列車から降りるなり摂氏マイナス18度の外気で手荒い歓迎を受ける。
低温下ではバッテリ消耗が激しい。下車前にiPhoneを充電 |
出迎えの子供たち |
星をいただく尖塔がペトロザボーツク駅のシンボル |
この街を訪れたのはいうまでもなく世界遺産の木造正教会が建つオネガ湖のキジ島へのフェリーに乗るためだが、駅を出てまず向かったのはフェリー乗り場でなくその近くにあるカレリアホテルというリゾートホテル。このホテルでフェリーチケットの予約を受け付けていると聞き、日本を発つ前に予めチケットの手配をメールで依頼しておいたのだ。
朝9時にペトロザヴォーツク着、11時発のフェリーに乗りキジ島に渡り、夕方のフェリーで再び帰って来る。そのままこの街で時間をつぶし、夜9時頃の列車に乗りサンクトペテルブルクに向かう。うむ完璧なプランだ。
もっとも二回送信しても返信がないのが気になるといえば気になるが大したことはあるまい。これもロシアらしいルーズさだろう。
カレリアホテルまでは駅から約5㎞、フェリーが出るまで時間は十分あるので普段であればブラブラ歩いていくところだが、とにかく半端でなく寒いので駅前からタクシーで直行。
さすがにリゾートホテルだけあって流暢な英語を話す受付の女性従業員二人に向かってここまで来た用向き、すなわちメールで依頼しておいたフェリーチケットを受け取りたい旨を伝えるが、二人とも呆気にとられた表情のまま固まって返事がない。通じなかったかと思いもう一度繰り返すと、顔を見合わせながら困った顔で漸く口を開いた。
「フェリーはクローズしています。だって…湖が凍ってるでしょう」
あっ。
全く信じられないことだが、ことこの瞬間に至るまで湖が凍り付いていることに全く思いが寄らなかったのはどうかしているとしかいいようがない。完璧なプランどころか完璧な間抜けである。
今度はこちらが言葉を失って立ち尽くしていると、もう一人の女性が続ける。
「メールの返事はありましたか?なかったでしょう。冬は運行してませんから」
あーそうかいそうかい確かに返事はなかったよしかし君ねェやってないならやってないと返事くらいくれてもいいじゃないかねェとブツブツ独り言つも全ては後の祭り。彼らにしてみれば冬になればオネガ湖は凍るのは当たり前、そうコーラを飲めばゲップが出るっていうくらい確実(Ⓒ荒木飛呂彦)なことであって、それに思い至らないこちらの方が非常識なのだ。
受付嬢は気の毒がって親切にも電話で確認してくれたものの、結果は彼女の言葉が正しいことが裏付けられただけ。
かくなる上は仕方ない。とりあえず今晩この街を発つまでスーツケースを預かってくれないかと頼み、身軽になるとホテルを出て街へ向かって歩き出す。とにかく夜まで時間をつぶさなくては。
カレリアホテルはオネガ湖の目の前 |
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