8.27.2013

「高級なもの」でなくて「いいもの」が欲しい

「いいもの」は手にするだけで快いと前回書いたが、どこで分かるのかと聞かれると言葉で表すのはなかなか難しい。手にした感じ、見た感じ、佇まい。諸々の修辞を超えて直感的に「いいもの」が分かる人間のセンサはなかなか侮れないところがある。

触れれば理屈抜きに「いいもの」と感じるものに「木の床」がある。
「いいもの」イコール「高価なもの」「高級なもの」とは限らなくて、床材で言えば床暖仕込みの出来のいい合板フローリングは無垢材より高価かつ見た目も高級感に溢れていたりするのだが、高い安いの問題ではなく木の床は「いいもの」。触れれば分かるその直感が間違っていない事は時間の経過とともに分かる。
床暖房が出来ないとか収縮して隙間が出来るとか手入れが面倒とか節が嫌だとか細かいネガをあげつらえばきりがないが、「いいもの」に直に触れて生活する贅沢な日々に比べれば小さなもの。
繰り返すが、木の床の良さは「触れれば分かる」。そう簡単に取替えの効くパーツでないだけに、触感を重視する人、触感フェチを自負する人なら家を建てる際には必ず触って撫でて出来れば寝転んでみてから床材を選んだ方がいい、と思う。でなければ逆に一生「木の床」には触らないとか。

8.19.2013

4,000km突破そしてシートポスト交換

スペックシートによれば、通勤快速号RNC7の重量は完成車の状態で9.4kg(ペダル含まず)。
カーボンフレーム全盛の今では結構な重量級。同価格帯の吊るしのカーボンロードでもこれより1kgは軽いし、もう少し予算があればさらに1kg軽いロードバイクを組む事も出来る。
これは新旧の素材の差なので如何ともしがたいところ。ほっそりとした流麗なフォルムが欲しくてクロモリ=クロームモリブデン鋼フレームの自転車を求めるのならば、軽量と高剛性は諦めなくてはいけない。自動車の重量が2kg重かろうと軽かろうとそれは誤差の範囲内に過ぎないが、一人力で走る自転車特にロードバイクで2kgの重量差はもう相当な差と言っていい。スポーツカーが300kg重いか軽いかというようなもの。
とはいえレースに出るわけでもない街乗りオンリーバイクで極限の軽さが求められる訳もなく、ツーキニストとしてはカッコ優先で敢えて重いクロモリを選んでも別にどうって事はないのだけれど、通勤路がママチャリ走破不能(電アシ除く)な難コースな事もあってやはり軽いに越したことはない。これまで取っ替え引っ変えしてきたパーツもカッコだけでなく軽量化をも条件に選んできた※1結果、これまでのところ467gの軽量化を果たしている。おお9kgを切ってるぞ。
購入時のまま未だ替えていないパーツはハンドルとステム、サドルにシートポスト。あースプロケットもそうか。まあどれを選んでも似たような重さのステムとスプロケ(金に糸目をつけなければ軽くできるが)はどうでもいいとして、ハンドルとサドルにシートポストの三点は製品によって重量にかなり開きがあるパーツ。重いものはとことん重く、軽いものはやたらに軽いこれらを上手く取り入れれば、総合で1kg減量を達成するのも夢ではない。

前置きはともかく、三代目通勤快速号が22ヶ月目にして走行4,000kmを突破した記念に、今度はシートポストを変えてみたという話。
この地味なパーツにおいてはカッコよさと軽さを両立するアイテムはそれほど多くはないのだが、

Wiggleで買っても大して安くなかった(´・ω・`)

「本業は航空機精密加工部品メーカー」「精密部品メーカーの技術力を発揮した高い加工精度と強度」「製品は7000アルミのCNC削り出し」などの売り文句がいちいち男のヲタ心に刺さるトムソンのシートポストは、カッコ良さと軽さの双方を満たす数少ない一品。

