1.30.2015

階段ボックス板張り(2) 暴れん坊オーク

12月半ばの短い日中、取り寄せた4mm厚オーク板を鋸でカットしては貼り付けていく作業。
薄く柔和でいかにも聞き分けのよさそうだったオーク材はここにきて突如として暴れ始め、施工者を大いに困らせる。
見た目は同じように見える板にも個性があり、中には鋸で切り進むにしたがって鋸に噛み付くように反っていく板があるのには驚く。切り始めはさくさく進むものの徐々に抵抗が大きくなり、ついには刃を完全に噛み込んでしまって進むも戻るも叶わなくなるのだ。何だろうこのマウントポジションを取ったつもりが下からフロントネックロック極められちゃいました感は(長い)

切り出した板を階段ボックスにボンドで接着していく過程でも素直に従う板がある一方で、暴れる板はとことん暴れる。何しろボンドを塗った途端にその水分を吸収して反り返ってくるのだからどうしようもない。ボンドで接着しておしまいにするつもりだった計画は急遽変更、貼った板に片っ端から釘を打ちこんで押さえつけることに。本来であれば裏地が無い部分に釘を打ってはいけないのだが、もうそんな事を言ってらんない。それでも間に合わず手遅れとなった板が一枚。両端を釘で押えている間に中央部分がぐんぐんと反り返り、周りから5mm程も浮き上がるとそのままカチカチに固まってしまった。こうなってはもう釘も螺子も効かない。万事休す。
暴れるのは本物の木である証拠と言え、この施工性の悪さにはつくづく閉口。合板や建材が好まれる訳だ。

何とか貼り終わって着色前。やはりオークは塗ってなんぼ
反り返った暴れん坊が一枚…そういえば反逆のアイドルことビリー・アイドルは元気かしらん

1.23.2015

階段ボックス板張り(1) 樹種の選定

階段ボックスにどんな板を張るか。
フレームとなっている角材と綺麗に面一になるように張られている合板の上から重ねて貼る以上、板の厚み分だけ不細工な出っ張りが出てしまうのは避けられない。なのであまり野暮ったくならないよう、出来るだけ薄い素材を探す。
そういうことならホテルライクなゴージャス感を演出できるシャレオツなウェンゲのプリント合板の壁材がうってつけ。厚さも僅か4mmで条件にぴったり。うん、それはやめておこう。今更ホテルライクが似合うツルピカな家でもないし、そもそも合板の上にわざわざもう一度合板を貼り付けてどうする。
ここは無垢の板、しかも木目が綺麗に出る種類である事が条件だ。

???『杉だ!杉板にしよう!』

…誰かの声で空耳が聞こえたような気がするが、探してみるとR不動産ツールボックスでは塗装済みの5mm厚の杉の足場板を取り扱っている。これはなかなか良さそうだ。しかし更に調べると別の業者で4mm厚のオーク板も見つかった。よし、こっちにしよう
杉材ではなくオーク材を選択した理由はまず安いこと※1、そして(1mmとはいえ)より薄く貼り上がりの違和感が少なそうであること、うっすら塗装済みの杉板に比べ全く無着色でより自由な色付けが可能であること、杉より男性的な表情が我が家に合いそうなこと、杉とウォルナットと檜で出来ている我が家で未使用のオークをここいらで取り入れてみたくなったこと、S氏の家といえば杉板というお約束※2にあえて逆らってみたくなったこと。まあ最後のは冗談としてもこれらの理由は結局後付けであって、決めた時はただ単にピンときた方を選んだだけだったりする。これまでの経験上、情報を得るだけ得たら後は下手に考え込むより「何となく」の心の声に従って決めた方が結局正解に近い事が多いのだ。
今回の選択が正解だったかどうかは、さあ。少なくとも施工ではかなり苦戦したのだが。いや合板って素晴らしいですね。

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※1 似たような、というかサイズも厚さも全く同じオーク材はツールボックスでも取り扱われているが、なぜか値段が二倍ほども違う。流通経路が違うのか、代理店マージン乗せすぎなのか。
※2 京都銘菓といえばおたべ、埼玉銘菓といえば十万石饅頭、ペーといえばパー、そしてS氏といえば杉三昧である。



1.18.2015

時計からはじまるミステリー

それまでさして関心のなかった階段ボックスになぜ手をつけようと思ったのか。
それは階段に照明を追加するイメージが浮かんだから。
それまでただの暗がりだった階段ボックスの内側は追加した照明で明るく浮かび上がる事になる。せっかくスポットライトが当たる部分が味もそっけない合板のままでは面白くない。
なぜそこに照明を追加しようと考えたのか。階段の壁に掛けた時計を照らす為だ。
なぜ壁に時計を掛けたのか。GE社製の、お気に入りのビンテージクロックを手に入れたからだ。

一つの古い時計を手に入れたことから始まった新たな改造。壁に板を張って照明を取り付けてと、ヘビーではないがまあまあの工数。結果から考えれば、こいつは我が家を改造するために50年前のアメリカで生まれたのだ。


お店の商品画像を無断拝借。まあ買い上げたからいいでしょ

階段ボックスにアクセントを

我が家の階段、二階部分の周囲は角材と合板で囲まれている。

建築中ショット
こんな感じ。
恐らく建物自体の強度には寄与していないこの部分が何もない素通しであれば部屋はもう少し広く見えるかもしれないが、しかしすのこ状に渡された角材はその上の窓の開閉のための足がかりとなっているのでそうもいかない。
角材で囲まれたボックス状の空間は合板でそっけなく塞がれていて、この愛想のなさがこの家には合っているともいえるのだが、この部分にもう少し味が欲しくなった。
選択肢は二つ。取るか加えるか。

角材の枠組みだけを残して合板を取り去ってしまえば多少は開放感が増すだろうし、階段も明るくなるだろう。ぽっかり空いた隙間にはアイアンの棒でも取り付ければまた違った表情を見せるに違いない。
逆にこの合板の上から別の板を貼り付ける選択肢もある。それはそれで空間のアクセントになるかもしれない。

しばし迷ったが、剥がしてしまうのは後からでも出来る。まずはここに無垢の板を貼り付けたらどうなるか、やってみる事とした。

1.14.2015

エグザイルは中国では放浪兄弟と称しているらしい

こういうライフハックを知ると無性に実践したくなる。あてどのない旅に出たくなる
しかし今は超がつく円安で1ユーロなんと140円超。去年の今頃はざっくり1ユーロ100円で換算して良かったくらいなのに何たる落差。
単純に考えて滞在費移動日食費が全て4割増しではとても無理…そういえば車検も控えてるし、まだ纏め終わっていない昨年の旅のメモでも書いて、波蘭の思ひ出を反芻して我慢する事としよう…

1.09.2015

明けました

竹籤と房は毎年使いまわし

松の内も明け、暦の上でもやっと平常運転。
一月の我が家は、年末に床に塗布した「匠の塗油」の荏胡麻油の残り香が強く漂うのが恒例。
薄く斑なく塗るのが難しい油なので塗布した後の床は必然的にムラムラのギラギラで、だがこれは日々の生活を送る中で薄皮を剥ぐように徐々に床板に馴染み、雑巾がけを繰り返すうちに余分な油分が除かれて、一年を通してごく自然な艶に変化していく。これも毎年の事。
繰り返し油を塗られては磨かれて使い込まれる程に、木の床の表情は時間の経過とともに深みを増していく。
引渡しの時とはまるで違う樹種のように深い色合いに変化している床のウォルナットがぼんやりと灯りに照らされているのを眺めるのは嫌いではない。