1.17.2014

床張り工事メモ(4)(了)

完成まで延べ八日間、作業時間にして五十時間以上を費やしたロフトの床張り工事、いったい何がそんなにハードだったのか。そしてなぜそんなに時間がかかったのか。
今回床に張った檜板は、本来であれば壁や天井に張る板材で、長さこそ2mあるものの幅9cm厚さは僅かに1cmしかない。針葉樹である檜は柔らかで軽く、この点だけ見れば工事は随分楽そうに思える。ていうか実際楽だ。
問題はそのロケーション。
ロフトは二階天井裏にあり、アクセスするには梯子を上る必要がある。そして上りきったところにあるロフト空間は四つ這いでなければ移動できないほど低い。
これが激しい疲労の源。

・板材を仮起きする
・カットラインを引く
・表に持ち出してカット
・再び持ち込んで位置合わせ
・ボンドで接着
・ドリルで下穴を開ける
・フロア釘をハンマーで打ち込む
・ポンチで締めこむ

たったこれだけでしかない一連の作業、我が家の二階ロフトという特殊な空間においては、この合間合間に漏れなく「梯子の上り下り」と「四つ這い移動」が伴うのだ。
正確に記せば、

・板材を持って梯子を上る
・板材を持ちながら四つ這いで移動し板材を仮起きする
・四つ這いになりながらカットラインを引く
・板材を持ちながら四つ這いで移動する
・板材を持って梯子を降りる
・板材を持って階段を降りる
・表に持ち出してカット
・板材を持って階段を上る
・板材を持って梯子を上る
・板材を持ちながら四つ這いで移動し再び位置合わせ
・四つ這いになりながらボンドを塗る
・四つ這いになりながらボンドが乾くまで抑える
・四つ這いで移動しドリルと掃除機を持ってくる
・四つ這いになりながらドリルで下穴を開ける
・四つ這いになりながら掃除機で木屑を掃除する
・四つ這いになりながらフロア釘をハンマーで打ち込む
・四つ這いになりながらポンチで締めこむ

ゲシュタルト崩壊を起こしそうなほどの「四つ這い」の連続。
四つ這いの何がそんなに疲れるの?と仰る御仁は一時間でいいから四つ這いで生活してみて欲しい。四つ這いでスマホを操作し、四つ這いで新聞を取りに行き、四つ這いでテレビのリモコンを操作し、四つ這いで歯を磨くのだ。
もう尋常じゃなく疲れるから。疲れないとしたら多分あなたは猫なんでしょう。気づいてないのは自分だけ。

張った板の枚数、すなわち五十数回このルーチンを繰り返せば膝当てを当てていても膝が腫れ上がろうというもの。正直に言えば工事が終わって暫くは梯子を目にするのも嫌になったという。笑


最後に今回の工事のオールキャストと一口メモ。
これだけ揃えればあなたも明日から床張り親方、さあレッツトライ。
右から

・ハンドクリーナー:ドリルで出る木屑は結構な量。なくても工事は出来るがあれば大いに捗る
・ドリル:下穴開けに使用。なくても工事は出来るが相当苦労すること必至
・隠し釘:端の板材を固定するのに必要。思春期の少年の心より折れやすいので取り扱い注意
・フロア釘:言うまでもなく必要不可欠だが長すぎると下地をぶち抜くので注意。そんな間抜けはいないか
・ボンド:板材固定と鳴き防止に。セメダインは乾燥後透明になるがタイトボンドは黄色く固まるのではみ出し注意。今回の工事では500ccボトルを二本空にした
・ハンマー:言うまでもなく必要不可欠。板を傷つけにくい樹脂素材のを使う
・ポンチ:フロア釘を最後まで打ち込むのに必要。フロア釘の頭にはポンチ用の凹みがあるので先端が尖っているタイプの方が使いやすい
・カッター:針葉樹に限り有効。余分を切り取ったり形を整えたり
・シャーペン:隙間なく張るにはミリ単位の精度が求められるので、線が太い鉛筆より常に細いラインが引けるシャープペンシルの方が望ましい
・金尺:垂直に線を引いたり長さを測ったり背中を掻いたり何かと便利
・鋸:言うまでもなく必要不可欠
・膝当て:今回の工事における影のMVP。これがなかったら工期は軽く十倍に延びていた。マジで

