2014年6月29日日曜日

最小の子供部屋

(注)無断転載

かつてマニ夫人が看破したように、子供は遠からず独り立ちするもの。子供部屋として細かく仕切った間取りは、子供がいなくなればただの使いづらい間取りに変わってしまう。家の寿命は子供が出て行ってからの方がずっと長い※1のだから、子供を第一に考えた家作りというのも何だか勿体無いような気がする。
そして子供が自分の部屋を欲しがるのは、広さが欲しいからではない。成長して自意識が発達した彼らは自分のプライバシーが欲しいのだ。特に男子は(理由は胸に手を当てて考えるなり旦那に聞いてみるなりするとよろしいね)

そう考えれば、見た目はジョークグッズのようでもこれは「小さな家の期間限定の子供部屋」として有効ではないか。
思春期から家を出て行くまでの数年間は子供にこの部屋を与え、子供が巣立って不要になったら解体する。リフォームより遥かに手軽で安上がり。
子供にとってはプライバシーは確保され勉強には集中できるが窮屈な空間には違いなく、パラサイトなんとかとは無縁な独立心旺盛な子に育つだろうし、まして引き篭もりになどなりようもない。
これはなかなか悪くないね

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※1 会計上は木造住宅の価値は22年でゼロになるが、欠陥住宅でもない限り20年程度で住めなくなる家なんか今時存在しない。手入れしながら使えばその倍は軽く持つ。ていうか持ってくれなければ困る


2014年6月28日土曜日

マニハウス見学会大遅刻の裏事情

マニハウス再訪から遡ること十時間。東京湾上を西へ



夏場に弱い車が二台、気温が十分に下がった土曜の深夜に出立して、オフシーズン前の最後のドライブへ※1

特に目的地があるわけではないがとりあえずアクアラインを渡って、24時間スパで風呂でも入って仮眠して早朝に帰ってこよかーと見当をつける。
アクアライン終点の木更津から最寄の24時間スパを探し、グーグル先生に教えられるがままに
安房郡は鋸南町、黒々とした夜の漁港を眼前に望む「ばんやの湯」に到着。
到着。

到着。


節子これスパやない。ザ・銭湯


24時間営業の看板に偽りはないものの、昭和の香り漂う銭湯にスパのような休憩施設などあるわけもなく、休憩場所といえば番台の横に一台きりのベンチのみ。まさかここで横になるわけにもいかず、仕方ないので風呂から上がったら即お開きで、あとは各自西へ向かってとんぼ帰り※2
しらじらと夜が明けはじめたアクアラインを渡って自宅に帰りつく頃には完全に朝。朝日の中で見る車の汚れが何だかすごく気になって洗車を始めてしまい、車内清掃まで含めたフルコース洗車が終わる頃にはモーニングサービスの時間も終わっている。
半ば朦朧としながらベッドに倒れこみ、目が醒めたらマニハウス見学会開始の時間はとうに過ぎていて…


以上!現場からでした!(逆切れ)


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※1 車好き同士のドライブは各自が自車のハンドルを握るのが通例。二人なら二台、三人なら三台、五人なら五台。ツーリングみたいなもんですな
※2 後で聞いたところによると、この「ばんやの湯」併設の食堂で食べられる朝ごはんがとても美味しいとの事。惜しい事をした

2014年6月22日日曜日

三たびマニハウス

日曜に催されたS氏発案のマニハウス見学会、「良かったら来て下さい」というお言葉に甘えて久々のマニハウス訪問。基本野次馬なもんで


築三年を経過したマニハウスの見学会は盛況で、遅参した自分が到着した時点で二組六名が見学中。その後さらに二組三名が加わって、S氏と家主のマニ一家を合わせて十五名もの人が小さな家に集まった(うち子供四名)。
思った通りというか当然というか、見学の方の多くはマニ一家と同じく小さな子供がいるご夫婦という家族構成。家の購入を考える方の大多数を占めるこういった層にはやはりにこの家は刺さるようで、家主マニさんによればTVから取材の申し込みもあったとの事なんということでしょう!いやそれじゃない

