8.02.2015

東北GT(1)恐山

所有している車にはエアコンがついていない(つけられない)上にシート真後ろにラジエーターがある為、真夏のドライブは室温が40度近くまで達してしまう。車自体はオーバーヒートとは無縁だがドライバーがオーバーヒートになってしまい大変危険で、必然的に夏季は完全にオフとなるのが恒例。
であったのだが、何をとち狂ったのか早めに取得した夏休み期間を利用して東北グランドツーリングを企画する暴挙に及ぶ。この機会に一度行ってみたかった東北の名所を車で廻ろうと思い立ったのだが、五日間で2000kmにも達した旅路はドライバーにも車にも大変過酷なものとなったのであった。結論から言えばやるもんじゃない。無謀すぎる


まずは恐山へ。ここを通常の週末で訪れるのはまず無理。
なぜならもう滅茶苦茶遠いから!滅茶苦茶遠いから!大事なことなので二回言いました。

年に一度の大祭、参加者が三途の川を渡っていく
各所にある風車は輪廻を象徴するアイテム、門前の売店で400円で買える


日本三大霊山の一つに数えられる恐山だが、恐山という山は存在せず、周辺の山あいに囲まれた一帯をそう称している。あちこちから吹き出している硫黄ガスが強烈な臭気を放ち、鉄柵や鉄灯篭はボロボロに腐食している。
荒涼とした風景は硫化されて骨のように真っ白な岩石で埋め尽くされ、無間地獄や賽の河原などおどろおどろしいネーミングの看板が各所に立っているのだが、しかしただの淀んだ池を血の池地獄と名付けたのはちょっと無理があるんでないかい。盛り過ぎ


開山した円仁が座禅を組んだという岩。よりによってこんな斜めの岩に座るこたないでしょ

その地獄ゾーンを抜けると眼前には真っ青なカルデラ湖が広がる。その名も極楽浜。
非常に透明度が高いのは酸性度が極度に高いせいだが、それまでの彩度の低い殺伐とした風景とのコントラストは見事なもので、昔の人がここを地獄と極楽になぞらえたのも頷ける。




恐山は曹洞宗円通寺の所轄であって、有名なイタコはその軒先を借りて商売しているようなもの。この日も暑い中出張イタコのテントが並んでいたが、イタコの口寄せというのは一方的に話すのを聞くだけで会話は出来ないらしいと聞いたので寄るのはやめておく。それはそうだろう、会話などしたらボロが出るに決まってるし


恐山は地元では古くから崇敬の対象となっていると聞くが、昔の庶民にとっても恐山巡礼は富士講と同じく一大娯楽イベントであったのではないか。山あり谷あり湖あり地獄あり極楽ありでアトラクションとしても一級。行ってみれば分かるが普通の観光地で恐ろしいことなど一切なく、それよりマムシ注意の看板の方が余程怖い。まあ一度は行く価値あり。遠いけど。


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