はいチーズ

暫くの間苦楽を共にした相棒たちも最後の記念撮影を終えれば解散、そしてそれぞれがあるべき場所に戻っていく。
あるものは工具箱に、あるものは引き出しに、あるものは部屋の隅に、
そしてあるものはゴミ箱に。あー断捨離断捨離

1.10.2014

床張り工事メモ(3)

檜板をすべて張り終えたロフト(小屋裏収納)で壁の灯りをぼーっと眺めつつ休息。




日を改めて次の週末。張り終えたばかりの檜に匠の塗油を刷り込んでから最後の仕上げは開口部の処理。
辺縁部が床板切りっぱなしのままでは見た目がよろしくないし、何かと擦れがちな開口部の縁が柔らかい檜のままというのも、すぐに痛んでしまいそうでこれまたよろしくない。
普通なら硬めの木で作った框で縁を囲むところだが、その代わりに黒皮鉄のアングルを用意し、それを縁に被せて仕上げ兼ガードとする事にした。これなら工事も簡単で見栄えも悪くない。素材的にも近くにあるコンセントプレートや梯子とお揃いで、いい感じに仕上がるだろうと期待。最近になって分かった事だが、どうやら自分は素の鉄の素材感が好みらしい。

鋼屋で誂えた1.6mm厚アングルにドリルで穴を開けて床にビス留め、これで本当に一連の床張り工事が完了。

これにて完了。ボンドの垂れ跡が見苦しいが気にしない

狭く低く見るからに殺風景で、用が済んだらとっとと退出したい場所でしかなかった我が家のロフト。
今では少しばかり長居してもいいかなと思える場所に様変わり。
その評価にはDIYの思い入れというプラス補正がかなり効いている事は否定しない。笑


この工事を総括すると、難易度はともかくとして疲労度は間違いなく過去最高。
いや壁塗り工事より疲れるDIYがあったとはね。何故かと言えば(続く)

1.06.2014

メメント・モリ

大分前の記事になるが、無数の人の死を看取ってきたナースが挙げる
死ぬ前の後悔トップ5」を再顧。

年が明けてまた一つ歳をとる。
自分がいつ死ぬかは誰にも分からない。
よってどの程度働いてどの程度遊べばいいのか、どの程度節制してどの程度享楽に耽るべきなのか、
その匙加減もまた誰にも分からない。
ただ車に乗ってバイクに乗って、あまつさえ日々自転車通勤なぞしている自分にとって、死はそうでない人間(車にもバイクにも、ましてロードバイクになんか絶対に乗らない)よりずっと近しい存在である事は確かだ。
いつそうなっても後悔のないように…いや後悔の種などいつになっても山ほどあるに違いないのだが、人生も後半戦に入ったであろうこれからはなるべく我慢せず、自らの内なる声に出来るだけ忠実に、我が侭に生きていければと思う。やりたい事は我慢せずにやってやりたくない事はやらなくて、会いたい人間に会って会いたくない人間には会わないのさ。えっこれ以上ワガママになったらどうなっちゃうのオマエとかいう突っ込みはなしの方向で。笑

12.26.2013

床張り工事メモ(2)

年末は仕事も忙しいし帰宅してからも家の事で忙しいし週末もやる事だらけで
昼夜問わず全く休む暇がない。もう少し計画的にだな…毎年言ってるぞ進歩のない奴


⑥左端から張り進んでついに右端に辿り着く。
最終列の板は右側の凸実を切り落とす。それでもその状態で最後の余白と板の幅がぴったり合うことはまずないので、余白に幅を合わせて縦にカット。

⑥幅を合わせてカットして、収まるかといえば収まらない。
最終列はスペースがないので、それまでやっていたように凸実の真横から凹実をスライドさせて押し込むという手が使えない。手前から斜めに押し込むしかないのだが、そうなると凹実が引っかかってどうやっても嵌め込む事は出来ない。
で、どうするかといえば邪魔になっている下側の実を切り落として嵌め込む。

凹列の実の下側を切り落とした図。奥に見えるのが最終列の余白。3cm程度

⑦ロフトの右端には梁が横たわり、そこから何本かの角柱が立っている。
この梁と柱が微妙に面一でないので、うまく収まるように現物合わせで板を加工する。

こんな感じで微妙に出っ張っている箇所は
逃げを作って嵌め込む
現物合わせの加工に用いたのは鉛筆とカッターナイフのみ。
柔らかい檜はカッターでも削れてしまう。これがメープルやチークだったら間違いなく鑿が必要になるところ。素人に優しい針葉樹万歳

