グリーンカーテン

こうして見ると緑のトンネル。右側に丸裸の欅

元気が良すぎる我が家の裏番モチノキ、今年何度目かの枝打ち。
年に一度この時期に丸裸にされてしまうのが恒例となった坂下の欅に代わり我が家のグリーン担当として存在感を増す一方のモチノキの大木。次々に生えてくる新枝が我が家の壁を叩くようになったら枝落としの合図、家側に向いている枝をひとしきり落とせば少しだけすっきりする。
それでも大きな窓から見える風景の半分は常にこの枝に隠されている状態。我が家を訪れた人の評価も「これは邪魔だ」「いやこれがいい」と二つに分かれるのだが、自分としては後者よりの評価。坂下の欅のように業者でも雇って※1徹底的に枝を落とせば確かに相当見晴らしはよくなるだろうが、駐車場や向かいのビルやその向こうの大通りといった味気ない眺めがよく見えるようになることが特に好ましい訳でもない。であれば適度に人目と西日と殺風景を遮ってくれる天然のカーテンとしてそのままにしておく方がいい。
まあ風が吹けば葉擦れの音が聞こえる生活も悪くはないよ

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※1高所の作業でクレーンも入れず足場も組めない場所であれば、このモチノキの枝落とし作業は困難を極めるだろう。数十万円という作業費を請求されるだろうし、そもそも引き受けてくれるかも怪しい

11.17.2017

おろしや国一週間(12)サンクトペテルブルクその1:下町の安宿



ペトロザボーツク18時発ーサンクトペテルブルク22時55分着のロシア国鉄のEチケット

ペトロザボーツクを消化不良のまま後にして到着したサンクトペテルブルクには帰りの飛行機が発つまでの三日を滞在し、じっくり腰を落ち着けてみて回ることにする。

前日の夜にいつものごとくBooking.comで宿を検索したが…予算1万円で見つかるのはペンションかアパートホテルくらいしかない。観光地だけあってホテルの相場も随分高いのか。予算増額するのも癪なので出来るだけ都心部の地下鉄駅に近いところの安ホテルを予約。それでも一泊5,040ルーブル、約9,262円と。うーむ高い。

到着は深夜だから一泊分は捨て賃のようなもの。それにしても高い

ペトロザボーツクからの特急は市内郊外のラドジスキー駅に到着。直結の地下鉄、オレンジの4番線ラドーズスカヤ駅に乗り換えておよそ15分、都心部のドストエフスカヤ駅で下車。

サンクトペテルブルク市地下鉄はモスクワよりシンプルで分かりやすい。右側の赤丸に到着
Google先生に導かれるまま歩く

駅を出て歩くこと3分で辿り着いたホテルBestCornerは香港の重慶大厦のように一つのビルに複数のホテルが入居しているタイプ。表から呼び鈴を鳴らして解錠してもらい、重い扉を開くと薄暗い中に佇む古めかしいエレベーターの扉を開いて乗り込み、ゴットンゴットンと3階まで上がる。

因縁のサブウェイを越えるとすぐ宿の入り口が見えてくる

たばこ屋とレストランに挟まれた入口

同じ建物内にBest CornerとSweet Dreamsの二件のホテル

これで5,040ルーブルってひでえなぼったくりかよとブツブツ言いながら受付の扉を開くと、カウンターの向こうに座っているのは愛想のいい婆さん。
いつも通り挨拶だけはロシア語でそれ以降は英語でコミュニケーションを図るも、婆さんの口を突いて出るのは全てロシア語。完璧にロシア語。
ロシア人にしては珍しく愛嬌たっぷりに何やら一所懸命に案内してくれるのだが英語はただの一語も理解しないらしく、こちらが一語話すと十語くらい返してくるのも100%ロシア語。仕草と状況で何とか理解を試みるも、やってることはほぼジェスチャーゲーム。

「ベラベラベラベラ」
「あーここが食堂?パニャートナ(分かりました)」
「ベラベラベラベラ」
「なるほど、トースターはこうやって使うって?ダーダー」
「ベラベラベラベラ(といいながらメモ用紙に時刻を書く)」
「あー朝食は6時から8時までって?ダーダー、パニャートナ」
「ベラベラベラベラベラベラベラベラベラ」
「…え?え?」

あまりに言葉が通じないので互いに吹き出しつつ何とか意思を疎通し、先払いの会計を済ませた時にようやく重大な勘違いに気がつく。
5,040ルーブルは一泊の値段じゃなくて四泊の値段だ。つまり一泊あたりは2,300円程度。
あーそりゃーそうかー一泊2,300円なら激安だーそれはこのクラスだよねーあははははははー

勘違いしてすまんサンクトペテルブルク君、君は実にリーズナブルだよ。
しかしシーズンオフとはいえ一泊2,300円の宿として改めて見直してみれば悪くない。
セルフとはいえ朝食がつき、ダブルベッドの部屋は広く清潔でちゃんと熱い湯がでるシャワーがついている。
パリなら一泊一万円でもこの半分程度の部屋しか借りられないことを思えば、建物がボロいことを除けば何の問題もない。二人で泊まれば一人1,200円でマンガ喫茶並の激安と思うとパッカー上がりの血が騒ぐ。
いい年こいてあまり安い宿に泊まるのは色んな面であまりお勧めできないが、たまにはこういうのもいいだろう。婆さんも親切だし

ミニマルで清潔な客室。もう全然OK牧場