5.31.2012

キレと逆ギレ

手摺り全長は2700mm、壁に取り付ける金具はアイアン。
それなりに重いので友人にヘルプを頼み、壁に取り付けるまで手摺りを保持してもらう。


「始めと終わりで高さを合わせないとおかしくなってしまうだろ」
「高さを計測するから、手摺りを壁に当てたまま動かさないで持っといてくれ」


「分かった」


「……。」(階段を上り、メジャーで手摺り下端の高さを測る)
「……。」(階段を下り、手摺り上端の高さを測る)


「どうだ?」


「……。」(もう一度上端の高さを測る)
「……。」(さらに下端の高さを測る)


「あれ?」(計測するたび高さが違う)


「そろそろ重くなってきた」


「……。」(もう一度上端の高さを測る。微妙に合わない)
「おっかしーなー」


「いや重いんだけど」


「………。」(考え込む)


「おーい?」


「…………。」(そもそも垂直にメジャーを当てられているのか疑問になってくる)


「重いって」


「!あーちょっと待って」(ロフトへ上がる)


「……。」


「あったあった」(裁縫箱を抱えて降りてくる)


「何してんの。離していい?重いから」


「んーちょっと待ってー。これをこうして…」(糸を取り出し五円玉に結えつける)


「いや、だから」


「んーちょっとまってー。これでどうだ」(五円玉を垂らして手摺り上端に当てる)


「まだかよ」


「んーちょっと待ってー」(糸の長さをキープしたまま階段を降りる)


「おい」


「んーちょっと待ってー」


「……。」


「んーちょっと待ってー」


「だから重いって言ってんだろがさっきから」


「だからちょっと待ってって言ってんだろがさっきから」



我儘を言える友人がいて助かります

5.27.2012

目出度さも中くらいなり手摺り交換(字余り)

発注していた手摺り材と取付金具が予定通り出来上がってきたので、早速手摺り交換に取り掛かる。

デフォルトの手摺りは直径3.5cmの丸棒、恐らくアッシュあたりの集成材。
これはこれで決して悪くはない。可も無く不可も無く、まあフツーすね。

油染みが見苦しいですね。いや別に手がものすごい脂性とかそういう訳ではないけど

まずこれを壁から金具ごと取り外し、金具の取付け位置を測定。同じ長さで発注していたウォルナット角材の同じ位置に別注のアイアン金具を先に固定して一体化してから壁まで持っていき、前の取り付け穴に合わせてビス留めする。
一箇所留めて位置を確認してみると、何故か手摺りの下端が壁からはみ出てしまう。前のとサイズも金具の位置もぴったり同じはずなのに。おかしいな?

しかたないので前方に30mmほどずらして新たにドリルで穴を開けてみる…と、今度は手応えゼロ。試しにビスを差し込んで回してみるがもうスカスカ。もう下地板ないじゃないかここ。
下地板についてはその場でS氏に電話で確認したりもしてみたがどうも判然としない。普通はある程度スペースに余裕をもって張られているはず…とはいえこのスカスカの現実の前には如何ともしがたく、やむなく開けたばかりの穴を放棄して再び元の位置に戻して取付け。そうするとやはり下の方が壁からはみ出てしまうのがどうにもダサいが仕方ない。

金具一つにつきビス4つで合計12箇所、元の穴から10mm程度しかずれていないのにまた手応えスカスカの穴が2つほどあったりしたので(どうも怪しいなこの壁の下地は)実質的に10箇所のビスでもって一応はがっちりと壁に固定された。
再利用していない穴で金具で隠しきれなかった二箇所と先ほどの失敗した穴一箇所を漆喰塗料で塞ぎ、最後に木目を浮き立たせるための荏胡麻油をすり込んで一応完成。