⑧最終列の固定にフロア釘は使えないのでかくし釘を用いるのだが、どうせここは置き荷で半永久的に隠れてしまう部分なので敢えて嵌め込むだけで終わりとした。マイクロフィルムはここに隠そう。


⑨エイドリアーン

もはや体中が痛い

⑩エイドリアーンとかいいつつまだ完全には終わってない。
いや板張り作業自体は終わったが仕上げの処理が残っている。
これまでの作業は全てセオリーどおり、無数の先人達がやってきた事を忠実になぞったに過ぎない。
今回の工事で少しでもオリジナリティがあるとしたらこれだ。

防錆スプレー乾き待ち

鋼屋で誂えた厚さ1.6mmの黒皮鉄アングル。
切りっぱなしの断面も鮮やかなこの鉄材を誤って足に落とした日には間違いなく指が飛ぶだろう。あら素敵。
これを何に使うか…ふふふ



まだ続く

12.24.2013

床張り工事メモ(1)

板材には互いに組み合う実(さね)加工が施してあって、左側が凹実で右側が凸実。
右端から左に張っていくのはNG。右辺は凸実が飛び出している上、凹実に凸実を嵌めていくやり方では最後がうまく収まらない。
従って張り順は常に左から右。凸実に凹実を嵌めていく。
一方、我が家のロフトの天井は左上がりの片流れ屋根に沿っていて、すなわち左が高く右に行くほど低くなる。収納物は必然的に、ほぼワニのような体勢でしか移動できない右側に寄せて置かれている。

つまり工事は比較的高さに余裕がある左端から始まり、最も高さが低い右端に到達して終了。
言い換えれば荷物が置かれていないフリーな箇所の床ほど初期の拙劣な施工が目立ち、コツを掴んで惚れ惚れするほどビシッと整った後期の施工の殆どは荷物の下に隠れてしまうという皮肉な結果に。
まあ人生ってそんなもんだよねーなどとうそぶきつつ作業メモ。


①最初の一列の直線出しが最も肝心。
ここで真っ直ぐでないと後々の列まで全てガタガタと乱れてしまう。出来れば墨坪で直線出しをするのが望ましい。
自分はここを横着したので始めの数列はガタガタと隙間が空いてしまった。痛恨のエラー。

②張り作業は一列ずつ。
一列分の板をまずカット(継ぎ位置が隣の列と互い違いになるように板の長さを調整)し仮置き、列全体の直線が真っ直ぐ出ている事をしつこく確認する。

凸実を潰さない様、打ち込みには必ず凹実のついた当て木を使う
水平器についていたレーザーポインタが始めて役に立つ。気休め程度だけど

③列全体の仮置きで真っ直ぐ揃っている事が確認できたら、板を取り外し裏返してボンドを塗布、再度打ち込む。
ボンドが乾くまではじりじりとずれてくる場合があるのでここでもしつこく列の直線を確認(万全を期すなら次の列に張る予定の板をあてがって打ち込み、直線が出ている事を確認)。
問題なければ30cm置きにフロア釘を打ち込んで固定する(根太を張っている場合は根太に合わせて釘を打つ)。

④固定する釘は専用のフロア釘を用いる。
フロア釘はスクリューがついていて通常の釘より固定力が強く、また頭が小さくポンチ穴が穿たれているのが特徴。なおドリルで下穴を開けてから打ち込むと作業が格段に楽になる

凸実の上からおよそ45度の角度で打ち方はじめ
ハンマーが届かなくなったらポンチをあてがって最後まで打ち込む
打ち方やめ。板が薄いので打ち込みで実が割れてしまいやすく、なかなか加減が難しい

⑤左から右へ、只管この作業の繰り返し。
列の直線を保つのが工事の肝なので、作業を中断する場合も必ず列全体を仕上げてからおしまいとする。


12.16.2013

ロフト床張り工事終了

週末を費やす事四回でロフト(小屋裏収納)床張り工事は完了。
いや疲れた。経過をアップするつもりが、毎回工事の後は疲労のあまりブログを更新する気力も残らず今に至る。まあとりあえず無事終わってよかった。
今回のセルフ家作りはこれまでで最も体力をを消耗した工事だったかもしれない。その理由はまた追って。つくづく、家作りは体力だ。