抜き取ったアンカーシートポストとの比較。アンカー300mmに対し240mmのショートタイプ

「マスターピース」シートポストを手に取れば、評判に違わぬ精密な加工が何とも心地いい。
オーバースペックだろうと宝の持ち腐れだろうと人が「いいもの」を求めるのは、手にした時に素人にも感じ取れるこの「いいもの」感の気持ちよさにあるのではなかろうか。「いいもの」は手にするだけで快いのだ。
そして圧巻はその軽さ、デフォでついているアンカーのシートポストも決して重くはないのだが比べると違いは歴然。同じアルミ製シートポストでこうも違うか。


メイドインUSA
何と155gという驚異的な数値、これはカーボンポストの多くをも凌ぐ、正に究極の軽さ。あらやだ、これ一本で133gも軽量化できちゃうじゃないの。
ただやみくもに軽くしたのではなく、必要な強度をきちんと確保した上で実現した軽量だからなおすごい。

元々が重いクロモリバイクを買っといて軽量化を追求するというのも何だか不毛な気がしないでもないが、まいいか。元が何であれ軽いは正義、カッコいいプラス軽いイコール大正義。これスポーツカーと同じ。


シートレールも黒く塗ってみた

とまれ、これで600gの軽量化を達成。
次はサドルかハンドルか?消耗品のサドルがボロくなったタイミングで改めて考えてみようかなー

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※1 タイヤだけは例外的に、前後で60g重いものに交換している。通勤快速にはタフなタイヤが必須だからこれは止むなし。

8.08.2013

木木した三階建てを可能にする木材

家はその構造材が露わになっているのが好ましく、RC造ならRCが、鉄骨造なら鉄骨が、木造なら木材が、下手に化粧されたり隠されたりせずに剥き出しになっている「らしい」家が欲しい。と思っていた。
木造二階建てで建てた我が家はこの希望通り柱も梁も天井も木材があらわしになっている大変木木した家なのだが、これが三階建てならこうはいかなかった。準防火地域に該当するこの地に三階建て以上を建てるならば防火材を用いなくてはいけない、つまり木造であれば木を露出させず、全て石膏ボードで表面を覆わなくてはいけないという規制があるからだ。
よくある三階建て建売住宅の内装がツーバイフォーであろうと在来工法であろうと判で押したように同じような見てくれになってしまう最大の理由は勿論コストだろうが、この規制も恐らくその理由の一つ。木材あらわしなどハナから無理な相談なのだ。
勿論注文住宅であってもその規制は変わらない。磨きこまれた柱が黒光りする渋い温泉宿のような木造三階建ては、少なくとも都内では望むべくもない。なのでもし我が家を三階建てで建てたとしたら、恐らく木造は選ばずに鉄骨あらわしでロフトっぽくしていたかな。鉄骨三階建ての予算などどう考えてもなかったので(更に言えば三階建ての必要もなかったので)、あくまで有り得ないifに過ぎないが。

というのが我が家を建てた2010年時点での常識。しかしその後耐火性能を持つ木材が実用化された事により、今はこれまでの常識を覆す「構造あらわし柱むき出しの木造三階建て」を建てる事が可能となっている。
これはいい。リフォームで使えばやはりこれまでになかったリフォームが出来るし、いずれにせよ選択肢が増えるのはいい事には違いない。いいなあこれから建てる人は。

8.06.2013

Tongue June not hit all be tall

またかっていう。
「近所のスーパーからサバ缶が消えた」「サンマ缶ばかりだ」―――ツイッターで「サバ缶」がスーパーで買えなくなったという報告が相次いでいる。実際に都内のスーパーに問い合わせると売り切れていたり、一人一缶のみという制限がかかっていたりするところもある。
 テレビ番組のダイエット特集で、サバ缶を食すと、やせるホルモンが大量に出る可能性がある、などと説明したのが原因のようで、納豆、バナナに続くパニックに発展しそうな気配もある。
やーーめーーてーーーーー

無類のサバ缶好きとしては迷惑千万、安くてボリュームたっぷりで高蛋白でしかも美味という懐の寂しい独り者の絶好のご馳走を一時の気まぐれで買い占めるのは本当によして欲しい。マルハやキョクヨーが調子に乗って値上げに走ったら一体どうしてくれるんだ。