幅もあと5mm位細身の方がもう少し軽快な感じになったかなーと。どことなく見た目羊羹ぽいね

うむ悪くない。狙い通り木目が綺麗に出ている。…だけど何か思ったよりごつくない?
と思って念のためサイズを測定してみると、縦で5mm長さで30mmも指定サイズをオーバーしている事が判明。
あーそりゃーはみ出るわけだ。実際大きいんだもん。縦も5mmとはいえ全体の10%以上にもなる差な訳で、やはり見た目の印象もかなり違ってくる。長さはともかく※1、厚みのサイズオーバーは素人ではどうにもならんよ。サイズ加工費徴収してるならちゃんと仕事をしてください

手摺りを替えてみて良かったかどうかと問われれば、「手の摺り甲斐のある手摺りにする」という当初の目的は達成されたのでYES。しかし想定より大きいブツになってしまったところ、特に壁からはみ出た部分がどうにも気になるので、全体としては少し不満が残る出来だなあ。というかよくよく考えてみたら手摺りそのものがいらなくね?という気がしないでもないような…まあいいか。

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※1 いや長さもなあ。バルサ材ならともかく、これだけの厚みがある硬いウォルナット材を手作業ですぱっと綺麗に切り落とすのは素人には至難の技だろうな。ていうか多分無理。ただ切れればいいのではなく、綺麗に平らにすっぱり切断できなくてはいけない。面が曲がっていたりギザギザだったりガタガタだったりしたら台無しな箇所なのですよここは

5.21.2012

金環日食(なぜか文字化け)

生憎の曇り空、しかし金環日食の時間だけ図ったように晴れ間がのぞく!
双眼鏡越しに繰り広げられる眼前のスペクタクルを堪能。
いや眼福眼福。長生きはするもんだー

しかしiPhone画像では訳わからん

5.20.2012

ビンディングデビュー


夏場の通勤着はTシャツにクロップドパンツ。七分丈パンツに革靴を合わせるというのも変なので、足元はスニーカー。
昨夏はそれで通したのだが、通勤快速号のペダルは片面フラットで片面SPDというタイプ。どうせ革靴以外で踏むのであればただのスニーカーでは勿体ないということで、ジテツーを始めて二回目の夏を前にビンディングシューズの導入を決定。

さてどんなのにするか。ロードバイクに特化したシューズは非常に軽量だが、靴底は固いプラで全くアスファルトをグリップしない。急停止して咄嗟に足をつくような場合も考えられる街乗りには明らかに不向きだし、おしなべてベルクロというのもあまり好きでない。バリバリって。機能的には優れているのかもしれないけど、バリバリって。
あれこれ検討したが結局、見た目全く普通のスニーカーに見えるCHROMEのシューズを購入。

いやこれは面白い。上り坂でも引き足が使える分幾らか楽に登れるので、半分が上り坂である通勤ルートでは多大な効果を発揮する。ビンディングシューズを一度履くと普通の靴には戻れないと皆口を揃えて言うのも分かるような気がする。

また一つ通勤の楽しみが増えた。ただペダルから足を外し忘れて転倒しないように気をつけねば…いつかやりそう。

5.14.2012

午后の会話

土曜日の夕刻、シェルターを開いて久しぶりに洗車していると、通りがかりの老婦人から声を掛けられる。

「これは…どこの車ですか。国産ではないですね」

「これはフランスの車ですよ」

「見たことないわね。これ珍しいんじゃない」

「そうですね、あまり見かけませんね」

「前を通るたびに気になってたんですよ。どんなのが入っているんだろうって」



日曜日の昼下がり、ポーチ周りを掃いていると、通りがかりの老婦人から声を掛けられる。

「これは何という木ですか」

「これは夏櫨という木です」

「へえ…ナツハゼっていうんですか。いい木ですねえ」
「何でこの木を植えようと思ったんですか」

「ああ、紅葉が綺麗と聞いたもので。雑木ですけど」

「ああハゼですもんね。いいですわね」
「植えたばかりの時はまだよく根付いてないみたいでしたけど、漸くちゃんと根が付いたみたいで」
「前を通るたびに気になって見ていたんですよ。今年はもっと元気になりそうですね。楽しみですね」


