7.04.2017

浮造りの床

浮造りと書いてうづくり。床材の表面をそぎ落とし年輪を浮かび上がらせることで木目の美しさを強調する効果がある加工だが、床材の種類によってはわざわざそんな手間をかけなくても勝手に浮造りの床となる場合もある。



画像は施工後6年を経過したマニハウスの杉床。
見事な浮造り加工のように見えるが、さにあらず。柔らかい杉材は何もしなくても時間の経過とともに表面が徐々に痩せてきて、痩せずに残る硬い導管(=木目)部分とのコントラストが見事な浮造り(風)の床に変化する。
当初は痛々しいほど白かった表面は飴色に。これが本当の杉の床。

変わらないことに価値がある合板の床にとって古びることは劣化でしかないが、本物の木材は古び変色し使い込まれることでよりその価値を増すもの。それを知っている人に木の床は向いているし、上の画像を見て眉をしかめる人は合板フローリングかタイルの床※1にしておくのが無難。
趣味嗜好の問題であっていい悪いの問題ではない。硬い広葉樹であるメープルやオークであればここまでの変化はないが、使い込まれるほどに変色し趣が変わってくることには変わりない。

杉と同じく柔らかい針葉樹である松も経年変化は同様なのは古い寺や現存する城の床を見ればわかる。この変化を逆手にとって塗装の色落ち※2を楽しむのも面白いかもしれない。黒色であれば古い寺や城の床のような和風の渋い趣が、白色であれば古い洋館のようなラスティックな味が出るだろう。

色落ちした黒井由香(誰だよ)黒い床の例。彦根城天守

松本城天守月見櫓。彦根城ともども新築時は墨あるいは黒漆で彩られていた床が数百年の歳月を経てこのように変化

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※1 タイルの床は重いので木造には向かない。すなわちタイルの床にこだわる人は必然的にRC造か鉄骨造で家を建てることになる
※2 痩せずに残る木目部分だけジーンズのように色落ちするのではないか



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