12.04.2013

Z(俗人)ライフ

自分でわずか10万円の予算で家を建ててしまうという究極のDIY側面にまず引かれたBライフだが、ご本人(毎年寝太郎こと高村友也氏)のブログを読めばそれは単なる変人の風変わりな生活ではなく「働くとは」「生活とは」を突き詰めた哲学の実践である事が分かる。

人は何のために働くか、もちろん生きる為だ。
ならば生きるコストを最低限にすれば労働も最低限で済む。
持ち家であれば毎月の家賃もかからず、なおかつ土地建物あわせて100万円に満たない持ち家であれば固定資産税もタダ同然。年間所得を100万円以下に抑えれば所得税住民税健康保険料も殆どかからないうえに年金も全額免除(全額免除でも少しは支給される)。
結果、労働と名のつくものは数週間に一度の単発バイトで十分、これで十分生活が賄え、残りのすべての人生は誰に気兼ねする事なく自由を謳歌できるというライフスタイル。

あまりにもラディカルな発想の転換に唸ってしまうが、これはあくまで老人になるまで病気一つしない頑健な身体を大前提に成り立つ話であって、大病の一つも患えばたちどころに破綻してしまうサイクルである点で普遍性には極めて乏しい。生活保護の不正受給で社会に寄生するといったチートよりは遥かに真っ当だが、圧倒的多数の人間が馬鹿正直に働いてせっせと税金を納める事で成立しているこの社会の制度(の抜け道)を上手く利用したニッチな生き方である事には変わりなく、当然ながら多数派には決してなり得ない。理屈の上では可能だが、家族を持つのは事実上無理だろう。即ち何ら未来に繋がるものもない。

それを差し引いても、辿り着いた哲学を身をもって実践する勇気と行動力は大いに買うし、率直にすごいと思う。
自分も独り者であればこれを実践する余地はある。なくはない。のだが…いやまず無理。無理っす
決してギラギラしたタイプではなく(LWHはギラギラとは対極に位置する)どちらかといえば淡白な性質ではあるものの、それでも我と我が身を振り返れば物欲やら虚栄心やら執着心やら闘争心やら、ありとあらゆる欲望や煩悩の雁字搦めからは永遠に自由になれそうもない。
まずこの家を維持しつつ最低限の生活を送るにもバイト暮らしでは到底無理だし、かといって手放す事など有り得ない何言ってんのアンタ。車もバイクも最低限楽しみたいし最低限自転車も大事、最低限あれも欲しい最低限これも欲しい最低限猫も欲しい、最低限あの野郎この野郎の鼻をあかしてやりたいし最低限床張りはきちんと仕上げたい…ああ見事なまでに俗そのものではないか(笑)。
丿貫のような生き様には常にある種の憧れを抱いてはいるが、それは自分には決して辿り着けない境地に対する諦念の裏返しであったりするのだ。いいじゃないかにんげんだもの。みつを。

11.28.2013

不適材不適所

ロフト(小屋裏収納)のフローリング工事に取り掛かる前に、現状のラワン合板の床を綺麗に掃除する。

構造用合板25mmの上にラワン合板5mm。吸水性抜群で染みが目立つ目立つ


日ごろ掃除をサボりがちな場所ではあるが、ゴミの上から床を張るのではボンドも付きが悪かろうし、下がゴロゴロして高さが不揃いになってしまうかもしれない。
何より気分が悪い。

とりあえずコロコロを隅々までかける事にして、床の上にロール粘着紙を走らせる…


ベリッ。



べり?

不吉な予感に慌ててローラーを除け、音を発した箇所を見ると、何とコロコロの粘着力であっさり合板の表面が剥がれ、一面のささくれが出来ているではないか。

コロコロを押し付けられてやさぐれた合板。こうなってはヤスリをかけない限り裸足では歩けない

フローリング代わりに張ったこのラワン合板、場所が場所だけに普段は殆ど触れることもなく、従って痛むことも殆どない筈なのだが、3年を経過すると早くも張り合わせた板の継ぎ目部分が(勝手に)ボロくなってくるなど、随分と劣化が早いなとは思っていた。しかしここまで脆いとは。
これが木の床であったなら、どんな安物の木材だろうとこんな事には決してならない。筈。

元はといえばコストダウンの為、普段見えない場所だし合板張りでもいいかと思ってこの仕様にしたのだが、遅かれ早かれ自分で仕上げ直すのは必然だった。
どこかのローコストハウスの実例でフローリング代わりにラワン合板を床全面に張った家があったような気がするが、あれなんかも早晩張り直しを余儀なくされたのではないだろうか。新築時点では斬新でカッコよく見えてもすぐボロくなる(木のように味が出るわけではなく、ただ単にボロくなる)し、あちこちでささくれたトゲが足の裏に刺さるのは時間の問題だろうからだ。