子供達がすぐに打ち解けて一階できゃあきゃあ騒いで遊びまわる間に大人は二階のリビングに集まり、興味津々でマニご夫妻の話を伺う。

「これ片付けましょうか」「そうしましょうか」
はいはいどんどんしまっちゃおうねガッシャガッシャ(しまっちゃうおじさん好きだった)

小さな家でも一家四人の暮らしがちゃんと成立している事に加え、モノ少なくシンプルに生活されている事には皆こぞって感銘を受けた様子(自分も含め)。ご夫婦の持ち物全てが一軒の収納に納まってしまうのはすごい。そして何よりすごいのがそのようなライフスタイルをごく自然に身につけていて悲壮感を微塵も漂わせていないところ。
「子供達が大きくなって自分の部屋とか欲しくなったらどうするんですか」
という問いに対し、
「いやあそうしたら下の部屋と…今使ってる上のロフトも明け渡す事になるかなあ。いや私はどこでも寝られるから。ここなんかでもこう」
とご主人のマニ氏がロングベンチの下に寝そべって実演してみせたのはリアクションに困ったが、大人達のこの我執のなさがマニハウスの生活を成立させている。わしのスペースは絶対に譲れんという我の強い父親であったらそうはいかないだろう。

家は人なり、を表すのが使い込まれた杉の床。内側からにじみ出た艶がいい感じで(我が家の床にはない独特の艶)、ボコボコでも少しも嫌な感じがない。走り回る子供が目の前でばったり転んで、瞬間「あっ泣かれる」と思ったものの何事もなかったかのように起き上がってまた走り出したのは柔らかい杉板の面目躍如。やっぱりこの家の床は杉だね

灰色に色褪せてくるともっといい感じになると思う





2014年6月8日日曜日

結局のところ土地の私有化は認められていないのかもしれない

こいつのせいで今月も大赤字
と、今年も届いた固定資産税納付通知書を見つめながら思う。
毎年少なからざる税金を収めなければ所有が認められない、それって果たして私有物と言えるのかと。リースと同じではないのかと。
実際、こうして比べてみると借地も所有地もその内容には殆ど変わりがない。

毎月の地代を地主に納めて土地を使用する借地。
借地権は売買出来るし担保にも出来る。相続も出来る。
しかし地代が払えなくなれば地主に取り上げられる。
地代はかかるが固定資産税はかからない。
買うのも売るのも安い。

毎年の固定資産税を市区町村に納めて土地を使用する所有地。
所有権は売買出来るし担保にも出来る。相続も出来る。
しかし税金が払えなくなれば市区町村に取り上げられる。
固定資産税はかかるが地代はかからない。
買うのも売るのも高い。

唯一の違いが借地は返還期限が決まっているという事。しかし旧法借地権が適用されている借地においてはその期限はないも同然で、本当に税金を払うか地代を払うかの違いでしかない。
要するに、所有地もその実は「市区町村(ひいては国)という地主に固定資産税という名の地代を毎年払って使用する借地」であるのに過ぎない。
逆に考えれば、特に自分のような相続すべき者もいない身が永住目的で取得するにあたっては借地のデメリットは殆どない。寧ろ安くつく分いい事だらけ※1
土地を検索する時当たり前のように絞り込み条件「所有権」にチェックを入れていたものだが、それを外していれば…今頃違った場所で違った生活を送っていたかもしれない。


それはそうとこれ、コンビニで払い込めるのは便利でいいんだけど、もう少し納税手段を柔軟に考えてくれないかな。楽天ポイントやTポイントを使えるようにするとか、ていうか夫役を復活させて選択可能としてくれれば、横断歩道で黄色い旗振るおじさんを毎朝一時間やれば時給換算して軽減してくれるとかすればそっちを選ぶんだけど。割とマジで