しかし何だね、「納豆がいい」と煽られれば口から糸引きながら納豆を買いに走り、
「いやところてんが効く」と言われれば体をプルプル震わせながらところてんを買い占め、
「今はバナナダイエットだ」と水を向けられればウホウホ言いながらバナナを買いあさり、
今度はサバ缶か。何なんだねキミタチは。
ていうかねーまーだ分からんのかね。
食べて痩せるわけないでしょが。食べりゃ太るんだよ。

「バランスよくちょっとだけ食べ」「よく運動して基礎代謝を上げる」。
ダイエットなんかこれ以外に何があるって言うの。え。横着すんな横着を。
どーしても、どーしても食べるだけで痩せたいとかムシのいい事を言うなら、仕方ない、おじさんがとっておきの「食べて痩せるサバ缶ダイエット」を伝授して進ぜよう。心して聞くように。

1.サバ缶を開ける
2.常温で三日放置する
3.美味しくいただく

食べて痩せたいならこれしかない。これなら確実に痩せる。まあ痩せるの通り越して骨だけになっちゃうかもしれないけど。


8.05.2013

スイッチオン!

家のスイッチ八つをすべて交換するつもりで購入した八つのトグルスイッチ、場合によっては取り付け時に少しばかり加工が必要。
これは後で判明した事で、最初に出張工事を依頼した電器屋さんはこれが分からなかったが為に作業開始から5分で匙を投げ
「これは出来ません。いや無理っす。絶対無理っす。無理ったら無理っす」
と言い残し、出張費だけを受け取るとさっさと帰っていってしまった。
困ってしまってわんわんわわん。

一般的にネット通販のアフターはあまり期待できないもので、特に海外パーツなんかだとこういう場合に販売者が返金に応じてくれるかも怪しい※1。まあでもこれ国産品だしなあ。やいやい。と一応販売元のR不動産toolboxにメールしてみると、すぐさま製造元に対策を確認して翌日には対策方法を販売ページにアップし、ダメ元で申し出てみた「誰か出来る人紹介してくれません?」にも応えて工事士を手配してくれるという完璧なフォローぶり。返金してくれるかなあ程度に考えていた自分にとっては望外の展開で、一度は諦めかけただけに更に嬉しい。

取り付け当日は二名の工事士さんに加え、toolboxの事例ブログに載せる(らしい)写真を撮る為にtoolboxのHさんと製作者Sさんもお礼参りにいらっしゃった。
黙々と作業する二人、写真を撮りまくる二人、そわそわと挙動不審な家主、の合計五名が小さな家の中を動き回る事二時間※2、漸く全てのスイッチの交換が完了。やった。

ブレードランナーぽい感じ。質感最高、操作たのしーい

さてこのゾルボンヌ印のトグルスイッチ、交換完了までにかかったコストは総額七万円台弱。

最初の電器屋さんの出張費を含めてね。
ほとんど作業せずに受け取った出張費を含めてね。
領収証も切らずに受け取った出張費を含めてね。
おーい小石川税務署の役人タ○○デンキ怪しいぞ調べたれ
(結構根に持ってる)

別に故障した訳でもなければ、変えたからといって機能が向上する訳でもないスイッチ交換に七万円払うのが高いか安いか。
それは人それぞれという他はないが、自分にとってみれば全然アリ。毎日毎日操作するスイッチがこれだけ楽しいものになる事を考えれば。


その他印象に残った事としては、隠し忘れた肉食系の居候が見つかって受けるHさん(女性)と引くSさん(男性)の対比が。これまでにアレを目にした人は数あれど、平気な顔をしているのは意外にも女子の方が多いのが面白い。ていうか野郎は例外なく引くのな
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※1 顔を付き合わせないネット商売のネガな面が出て「そんな事こっちに言われても (´・ω・`)知らんがな」とでも言わんばかりの突き放した返事を寄越されたりする事が珍しくない。なので見てくれの良さに惹かれて輸入品パーツを購入するのは結構リスクの高い行為なのだ。上級者向け  
※2 玄関の二連スイッチで相当苦戦して時間を取られた感じ。スイッチを加工すると壁の中のスペースが足りず、二人がかりで押し込んで何とか取り付けられた模様。