毎日夜まで帰宅しない単身者として近所付き合いとは無縁の日々を送っていても、こうして偶に古くからの住人に声を掛けられるのは、何となく地域の住人として認められたような気がしていいものだ。昨今では不審者には積極的に声を掛けるよう指導している町内会もあるらしいが、それが理由である可能性は考えないようにしておこう。

しかしご近所は見ていないようで見ているというのが少しばかり驚き。だが我が家のささやかなシンボルツリーが道行く誰かの目を楽しませているのであれば、植えた甲斐もあったというものだ。

5.13.2012

次の進化計画

「居住空間学2012」のテーマではないが、この家はまだ進化の余地がある。引渡しの日からこれまでに壁を塗り天井を塗りタイルを貼り梯子を取付けて、もうやる事はないかと思いきや…いや、まだあった。

1.手すりを変える
オリジナルの階段手すりは直径35mm×長さ2700mmの無塗装の集成材丸棒。シンプルを絵に描いたような手すりは機能的には何ら問題ないが、無味と言えば無味。折角なのでもう少し手のすり甲斐がある手すりにしたい。
という事で木材屋さんにウォルナット無垢角棒を、鍛冶屋さんにアイアンの手すり金具をそれぞれオーダー。アイアンの手すりは定番だが、LWHの手すりとしては少し重い感じで全体の雰囲気にそぐわない。手すり自体は床に合わせたウォルナットを用い、壁に取り付ける金具だけアイアンという組み合わせにすれば重さが中和されていい感じになるのでは。アイアンは無愛想な表情となるよう、ロフト梯子と同じく無塗装艶消しクリア仕上げをリクエスト。シャビーな感じが出るといいなあ。シャビーシックと貧乏臭さは紙一重なんだけど

2.ロフト収納床に杉を貼る
コスト削減のために天井裏のロフト収納部分の床は何の変哲もない合板貼りとなっている。こちらも別に機能的には何ら問題ないのだが、いい香りのする杉の床にしてみよう。普通にフローリングを張るとなると張りじまい部分の加工などそれなりに大変なのだが、無垢床タイルであれば素人にも簡単に施工できる。これは便利だね。

画像はR不動産toolboxより拝借

1は確定路線だが、2は未だ検討中。というか逡巡中。
手すりの変更は明らかに室内の雰囲気を変えるインパクトがある筈だが、普段目に入らないロフト収納の床に杉を敷くのは効果あるかなあ。どうも確信が持てずにいる。


5.05.2012

陰翳礼讃

今月のBRUTUSは毎年恒例の居住空間学特集、目にするや思わず表紙買い。

グラビアページにも渋カッコいい家が目白押しで期待を裏切らない。今年のテーマ「進化する部屋。」は自分の目指すところでもあるのだが、これらのピカピカではない陰のあるエイジング感は正にど真ん中ストライク。サブウェイタイルも渋くていいなあ。洗面の前の壁に貼ってみようかな。フラットハウスはあんなに低くて湿気は大丈夫なのかしら

建築家と呼ばれる人にも得手不得手はあると思うが、昨今主流のツルピカで温度を感じさせない無臭無機質なモダンとは対極にあるこういったテイストはS氏が得意とするところではないかと思う。家を建てることを考えていて、かつ今月号のBRUTUSの掲載事例に胸が熱くなる人なら相談してみても多分損はない。逆にCGのようにクリーンで陰が無くて白くて螺旋階段でひたすらスタイリッシュなのがいいという人は…どうかなあと。上げてるんだか落としてるんだか分からない(笑)

5.04.2012

2年ぶりのグリーンカーテン

一昨年の夏に一本残らず枝を落とされてしまった家の前の欅だが、あれから二年を経て漸く新緑が復活。


全盛期に比べればまだ復活度50%といったところだが、一階はロールスクリーンが不要になる程度には茂ってきた。よしよし。