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※1 そういった花より団子派というか名より実を取る消費者に向けた都心部の借地権つき新築マンションも、最近はちらほらと出てきている。港区の新築マンションなんか普通のサラリーマンにはまず手が届かないが、借地権付きなら十分選択肢に入るという。しかし世帯平均年収が一千万円を超えてる港区って何なんだ一体

2014年6月5日木曜日

中古オープンハウスをやる意味

猛暑の日曜日の昼下がりにS氏とsatosatoのTさんご一家を迎えた我が家。準備不足で大したおもてなしも出来ず恐縮しきりだが、それも気にせず寛いでいただいた(かな?)のに救われる。
袖触れ合うも何かの縁とは言いつつ、袖触れ合うだけで分かる嫌な奴ってのも世の中には結構いる。しかしこれまでお会いしたS氏の施主はみな飾らない人柄のいい人ばかりで、Tさんご一家もその例に漏れず気さくで気持ちのいい方々であった。どこから探してくるのだろうと思えるほどいい人ばかり顧客になるというのもこれは地味にすごい事で、これはS氏自慢していいかもしれない。まあ例外がここにいるけど。

陽が西に傾く頃にTさんご一家が辞去されると、残ったS氏と新しいビールを次々と開けて煮詰まったおやじ二人の煮え煮えトークがぐだぐだと続く。

「いやー応募がゼロとは思ってなかったなあ結構ブログ見られてるし誰か応募してくれるものとばっかりいや何が良くなかったのかなあ僕は普通だと思ってたけど一般的には普通じゃなかったのかなあこの家にえにえにえにえにえ
「そうですねちょっとこの家はアブノーマルかもしれないでも安心してよくってよ世の中に結構変態っているからにえにえにえにえ
「押し付けられた家を当たり前と思わずにもっと自由に考えようって散々言っていた筈なのに結局それが押し付けになっていたのかもしれない気がしてにえにえにえにえにえ
「いや家を作る立場なんですからこうあるべきって自分の考えを押し出して共感する人がお客になるわけなんでそれが悪いとは思わないって言うか寧ろ主張すべきじゃないですかにえにえにえにえところでどうですかLWHのプラン販売の方は」
「いやそれがねえーーにえにえにえにえにえ

考えてみれば、ピカピカの新築状態であればともかく、生活を始めて数年経つ家を見せて施主に会わせて話を聞かせようというのは、作り手としても結構リスクの高い話。
住んで何年か経てば家は汚れ、傷つき、痛み、不具合の一つ二つ出ていてもおかしくない。
要するに見栄えは劣る。
また完成時はすっかり気分が揚がってアリガトーアリガトーハラショーダンケシェーン連呼状態だった施主も何年か生活する内にすっかり落ち着いて、今や中古となった家について冷静に不満の一つ二つ三つ四つくらい抱えていても何ら不思議はない。下手をすれば逆宣伝になりかねない。
長く生活を送る場として家を考えれば確かに新築オープンハウスより中古オープンハウスの方がよりリアルに参考になるには違いないだろうが、商売の事を考えればやらない方が無難。染み一つない新築ピカピカの家とハッピー全開の施主だけを見せた方がいいに決まっている。
しかしS氏が敢えてそれをやった意味。

過去の作例を見て決めるのもいいが、見学したその家は結局自分の家ではない。畢竟、家を作るのは人につきる、であれば本当に見るべきはその人となり。ビジネスとして決して上策ではないリスクを承知で「中古となった家を見て住人に会って直に話を聞いて下さい」と声を上げる意気、そして反響が芳しくない事に真剣に悩む愚直さ。これらに思うところがあれば、思うままに行動に移してみても多分後悔はしないと思う。少なくとも自分は選択を間違えたとは思っていない。アブノーマルなお前の意見など参考になるかと言う御仁は次回開催マニハウスに足を運び、こちらはぐっとノーマルな(そして施主としてのメインストリームをいく)明るい四人家族の暮らしを見て聞いて判断すればいいんじゃないかと。