結論として。
押入れや物置の床ならともかく、少なくとも裸足で歩く床の仕上げ材としては、合板は全く不適当。
やはり木とは似て非なる物なのだ。



11.26.2013

DIYの背中を押すBライフ

家の一部でも自分で作ってみたい、仕上げたい。
だけど腕に覚えもないしなんか怖いしどうしても勇気が出ない。

という向きにお勧めのページがこのBライフ研究所
「都内から原付で半日」の山林地に土地建物合わせて100万円の予算でマイホームを手に入れ、出来うる限り最低限のコストで自由に日々を暮らす様子が綴られているこのウェブサイト(ブログ)は色々な意味で衝撃的なのだが、とりわけすごいのは僅か10万円で建てられたという家。
何がすごいって、
「腕にまったく覚えのないDIYの素人が」
「電動工具など文明の利器を一切用いず」
「ホームセンターに売っている資材のみを用いて」
「一から十まで(基礎さえ!)自分一人だけの力で家を建ててしまった」
という事実。

本人が自称する「金槌さえ握ったことのない素人」という言葉に嘘はない事はその仕上がりを見れば分かるが(失礼)、見てくれやグレードはともかく、それでもちゃんと家として機能しているのだから立派なもの。
金槌さえ握ったことのなかった素人でも、鋸と金槌とホムセン資材だけでなんとか家を作れるのだ。これに比べればDIYなどちょろいものだし、知らず知らずのうちに「上手くやらなきゃ」とDIYのハードルを自分で上げてしまうあまり一歩が踏み出せない身には『見た目が多少アレでも何とかなればそれでいいじゃない』と勇気づけられる気がしないだろうか。
経験から言っても、自宅の用途に供する限りにおいては多少失敗しても「それが何」で済む。不特定多数の人間にハードに扱われ、それ故に些細な瑕疵が致命的な欠陥となりうる公共施設なんかとは使用環境のシビアさがまるで違うからだ。
やってみれば意外に何とかなるのがDIY。でもどうせやるなら綺麗にやりたいけど(←どっちだよ)。

11.25.2013

ポイント・オブ・ノーリターン

DIYにおけるポイント・オブ・ノーリターン、これを越えたらもう引き返せない、やりきるしかないという瞬間は、家に対し不可逆的な加工を開始する際に訪れる。

漆喰ペイントをたっぷり吸ったローラーを壁に叩き付けた瞬間、
ロフト梯子を取り付ける床に意を決してドリルを突き立てた瞬間、
ロフト壁や階段壁に穴を穿った瞬間、
ボンドを盛り付けたタイルをキッチンの壁に押し付けた瞬間、
超高粘度の強力ボンドを盛った鏝を反転させて玄関モルタルに撫で付けた瞬間、

家は不可逆的にその姿を変え、
「ひたすら前進して工事をやり切る」以外の選択肢はその時点で消えてなくなる。
生来不器用な自分は何度やってもこれを越えるのに少しばかり逡巡するのだが、
「終わらない工事など存在しない。終わらない冬がないように」(春樹風)
と自らに言い聞かせてその第一歩を踏み出すのだ。


そして今回の工事のポイント・オブ・ノーリターンは…

「…」  (檜材をしげしげと眺める)
「…」  (ひっくり返しボンドをたっぷり塗布する)
「…」  (もう一度しげしげと眺める)



ベチョッ。 



はい今越えた!今ポイントオブノーリターン越えたよ!(修造風)

15%終了

11.22.2013

やは肌の熱き血汐に触れも見で

どん!と届いた檜材40kgの山を前にしばし立ち尽くすものの、まずは荷を解かねば始まらない。
ダンボールを開封しテープを解くと、

軽い!
柔い!
白い!
桃い!
いい匂い!


同じ木材でもこうも違う

節もほとんど見られない柔肌の、ほっそりとした優美な木材が麗しい芳香とともに現れた。
堅く黒く幅広く木目がマッチョなウォルナットの床に置けば、まるで真っ黒に日焼けした高校球児の野球部に入ってきた女子マネの趣。取り扱いに難儀した重くごついウォルナットに比べれば切った張ったは格段に楽そうで、これなら手に負えない事はないだろうと少しばかり気が楽になる。