家の玄関前ポーチは、高さ90cmほどまで立ち上がった高基礎で囲まれている。これは道を挟んで正面にある擁壁に関連した規制※1の為にそのような構造にせざるを得なかったのだが、怪我の功名というか、結果として外観のアクセントのように仕上がったこの部分は結構気に入っている。
この高基礎、出来上がってからまだ2年を経過しない為にまだ殆ど汚れも目立たないのだが、今後長きに渡って風雨や紫外線に晒され続けていれば、次第次第に朽ちていってしまうのは否めまい。
綺麗に古びられればそれもいいのだが、コンクリートが綺麗に古びるのはなかなか難しい。ひび割れや苔、カビなどで荒れ果ててしまってはただ見苦しいだけ。アクセントも台無しだ。街を歩けば、全く手入れされていない外壁がお化け屋敷のようにおどろおどろしく劣化した古いコンクリート打ちっぱなし住宅を見かける事がままあるが、ああいう風にはしたくない。
意を決して、高基礎の外側にクリスタルシーラーを施工することとした。かつてポーチ内側と玄関に塗布したもののムラが目立つ仕上がりに臍を噛んだシーラーなのだが、表面に膜を張るのではなく内部に浸透し、モルタルそれ自体を改質するというこの製品に勝るコート剤はやはり存在しないように思える。
ムラの原因は使用量が少なすぎた為ではないかと考え、今回は4kgボトルを取り寄せた。前回施工時の残り1kgと合わせて5kg、まず十分な量だろう。
前日に水をかけながらブラシで洗ったモルタル外壁が完全に乾燥するのを待って作業開始。
なるべくムラが出ないよう、今回はローラーでなくコテバケを用いる。
塗ってはならし、塗ってはならしする事90分、4kg近くものシーラーを塗りこみ浸透させた外壁は…
どうしてもムラになるなあorz
表札を取り付けた正面の外壁は比較的綺麗に仕上がったが、側面は乾燥するにつれやはりムラが目立ってしまう。言っちゃなんだがあれだけ丁寧に作業してムラになるのであれば、例えプロがやっても出来栄えは大差あるまい。これはもう諦める他ないだろう。※2
ムラになったとはいえ、目を近づけると分かる表面のキラキラとした控えめな輝きは、内部にシーラーが十分に浸透してメーカーの売り口上通りにモルタルを改質している事を伺わせる。とりあえずこれで表面がひび割れたり苔やカビで黒ずんだりするリスクはかなり軽減された筈だ。
戦は六分の勝ちを持ってよしとせよ。大成功とは言えないまでも大失敗でもなく、最低限の目的を達せられたのであれば、久々に手ずから行なった今回の施工はまあまあと評価しなければならないだろうか。
残りのシーラーはまた別の機会に、ポーチ床面に再度塗りこんで使い切ることとしよう。
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※1 向かいの擁壁の天辺から俯角30度の範囲にかかる部分は鉄筋コンクリートである必要があり、また開口部を設けてもいけないと規制されている。高基礎の上辺は丁度その俯角ラインにかかる高さ。
※2 自分の家で自分で施工したからこそ諦めもつくが、これが他人の家であれば洒落にならない。施主は絶対に納得してはくれないだろう。業者の方はくれぐれも注意されたい。
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